1月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎外国為替:ユーロ、円に対し6週間で最大の上げ

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが円に対し、約6週間で最 大の上げとなった。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)がアイル ランド支援に向けて月内に発行を予定している債券について、日本政府 が購入の意向を示したことが材料。

オーストラリア・ドルは米ドルに対し1カ月ぶり安値に下落。豪 州での洪水では、ブリスベーンでも住民が避難を始めた。スイス・フ ランはドルとユーロに対して値下がり。スイス国立銀行(SNB、中 央銀行)がフラン高抑制に向け行動を起こすとの見方や日本政府によ る欧州支援表明で、逃避需要が後退した。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナリス ト、ジェシカ・ホバーセン氏(シカゴ在勤)は「日本はユーロ支援に 向けて行動している」と指摘。「ユーロ圏は債務危機の解決に取り組 んでいるが、今では多国間での支援が必要なようだ。中国と日本によ る債券購入は、それに向けた第一歩だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ユーロは対円で1ユーロ =108円ちょうどと、前日の107円12銭から0.8%高。一時

1.1%高と、取引時間中としては昨年12月1日以降で最大の上げと なる場面もあった。対ドルでは0.2%上げて1ユーロ=1.2979ドル (前日1.2951ドル)。ドルは円に対し0.6%上昇の1ドル=83円 23銭(前日82円71銭)。

メキシコ・ペソは主要通貨すべてに対して上昇。国際通貨基金(I MF)が10日、メキシコに対し、IMF史上最大となる信用枠を承 認したことで、同国経済への信頼感が高まった。

ペソは対ドルで0.6%高の1ドル=12.1427ペソ(前日

12.2141ペソ)。

クローナ

スウェーデン・クローナはユーロに対し、一時0.5%高の1ユー ロ=8.8650クローナと、2003年9月以来の高値に上昇した。

スウェーデンの銀行SEBによれば、経常黒字および財政黒字に 加え、景気回復が欧州の中で最も力強いことから、投資が加速し、ク ローナは上げが拡大するとみている。

SEBのチーフ為替ストラテジスト、カール・ハンメル氏は調査 リポートで、「スウェーデンは輸出が力強く、内需の堅調さも増して いることから、引き続き潜在成長率を上回るペースで成長するだろう」 と記した。

スイス・フランは対ユーロで0.8%安の1ユーロ=1.2634フラ ン。対ドルでは0.6%下げて0.9735フラン。

フランはユーロに対し、過去1年間で17%上昇。ユーロ圏の債 務危機が悪化するとの懸念から、安全資産としての需要が高まった。

フランの影響

スイスの政策当局者らは、14日に労働組合や企業と会合を開き、 フラン高の経済への影響について話し合う見通しだ。スイス紙ノイ エ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)日曜版が先週末、情報 源を明示せずに伝えた。

スイス中銀のアベッグ報道官はブルームバーグ・ニュースの取材 に対し、コメントを控えた。

豪ドルは対米ドルで0.9%安の1豪ドル=0.9871米ドル。一時

0.9821米ドルと、昨年12月9日以来の安値を付けた。対円では

0.3%下げて82円13銭。

◎米国株:反発、原油高でエネルギー株が上昇-好調な決算も買い材料

米株式相場は反発。S&P500種株価指数は4営業日ぶりに上昇 した。シアーズ・ホールディングスの利益見通しやレナーの決算が市場 予想を上回ったことが好感された。燃料価格が値上がりしたことも、エ ネルギー株の買いにつながった。

米百貨店運営最大手のシアーズと住宅建設のレナーが高い。同じ く決算が予想を上回った教育機関運営のアポロ・グループも値上がり。 原油相場が1週間ぶりの高値となるなか、シェブロンやシュルンベル ジェも上昇。モルガン・スタンレーが買いを勧めたバンク・オブ・ア メリカ(BOA)も上げた。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1274.48。2008 年9月以来の高値水準に接近した。ダウ工業株30種平均は34.43 ドル(0.3%)上昇の11671.88ドル。

