TOPIXは小幅続伸、鉄鋼や商社株高く小型株も堅調

東京株式相場は、TOPIXが小 幅ながら3日続伸。一部アナリストの業界判断や個別銘柄判断の引き上 げが好感され、鉄鋼やゴム製品株が買われた。原油など国際商品市況の 上昇を受けて商社や海運株も高い。規模別では、相対的に小型株が堅調 だった。

半面、欧州での根強い債務懸念から、欧州売り上げ比率が相対的に 高い精密機器や電機株が下落。年初からの上昇が顕著だった証券・商品 先物取引やその他金融も下げ、相場全体の上値を抑えた。

TOPIXの終値は、前週末比0.52ポイント(0.1%)高の

926.94。一方、日経平均株価は30円36銭(0.3%)安の1万510円68 銭と3日ぶりに反落した。

みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は、「製造業や消費者マイ ンドなどの指標の多くがポジティブに出ている米国経済は、遅行指標で ある雇用の改善の遅れを気にする必要はない」と指摘。この日のTOP IXは小型株の上げが目立ったが、「景気が上げ基調にあるときはその 恩恵をより受ける小型株の方が上げやすい」との見方を示した。

日本株市場の3連休期間中、S&P500種株価指数は6日終値から 10日終値までの2営業日で0.3%下げた。海外市場の下落を織り込む形 で朝方は売りが先行したものの、日経平均はきのうのシカゴ先物市場で の清算値1万445円まで下がらず、底堅さを確認。為替市場で円高の勢 いがやや一服したことも下値を支えた。

鉄鋼セクターの判断上げ

TOPIXの業種別上昇率で首位となったのが鉄鋼。クレディ・ス イス証券では、あらゆる指標が買いを示唆しているとして、鉄鋼の業界 判断を7日付で「マーケットウエート」から「オーバーウエート」へ引 き上げた。個別でも格上げされた新日本製鉄が売買を伴って上昇した。

また、トランス・アラスカ・パイプライン・システムを運営する英 BPなどは10日、漏出により送油が停止されたパイプラインについて、 復旧のめどが立っていないことを明らかにした。需給ひっ迫の見通しか ら、10日のニューヨーク原油先物2月限は前週末比1.4%高の1バレル =89.25ドルと反発。市況高の恩恵を受けると見られ、三菱商事など商 社株も買われた。

「ブッシュ減税の延長で世界経済は加速しているにもかかわらず、 日米の金融緩和継続で金余り状態にある。資源関連は、ことし1年を通 じて環境は良好だろう」とみずほインベスターズ証券の稲泉雄朗エクイ ティ情報部長は話していた。

スモール指数プラスに

TOPIXでは、東証1部で時価総額や流動性が最も高い30銘柄 で構成されるコア30指数が0.1%安だったのに対し、時価総額が相対 的に小さい銘柄で構成されるスモール指数は0.9%高。大型株の動きが 鈍い中、小型株ほど値動きが良かった。

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「昨年 まで『日本株売り・新興国株買い』だったマネーの流れが変わり、新興 国から出遅れの日本株にマネーが向かっている」と分析。日本の企業収 益や為替安定、技術力を評価した海外投資家買いが再燃し、日経平均は 昨年4月高値の1万1408円を目指すサイクルに入っている、との見方 を示していた。

一方、東京外国為替市場では1ドル=83円台、1ユーロ=107円台 後半まで円が売られ、きのうの海外時間に比べ円高傾向がやや一服した ことも、日本株の下値圧力を限定的にさせた。野村証券では11日、こ としの為替予想を円安・ドル高方向に見直した。

欧州懸念は根強い

もっとも、欧州での根強い債務懸念や米国の雇用改善が事前予想ほ どではなかったことなどが響き、電機や精密機器は下落した。ことしに 入って上げが大きかった金融株の一角も上値を抑えた。

10日の欧州債市場では、西欧諸国の国債15銘柄のクレジット・デ フォルト・スワップ(CDS)スプレッドで構成するマークイットiT raxx・SovX西欧指数が15ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上げて223bpと過去最高を更新。SMBCフレンド証券の中 西文行シニアストラテジストは、「4月に国債償還がスペインなどで集 中することから、あらためてリスクが意識され始めた」と言う。

東証1部の売買高は概算で21億1274万株、売買代金は同1兆 3455億円。値上がり銘柄数1069に対し、値下がりは462だった。

個別の材料銘柄では、2010年9-11月期(第3四半期)の連結営 業利益が9四半期ぶりに増益転換し、業況好転が評価された良品計画が 5連騰。10年3-11月期の連結営業利益が前年同期比37%増だったオ ンワードホールディングスは急反発した。悪材料は織り込み済みで、対 アジア競合での高い競争力を評価し、ゴールドマン証が投資判断を上げ た住友ゴム工業は5日続伸。

りそなHDが値下がり1位

半面、6000億円規模の公募増資を今月中に実施する、と7日夕に 正式発表したりそなホールディングスは、1株価値の希薄化懸念から東 証1部値下がり率1位。株式売り出しを行う武蔵野銀行が需給懸念から 同2位となった。野村証券が投資判断を「2(中立)」へ下げたアルバ ック、10年10-12月期は6四半期ぶりに連結営業赤字になったもよう と、8日付の日本経済新聞が報じたエルピーダメモリもそれぞれ急落。

新興市場は上昇した。ジャスダック指数の終値は前週末比0.7%高 の52.89、東証マザーズ指数は2.2%高の459.26とそれぞれ3日続伸。 個別の材料銘柄では、10年12月度の月次商品取扱高が前年同月比60% 増だったスタートトゥデイが上場来高値を更新。11年2月期の利益予 想を増額修正したグラファイトデザインは値幅制限いっぱいのストップ 高。半面、10年6-11月連結純損益が黒字予想から一転、赤字となっ たもようと7日発表したインターアクションは急反落。

--取材協力:久保山典枝 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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