今年の世界ニッケル需給:2万4000トンの供給余剰に転換-住友鉱予測

住友金属鉱山はニッケル地金の2011 年の世界需給が2万4000トンの供給余剰になると予測している。新規の 生産プロジェクトの稼働が寄与する一方で、最大消費国である中国の需 要の伸びが鈍化するため。4年ぶりの供給不足となった2010年から一転 して需給バランスは緩和すると見込む。

同社ニッケル営業・原料部の肥後亨部長が12日、ブルームバーグ・ ニュースとのインタビューで明らかにした。同社は、11年の世界のニッ ケル生産量を前年比13%増の158万5000トンと予想。半面、消費量は6.5 %増の156万1000トンとみている。10年には5万7000トンの供給不足だ ったニッケル需給は2万4000トンの供給余剰に転じると見込む。

生産増加見通しの背景には、住友鉱も参加するニューカレドニアの ゴロ・ニッケル鉱山や住友商事などが手掛けるマダガスカルでのアンバ トビー鉱山といった新規の生産プロジェクトからの寄与がある。ゴロで は2万トン、アンバトビーで1万トンの生産増加効果があるとみている。

一方、消費は中国の需要が9.3%増の59万トンを見込むが、伸び率 は鈍化する。ニッケルの主な用途は建設向けなどに使用されるステンレ ス鋼向け。金融引き締め政策による設備投資への影響などで、中国の今 年のステンレス需要は前年比6.2%増の1200万トンと昨年の伸び率25% を下回る見通しだ。

ただ、昨年9月時点で住友鉱は今年のニッケル需給を3万2000トン の供給過剰と予想していたが、今回の予測では同過剰分を8000トン引き 下げた。肥後部長は「ほとんど需給均衡に近い状況」と述べ、新規プロ ジェクトの稼働状況によっては、需給バランスが上下のどちらに振れる 可能性もあると付け加えた。

ロンドン金属取引所(LME)のニッケル先物相場(3カ月物)は 11日終値が1トン当たり2万4700ドル。4日には2万5300ドルまで上昇 し、昨年5月以来の高値を付けた。ニッケル相場について肥後部長は、 「需給は若干緩んでおりファンダメンタルズを反映しているとは言えな い」と述べ、投機資金の流入が価格を押し上げていると指摘した。

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