スタイフェル・ニコラスの市場ストラテジスト、ケビン・キャロ ン氏は「株式相場には依然として強い勢いがある」と指摘。「業績面 では引き続き改善が示されている」とし、「米景気の拡大継続を仮定 するなら、株式市場はまずまずの状態にある」と述べた。

S&P500種は、2009年3月の安値から88%上昇。政府の景 気刺激策や企業が予想を上回る決算を発表したことが背景にある。

「Eミニ」

株式相場は一時上げを消す場面もあった。ブルームバーグのデー タによると、S&P500種に連動する「Eミニ」先物の出来高がニ ューヨーク時間の午後1時8分に急増した。午後1時12分の同先物 3月限の出来高は2万4000枚以上と、1分間の出来高としてはこ の日の最大だった。

米財務省は午後1時に320億ドルの3年債入札を締め切った。 同年債を含め、今週実施される3回の入札の発行総額は660億ドル。 この日の3年債入札で、最高落札利回りは1.027%と、ブルームバ ーグがプライマリーディーラー6社を対象にまとめた入札直前の予想 の1.034%を下回った。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏 は顧客向けのリポートで「株式相場が上げを削り始めたのは3年債 入札の直後だったが、入札では株の売りにつながるような異常なこと は何もなかった」と指摘した。

この日の米株式相場は、欧州株が上昇した流れを引き継いだ。日 本政府は、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)発行の債券を購 入すると表明し、中国に続いて域内支援に加わったことが好感された。

シアーズやレナーが高い

シアーズは6.3%高。同社は10年11月-11年1月(第4四 半期)の1株当たり利益が調整前ベースで3.39-4.12ドルになる との見通しを示した。ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平 均は3.05ドルだった。

レナーは7.1%高。同社の10年9-11月(第4四半期)決算 は、コスト削減が奏功しアナリスト予想を上回った。純利益は一部項 目を除いたベースで1株当たり17セント。アナリストの予想平均は 約1セントだった。

アポロ・グループは13%高と、S&P500種の値上がり率トッ プ。10年9-11月(第1四半期)決算は1株当たり利益が1.63 ドルと、市場予想の1.35ドルを上回った。

エネルギー株指数は1.6%高と、S&P500種の業種別10指 数で値上がり率トップ。ニューヨーク原油先物相場は1週間ぶりの高 値となった。メキシコ湾で起きた英BP油井での原油流出について、 米政府調員会は政府規制および石油業界の慣行全体の「改革が急務」 とする最終報告書を発表した。

シェブロンは1.6%高。シュルンベルジェは2%上昇。

BOAは2%高と、ダウ30種平均の値上がり率トップ。モルガ ン・スタンレーは同社の買いを推奨した。

◎米国債:下落、10年と30年債入札を警戒

米国債相場は下落。午後の3年債入札では最高落札利回りが市場予 想を下回ったものの、12-13日に実施される10年と30年債の入札 への警戒感が強く、売りが優勢となった。

3年債入札(320億ドル)の最高落札利回りは1.027%。ブ ルームバーグがプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー) 18社のうち6社を対象にまとめた予想平均では、1.034%だった。 入札後の米国債は一時、下げ幅を縮小した。3年債入札で落札利回 りが昨年7月以来の高水準をつけたことから買いが誘われた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター で米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は、 「10年債や30年債の利回りは、入札を控えてここから若干上昇す る可能性がある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時24分現在、既発の3年債利回りは前日比2ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.97%。2年債利回り は2bp上げて0.585%。一時は昨年12月8日以来の低水準とな る0.553%をつけた。10年債利回りは、5bp上げて3.34%。一 時は3.37%まで上げていた。

コチャラコタ総裁

米ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は米国では今年、家計 が再び貯蓄を増やし、銀行が資本保持に力を注ぐ中でも、経済の成長 ペースが昨年より「若干加速」しそうだとの認識を示した。

