1月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル、週間で8月来大幅高-統計好感

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して週間ベ ースで8月以来の大幅高。米景気回復の兆しを背景に、ドル建て資産 の需要が拡大した。

この日はユーロがドルに対して3カ月ぶりの安値に下落。クレジ ット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でベルギーとアイルラン ドの国債保証コストが過去最高となったほか、ポルトガルとイタリア の同コストも上昇した。ドルが今週上昇した背景には、米サービス業 の景況感が12月に4年ぶりの高水準になったほか、雇用者数が3カ 月連続で増加したことがある。

野村ホールディングスの通貨調査担当マネジングディレクター、 ジェンズ・ノードビグ氏(ニューヨーク在勤)は、「成長見通しはか なり改善した」と指摘。「ドルに対する一段と強気なセンチメントが 広がり始めている」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時58分現在、主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は週間で2.6%上 げて81.085。前週末は79.028。この日は0.4%上昇と5日続伸。

同指数の週間での上昇率は8月13日終了週(3.2%)以来の最 大だった。

米供給管理協会(ISM)が5日発表した12月の非製造業総合 景況指数は57.1と、前月の55から上昇。2006年5月以来の高水 準となった。

米雇用統計

米労働省がこの日発表した12月の雇用統計によると、非農業部 門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比10万3000人 増加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中 央値(15万人増)を下回った。11月の雇用者は7万1000人増 (速報値3万9000人増)に修正された。家計調査に基づく12月 の失業率は9.4%と、2009年5月以来の低水準。前月は9.8%だ った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の南北アメリカ地域G10通 貨戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「経済指標のほとんどが強 い内容となっているほか、資金調達問題が引き続きユーロを圧迫して いることから、ドルの基調は上向いている」と述べた。

ドルはユーロに対して0.5%高の1ユーロ=1.2934ドル(前 日1.3003ドル)。一時は1.2905ドルと、昨年9月14日以来の 高値を付けた。ドルは円に対して5日ぶりに下落し、0.4%安の1ド ル=83円01銭(同83円33銭)。ドルは円に対して週間では

2.4%高と、09年12月4日終了週(4.7%高)以来の大幅上昇。

ドル買い・円売り

ソシエテ・ジェネラルは、ドル買い・円売りを推奨している。米 国の景気回復が力強さを増しつつある中、米短期金利が上昇するため としている。

為替調査責任者、キット・ジャックス氏(ロンドン在勤)らソシ エテ・ジェネラルのアナリストは今週のリポートで、米経済指標の改 善と短期金利上振れの可能性をドル買い推奨の理由に挙げた。また、 「米指標の改善は世界的にリスクテーク意欲を喚起しつつある。円は その影響で売られやすそうだ」と指摘した。

ユーロはドルに対して今週は3.4%安。欧州連合(EU)は域 内の銀行破綻に伴うコストを優先債保有者にも負担させる計画につい て協議した。EUは、大き過ぎてつぶせない銀行に対し新しい商品の 販売を禁じたり、トレーディングリスクを制限する権限を監督当局に 与える可能性がある。各国の財政を将来の金融危機から守ることが目 的。ブルームバーグ・ニュースが入手した草案で明らかになった。

西欧諸国の国債15銘柄のCDSスプレッドで構成するマークイ ットiTraxx・SovX西欧指数は1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の214bpと、過去最高を記録した。CMA によれば、ポルトガル国債のCDSスプレッドは9bp上げ534b pと、昨年11月30日以来の高水準。イタリア国債の同スプレッド は10bp上昇の252bp。ベルギーは249bp、アイルランドは 646bpと、いずれも過去最高となった。

◎米国株:下落、雇用統計や住宅裁判での米銀敗訴で

米株式相場は下落。朝方発表された12月の米雇用統計で、雇用 者の増加幅が予想を下回ったほか、米銀2行が住宅差し押さえに関す る訴訟で敗れたのが嫌気された。ただ、週間では6週連続で上昇した。

米銀のUSバンコープとウェルズ・ファーゴを中心に金融株が下 落した。マサチューセッツ州最高裁判所が下した住宅差し押さえ関連 の判決は、ほかの訴訟にも影響を及ぼす可能性がある。通信サービス のベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tはいずれも下落。モ ルガン・スタンレーが業界全体に対する投資判断を引き下げたのが悪 材料だった。

S&P500種株価指数は前日比0.2%下落して1271.50。週 間では1.1%上げた。ダウ工業株30種平均は22.55ドル(0.2%) 下げ、11674.76ドル。

USグローバル・インベスターズのシニアトレーダー、マイケ ル・ナスト氏は「雇用統計が懸念材料となり、マサチューセッツ州最 高裁での米銀敗訴というニュースもあった。これは金融株にとって弱 材料だ」と指摘。「この結果、大手銀行の株価が下げた」と続けた。

雇用統計

米労働省が発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用 者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比10万3000人増加と、 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 (15万人増)を下回った。11月の雇用者は7万1000人増に上方 修正された。

