出光:豪石炭鉱山の操業停止、豪雨影響で-株価が下落

出光興産が保有している豪州北東部 エンシャム石炭鉱山の操業が記録的な豪雨の影響で12月下旬から停止し ている。天候が回復すれば操業の再開は可能だが、現段階では重機など を退避させており、再開の見通しは立っていない。

同社広報担当の安永真紀氏が12日、ブルームバーグ・ニュースに明 らかにしたところによると、発電用石炭を生産するエンシャム鉱山の操 業は、豪雨の影響で12月初めから断続的に停止。「クリスマス前からは ずっと停止した状態になっている」という。

年間800万トンの石炭を生産する同鉱山は、2008年1月にも一部が 洪水に見舞われて水没。同月中に部分的な再開にはこぎつけたものの完 全に生産を再開するまでには1年2カ月を要した。決壊した周辺の堤防 修復などのために08年3月期に復旧費用として127億円を引き当てた。

日興コーディアル証券のシニアアナリスト塩田英俊氏は、出光の事 業全体から見ると豪州の石炭事業はそれほど大きなウエイトを占めてい ないとしながらも、「操業停止状態がどれだけ長引くか次第。復旧費用 がかさめば業績にネガティブな影響が出る可能性はある」との見方を示 した。さらに、同社の株価が上昇基調にあることから、操業停止の報道 が売りを誘いやすい状況にあると話した。

同社が11月に示した11年3月期の通期業績予想によると、石炭など の鉱山開発事業の営業利益は170億円と前期比70%増加する見込み。一 方で、本業の石油製品事業の営業利益(在庫影響除き)は同84%増の590 億円になると予想している。

この日の東京株式市場の出光株は一時9140円を付け、09年6月以来 の高水準を付けたものの、午後から下落基調を強めた。一時は前日比3.2 %安と昨年6月22日以来で最大の下落率を記録。結局は同2.8%安の8750 円で引けた。

08年の水没問題の際には、前年の12月に1万円台で推移していた株 価が被害が深刻化するにつれて下落基調を強め、3月末には7000円台ま で値を下げた。

豪州第3の都市ブリスベーンは、豪雨により1893年以降で最悪の洪 水に見舞われている。クイーンズランド州のブライ州首相は12日、テレ ビ局チャンネル9とのインタビューで、同州で10日に発生した鉄砲水に より10人が死亡、90人以上が行方不明になっていることを明らかにした。 死者は2倍以上に増える可能性があり、住民は大規模な混乱に備える必 要があると訴えた。

出光はエンシャム鉱山の権益85%を保有するオペレーター(操業主 体)で、残りの権益はJパワーが10%、韓国LG商事が5%を保有して いる。

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