コチャラコタ総裁は11日、ウィスコンシン州マディソンでの 講演で、「リセッション(景気後退)の米経済への影響は大きく、根 強く続いてきた。そしてこの影響は今後も続くだろう」と語った。ま たインフレは「異例に低い」水準から加速する一方、経済成長率は 「恐らく3%に近い」ものとなり、失業率は来年12月まで8%を割 り込まない可能性が高いと予想した。

3年債入札

3年債入札の最高落札利回りが1%を上回ったのは、昨年7月 の入札時につけた1.055%以来初めて。前回12月7日の入札では、 最高落札利回りは0.862%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.06倍、過去10回の平 均値は3.16倍となっている。

落札全体に占める海外の中央銀行を含む間接入札の割合は

39.4%。12月は36.7%だった。過去10回の平均値は42.6%。

プライマリーディーラー以外の直接入札の割合は16.2%。先月 の入札での同割合は18%、過去10回の入札の平均は13.9%となっ ている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、 2010年の3年債の投資リターンは4.1%、米国債全体のリターンは

5.9%だった。

米財務省は12日に10年債(210億ドル)、13日に30年債 (130億ドル)の入札を実施する。

◎金先物:続伸、ポルトガルの債務懸念で逃避需要―1384.30ドル

ニューヨーク金先物相場は続伸。欧州で債務危機が波及している との見方から価値保存の手段として貴金属の需要が高まった。

ポルトガル国債の利回りは、ギリシャやアイルランドが欧州連合 (EU)や国際通貨基金(IMF)に救済を要請せざるを得なくなっ た水準に向かって上昇しつつある。2010年はEUによるギリシャと アイルランド救済を背景に、金は30%上昇。12月には過去最高値を 更新した。

MKSファイナンスの通貨・金属担当取引責任者(ジュネーブ在 勤)、バーナード・シン氏は「市場は欧州の金融動向をかなり懸念し ている」と指摘。新たな救済観測で「特に金や銀など安全な逃避先に 資金が向かっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比10.20ドル(0.7%)高の1オンス=1384.30ド ルで終了した。

◎原油先物:1週間ぶり高値-政府委員会が業界改革を勧告

ニューヨーク原油先物相場は続伸。メキシコ湾で起きた英BP油 井での原油流出について、米政府調査委員会は政府規制および石油業 界の慣行全体の「改革が急務」とする最終報告書を発表。これを受けて 原油先物は1週間ぶり高値に押し上げられた。アラスカ横断パイプライ ンの送油停止で製油所への供給が危ぶまれていることも引き続き買い材 料となっている。

政府委員会は深海油田の掘削は内務省に置かれる独立機関に監 督させるべきだと勧告した。一方、8日に起きた原油漏れでアラスカ 横断パイプラインの送油が停止されて以来、ノースロープ地域での石 油生産の大半がまひしている。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は、「政府委員会の報告を受けて相場は一気に上昇し た」と指摘。「資源開発が一層困難になり、原油の供給が少なくなる との懸念が広がっている」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.86ドル(2.08%)高の1バレル=91.11ドルで終了。終値ベ ースでは3日以来の高値。この1年間では10%値上がりしている。

◎欧州株:28カ月ぶり高値、日本のEU発行債購入表明で

欧州株式相場は上昇し、2年4カ月ぶり高値を付けた。欧州金融 安定ファシリティー(EFSF)が発行する債券を日本が購入すると 表明し、中国に続いて域内債務危機の緩和に向けた取り組みに加わっ たことが好感された。

HSBCホールディングスとバークレイズが上昇。両銘柄の投資 判断が引き上げられたことが手掛かり。ロンドン市場の銅相場上昇や、 JPモルガン・チェースによるBHPビリトンの投資判断引き上げで、 鉱山株も高い。ドイツのエンジニアリング会社、シーメンスは3%高。 同社が通期目標を達成できるとの見通しを示したことが買いにつなが った。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%高の281.98と、 2008年9月以来の高値で引けた。同指数は週間ベースで過去6週間 のうち5週間で上げている。世界的な景気回復が続き、企業利益が高 まるとの期待が相場を押し上げた。