家計調査に基づく12月の失業率は9.4%と、2009年5月以来 の低水準だった。失業率の低下は、労働力人口の減少が影響した。

INGインベストメント・マネジメント(運用資産5500億ド ル)で資産配分責任者を務めるポール・ゼムスキー氏は、「10万 3000人の雇用増は、素晴らしい内容ではない。景気回復の流れから 見ても、現段階での水準としてはまったく喜べない」と述べ、「失業 率の低下は明るいニュースだが、それは労働力人口が減ったことが主 な理由だ。失業率低下の背景としては前向きではない」と続けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、今年米経 済の成長が上向いても、失業率の低下ペースはゆっくりしたものにな るとの見方を示した。景気刺激的な金融政策に変更がないことを示唆 した。

バーナンキ議長は7日、上院予算委員会で証言。事前原稿による と議長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが予想する回 復ペースに基づくと、「雇用市場が完全に正常化するにはあと4-5 年かかる可能性がある」と指摘した。

USバンコープとウェルズ

マサチューセッツ州最高裁は、問題となっている住宅ローンの所 有者であることをUSバンコープとウェルズが証明しなかったため、 2件の差し押さえは無効であるとし、下級裁判所判事の判断を支持し た。

ウェルズは2%安、USバンコープは0.8%値下がりした。バ ンク・オブ・アメリカ(BOA)は1.3%下落、JPモルガン・チ ェースも1.9%の値下がり。

ベライゾンは0.8%安、AT&Tは1%下落した。モルガンは 米通信サービス業界の投資判断を「アトラクティブ」から「イン・ラ イン」に引き下げた。

◎米国債:上昇、雇用正常化めぐるFRB議長発言で

米国債相場は続伸。12月の雇用者の増加幅が予想を下回ったほ か、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が雇用市場が 完全に正常化するにはあと4-5年かかる可能性があると指摘したこ とが背景。

10年債利回りは3週間ぶりに2日連続で低下した。米労働省が 発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調 査、季節調整済み)は前月比10万3000人増加と、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(15万人増)を 下回った。エコノミストらは、オートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した12月 の米民間部門の雇用者数が前月比29万7000人増となったことを 受けて、非農業部門雇用者数の増加幅を上方修正していた。

CRTキャピタル・キャピタル・グループの国債戦略責任者、デ ービッド・エーダー氏は、「ADPの数字に基づき、市場では雇用統 計で一段と力強い増加が示されるとの見方が強まっていたが、実際は そうはいかなかった」とし、「予想よりも弱かった。少なくとも表面 上はそうだ」と加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時22分現在、5年債利回りは前日比10ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の1.96%。一時は4bp上げる場 面もあった。同年債(表面利率2.125%、2015年12月)価格は 15/32上げて100 25/32。

10年債利回りは7bp下げて3.33%。利回りが前回2日連続 低下して終了したのは、12月17日。2年債利回りはこの日、7b p低下して0.59%。一時は2bp上げる場面もあった。

雇用統計

ニューヨーク連銀はこの日、2013年7月から14年11月に償 還を迎える米国債72億ドルを買い入れた。これにより、期間が短め の国債の需要が増加した。

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は顧客リポートで、「FRBがきょうの雇用統計の数字を 見て引き締めの旗色を鮮明にするだろう考えていた投資家は退散した」 と指摘。「雇用の拡大は緩慢で、非常にむらがある」と続けた。

雇用統計によれば、11月の雇用者は7万1000人増(速報値3 万9000人増)に上方修正された。民間部門の雇用者数は11万 3000人増と、前月の7万9000人増から拡大した。家計調査に基 づく12月の失業率は9.4%と、2009年5月以来の低水準。雇用の 増加と労働力人口の減少を反映した。

バーナンキ議長証言

バーナンキ議長は、上院予算委員会での証言で、米連邦公開市場 委員会(FOMC)メンバーが予想する回復ペースに基づくと、「雇 用市場が完全に正常化するにはあと4-5年かかる可能性がある」と 指摘した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は、ブルームバーグラジオとのインタビューで、 債券の強気相場終了を見込んでいると述べた。ただ、それは著しい弱 気相場の始まりではないとの認識を示し、経済成長や政府の刺激策が 広範な雇用の伸びにつながっていないことを理由に挙げた。

◎NY金:週間では7月来の大幅安、景気回復で逃避需要後退

ニューヨーク金先物相場は4日続落。週間では6カ月ぶりの大幅 安となった。米国の景気回復で安全な逃避先としての需要が後退する との思惑から売りが続いた。

ドルは主要6通貨バスケットに対し、週間ベースで昨年8月以来 の大幅高。今週発表された経済統計は製造業やサービス業の活動加速 を示唆した。金は2010年に30%上昇。12月には過去最高値を更 新した。世界の景気回復が足踏みするとの見方が買い材料視された。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は「景気回復が続くにつれ、金には下押し圧 力が強まるだろう。安全な逃避先資産の必要性は薄れてくる」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比2.80ドル(0.2%)安の1オンス=1368.90ド ルで終了した。週間では3.7%安と昨年7月2日以降で最大の下げ。

