政府:EFSF債の継続購入に意欲-ユーロ建て資産は潤沢

日本政府は欧州連合(EU)がア イルランドなど財政危機に陥ったユーロ加盟国救済のために設立した 欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発行する債券を継続的に 購入する方針だ。複数の政府関係者が12日、ブルームバーグ・ニュー スに明らかにした。

野田佳彦財務相は11日の記者会見で、「EFSF債の信認を高め るために、主要国の日本が一定割合を購入し、貢献することが妥当」 と述べ、1回目の起債分30億-50億ユーロ(約3200億-5300億円) のうち2割超の約600億-1000億円規模を外貨準備のユーロ建て資産 を活用し購入する方針を示した。

EFSFは今年中に残り2回起債し、最大165億ユーロを調達す る予定。政府関係者は欧州の信認維持のためにも2回目以降も継続的 に購入したいと語った。規模は市場の動向をみて判断する。

中国に次ぐ世界第2位の規模を持つ外貨準備は昨年12月末段階 で1兆961億8500万ドル(約91兆円)に上る。このうち、預金や債 券などユーロ建て資産は2割程度。別の政府関係者はEFSF債の継 続購入に必要なユーロ資産は潤沢にあると述べ、ドル建て資産の転用 を否定する。

トリプルAの格付けを持つEFSF債はユーロ建て資産の運用先 として申し分ない上に、ユーロ圏における日本の貢献ぶりをアピール できるとあって「一石二鳥」の効果が期待できるとの判断だ。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは「日本としては渡りに舟。世界第2位の外貨準備を持つ日本が プレゼンスを示すチャンスだった」と指摘。さらに、「外貨準備の運 用先に困っていた中で、比較的利回りの高い運用先が提供された。ド ルに偏っている外貨準備をユーロで運用できる大義名分も立つ」と説 明する。

ユーロ加盟国政府の管轄下にあるEFSFと、EUの行政執行機 関である欧州委員会が運営する欧州金融安定化メカニズム(EFSM) の2基金は、850億ユーロ規模のアイルランド救済のうち、ほぼ半分 の総額402億ユーロ(約4兆4000億円)を提供する計画だ。EFSF は来年も100億ユーロを調達。さらに、基金の規模拡大も検討課題に 上っている。

2兆8500億ドル(12月末時点)と日本を大きく上回る外貨準備 を抱える中国は、財政危機に陥ったギリシャ国債の購入の検討をはじ め、スペイン国債を買い続ける方針も表明。ユーロ圏の高債務国の危 機対応に取り組むEUを支持する考えを表明している。

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