ハーグリーブズ・ランズダウンの英国株式部門責任者、リチャ ード・ハンター氏は、「今年については前向きだが、一本調子にはな らないだろう。センチメントが依然として脆弱(ぜいじゃく)なこと は疑う余地もない」と語った。

11日の西欧市場では、18カ国すべてで主要株価指数が上昇。ポ ルトガルのPSI-20指数は2.4%高と、5営業日ぶりに上げた。

野田佳彦財務相はこの日、アイルランド救済のために欧州連合 (EU)が設立したEFSFの発行する債券を日本が購入する方針で あることを明らかにした。中国の李克強副首相は先週、スペインの金 融市場への信任を表明し、同国債を追加購入する意向を示した。

HSBCは2.4%高。シティグループは同銘柄の投資判断を「中 立」から「買い」に引き上げた。バークレイズは5.5%上昇。バン ク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチ・グローバル・リサーチ は同銘柄の目標株価を35%引き上げ500ペンスとし、投資判断をあ らためて「買い」に指定した。

オーストラリアの鉱山会社、BHPビリトンは1.8%上げた。J Pモルガンは同銘柄の投資判断を「中立」に上方修正した。

◎欧州債:アイルランドなどの周辺国債が上昇-ECBの買い入れで

欧州債市場ではギリシャとアイルランドの国債相場が上昇。欧州 中央銀行(ECB)が両国の国債を買い入れたとトレーダーの1人が 明らかにした。市場ではポルトガルが救済要請を余儀なくされるとの 懸念が高まっている。

ドイツ国債は一時下げ、10年債利回りはほぼ2週間ぶりの大幅 上昇となった。欧州連合(EU)各国が4400億ユーロ規模の救済基 金の拡大について協議をしているとの米紙ウォールストリート・ジャ ーナル(WSJ)報道が背景にある。

ギリシャとイタリアの国債入札は応札が弱く、借り入れコストが 上昇した。ベルギー10年債の同年限のドイツ国債に対するプレミア ム(上乗せ利回り)は過去最大となった。ポルトガルは12日に満期 2014年と20年の国債を発行する。

WestLBの債券ストラテジスト、ジョン・デービーズ氏は、 「周辺国債はECBの購入を材料に上げたようだ」と述べ、「ポルト ガルの国債入札が非常に注目されている。支援要請を回避できるとは 想像し難い」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時26分現在、ポルトガル10年債利回りは 前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

7.08%。同国債(表面利率4.8%、2020年6月償還)価格は

0.695ポイント上げ84.64。アイルランド10年債利回りは34b p下げ8.81%、ギリシャ10年債の利回りは70bp低下し

11.84%。

トレーダー2人によると、ECBはポルトガル国債も購入した。 関係者らは匿名を条件に発言した。ECBの報道官はコメントを控え た。

ドイツ10年債利回りは前日比1bp低下の2.86%、独2年債 利回りは変わらずの0.87%。日本政府による債券購入計画が材料と なった。野田佳彦財務相はアイルランド救済のために欧州連合(EU) が設立した欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の発行する債券 を、日本が購入する方針であることを明らかにした。

◎英国債:下落、10年債利回り3.54%-中銀の政策決定会合を控え

英国債相場は下落し、10年債利回りは前日比3ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の3.54%となった。

2年債利回りは4bp上昇の1.29%。5年債利回りは5bp上 上げ2.40%。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、イングラ ンド銀行(英中央銀行)は13日の政策決定会合で政策金利を過去最 低の0.5%に据え置き、債券購入計画の規模を2000億ポンドに維 持するとみられている。英インフレ率は昨年11月に3.3%と、前月 の3.2%から加速し、9カ月連続で政府目標上限の3%を上回った。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) のロンドン在勤シニア為替ストラテジストのポール・ロブソン氏は、 「大半の市場参加者が注目しているのは、目標と比較して引き続き加 熱気味のインフレとともに、イングランド銀が信頼回復に向けて利上 げを実施するかどうかだ」と語った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 Anishimae3@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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