1月10日の米国マーケットサマリー:株安・国債高、欧州債務懸念で

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2952 1.2907 ドル/円 82.72 83.15 ユーロ/円 107.14 107.32

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,637.45 -37.31 -.3% S&P500種 1,269.75 -1.75 -.1% ナスダック総合指数 2,707.80 +4.63 +.2%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .57% -.02 米国債10年物 3.28% -.04 米国債30年物 4.46% -.03

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,374.10 +5.20 +.38% 原油先物 (ドル/バレル) 89.45 +1.42 +1.61%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対し6営業日 ぶりに下落。世界的に株価が下げを縮めたほか商品相場が上昇したこ とで、安全通貨としてのドルの需要が後退した。

ユーロは対ドルで昨年9月以来の安値水準から上昇。週間ベース での下げが8月以降で最大となったことで、この下落基調は続かない との観測が広がった。ポルトガルやスペイン、イタリアは今週、国債 入札を実施する。ノルウェー・クローネとスウェーデン・クローナは、 経済指標で景気拡大が示されたことから上昇した。

みずほフィナンシャルグループのシニア為替トレーダー、柳原秀 敏氏(ニューヨーク在勤)は、市場ではドルなどの主要通貨に対しユ ーロを大きくショート(売り持ち)にしているようだと分析。国債入 札を控え、ショートカバー(買い戻し)が入っていると述べた。

ニューヨーク時間午後2時47分現在、主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は前週末比0.2%下 落の80.887(前週末は81.012)。一時は81.313と、昨年12 月1日以来の高水準を付ける場面もあった。

ユーロは対ドルで0.4%上げて1ユーロ=1.2952ドル(前週 末は1.2907ドル)。一時0.3%安の1.2867ドルと、9月14日 以来の安値を付ける場面もあった。ユーロは対円では0.1%下げて 107円19銭(前週末107円32銭)。一時106円83銭と、同じ く9月14日以来の安値を付けた。円の対ドル相場は0.5%上昇の1 ドル=82円76銭。前週末は83円15銭。

◎米国株式市場

米株式相場は3営業日続落。欧州の信用危機が悪化するとの懸念 から、ダウ工業株30種平均は一時100ドル近く下落。引けにかけ て下げの大半を埋めたものの、プラスには戻せなかった。

化学大手デュポンと電力会社のデューク・エナジーがいずれも下 落。両社が発表した買収合意の規模は、合わせて200億ドルを超え る。ストレイヤー・エデュケーションを中心に、営利教育機関の株が 安い。同社は入学者数の落ち込みを理由に、アナリスト予想を下回る 利益見通しを示した。一方、アップルは高い。ベライゾン・ワイヤレ スによる「iPhone(アイフォーン)」投入で、販売が拡大する とのアナリスト予想が好感された。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前週末比0.1%安の1269.75。一時は0.7%下げる場面も あった。欧州のソブリン債保証コストが過去最高に上昇したことが背 景。ダウ工業株30種平均は37.31ドル(0.3%)下落の

11637.45ドル。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。2年債利回りは4週ぶりの水準に下げた。ポ ルトガル救済をめぐる懸念や、同国やスペイン、イタリアが今週、国 債入札を予定していることが材料だった。

この日はポルトガル国債の保証コストが過去最高を記録したのを 背景に、米10年債利回りは一時低下した。米国債利回りは先週末か ら低下が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ 議長は7日、失業率の低下はゆっくりしたペースになるとの見方を示 した。また、12月の米雇用統計では、雇用者の増加幅が市場予想を 下回った。FRBの国債購入計画に基づき、ニューヨーク連銀はこの 日、償還期限2018年2月から2020年8月までの米国債77億 9000万ドルを購入した。

米国大和証券の債券部門責任者、レイ・レミー氏は、「ポルト ガルについての新たな懸念があり、市場参加者は今週の欧州国債入札 をかなり警戒している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時2分現在、2年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の0.58%。一時は12月8日以降 で最も低い0.57%をつけた。同年債(表面利率0.625%、2012 年12月)価格は1/32上げて100 2/32。

10年債利回りはほぼ変わらずの3.32%。一時は3.27%まで 下げた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。週間ベースで、昨年7月以来最 大の下げとなっていた先週の流れが変わった。ポルトガルとスペイン の国債入札を控え、欧州の債務危機が長期化するとの懸念が再燃した。

欧州のソブリン債をデフォルト(債務不履行)から保証するコス トはこの日、過去最高に跳ね上がった。ポルトガルは12日、スペイ ンはその翌日に国債を入札する。昨年はギリシャとアイルランドの救 済でユーロが対ドルで6.5%下げたのを背景に、金は30%値上がり した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)の ヘッドディーラー、フランク・マギー氏は、「ふと見渡すと、欧州に 関する心配の種はまだそこにある」と語る。「また救済ということに なれば、欧州通貨から金属へ資金流出が起きるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前営業日比5.20ドル(0.4%)高の1オンス=1374.10 ドルで終了した。先週は3.7%下げていた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反発。トランス・アラスカ・パイプ ライン・システムを運営する英BPなどは、漏出により送油が停止さ れたパイプラインについて、復旧のめどが立っていないことを明らか にした。同システムは米原油生産の15%を輸送する。

8日の送油停止により、ノーススロープ地域からの生産は95% が操業停止に追い込まれている。米エネルギー省によると、原油在庫 は昨年12月31日までの5週間に6.8%減少し、3億3530万バレ ル。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、 「米国の原油在庫が過去数週間に大幅に減少した矢先だけに、アラス カのパイプラインはかなりの注目を集めている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.22ドル(1.39%)高の1バレル=89.25ドルで終了。過去 1年では7.9%上げている。

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