◎NY原油:3週ぶり安値、雇用統計と株安響く-88.03ドル

ニューヨーク原油先物相場は続落。3週ぶりの安値に沈んだ。米 雇用者数の伸びが予想を下回り、株価や商品全般が下げた。

米労働省が発表した12月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸び が10万3000人と、ブルームバーグニュースがまとめた予想中央 値15万人に届かなかったことから株価が続落し、原油はそれまでの 上げを失った。統計発表の前は一時1.2%上昇していた。カナディ アン・ナチュラル・リソーシズがオイルサンド設備の操業を停止した ところから、米国への供給が限定されるとの思惑が広がった。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、ト ム・ベンツ氏(ニューヨーク在勤)は、「原油相場は株安とドル高を 追う動きとなっている」と指摘。「さらに下値を試しているようだ」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比35セント(0.40%)安の1バレル=88.03ドルで終了。終値 ベースとしては昨年12月17日以来の安値。この日は一時、89.48 ドルまで上昇する場面もあった。週間では3.7%の下落。

◎欧州株:下落、米雇用統計に反応-カールスバーグなど安い

欧州株式相場は5営業日ぶりに下落した。この日発表された米雇 用統計で、失業率は1年8カ月ぶり低水準に改善したものの、非農業 部門雇用者の増加幅が予想を下回ったことが背景にある。

デンマークのビール会社、カールスバーグと、英医療機器メーカ ーのスミス・アンド・ネフューが大幅安となった。両銘柄の投資判断 引き下げが嫌気された。

一方、自動車株は総じて高い。クレディ・スイス・グループがド イツのスポーツ車メーカー、ポルシェの投資判断を上方修正したこと が買いを誘った。オランダの家電メーカー、ロイヤル・フィリップ ス・エレクトロニクスは3.8%高。JPモルガン・チェースによる 投資判断引き上げが手掛かり。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の281.02で終了。 この日の取引は方向感のない展開に終始した。週間ベースでは

1.9%上げた。欧州製造業の拡大ペースと米製造業受注が予想を上回 ったことを背景に景気回復への期待が高まったことが上昇要因。

チャールズ・スタンレー(ロンドン)の調査責任者、ジェレミ ー・バットストーンカー氏は、米雇用統計の「データ対応で市場は若 干困惑している。雇用者数の伸びが予想を下回った」と述べた。

米労働省が7日発表した12月の雇用統計によると、非農業部 門雇用者数は前月比10万3000人増加と、ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミストの予想中央値(15万人増)を下回った。 12月の失業率は9.4%と、2009年5月以来の低水準に落ち込んだ。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した12月 の米民間部門の雇用者数は前月比29万7000人の増加だった。

カールスバーグは4.1%安。スミス・アンド・ネフューは

1.9%下げた。

ポルシェは5%高。クレディ・スイスは同銘柄を「フォーカスリ スト(買い推奨リスト)」に加え、目標価格を11%引き上げ90ユ ーロに設定した。フォルクスワーゲン(VW)は2.4%上昇した。

◎欧州債:ポルトガル中心に周辺国債が下落-来週の入札を控え

欧州債市場ではポルトガル国債を中心に高債務国の国債が下落し た。来週実施される一連の国債入札が不調に終わるとの懸念が強まっ たことが背景にある。

スペイン10年債も下げ、ドイツ10年債に対するプレミアム (上乗せ利回り)が拡大し、過去1カ月余りでの最大となった。

この日発表された昨年12月の米非農業部門雇用者の増加幅が予 想を下回ったことから、ドイツ国債相場は前日からほぼ変わらず。

ウニクレディトの債券ストラテジスト、コーネリアス・パープス 氏は、「来週の国債入札は発行市場にとって今年最初の試練になるだ ろう。新規の買い意欲は見られず、周辺債への重しとなっている」と 語った。

ロンドン時間午後4時24分現在、ポルトガル10年債利回りは 前日比16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

7.34%。前日は27bp上昇した。同国債(表面利率4.8%、 2020年6月償還)価格は0.955ポイント下げ83.10。先月30 日以降では33bp上げている。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、欧州債の 保証コストが上昇した。CMAによれば、西欧諸国の国債15銘柄の CDSスプレッドで構成するマークイットiTraxx・SovX西 欧指数は4bp上昇の217bpと、過去最高を記録した。ポルトガ ル国債のCDSスプレッドは10bp上げ535bpと、昨年11月 30日以来の高水準。スペイン国債については4.5bp上昇の353 bp。

ポルトガルは今週実施した6カ月物証券入札で借り入れコストが 大幅上昇した。同国は来週に2014年償還と20年償還の証券を発 行する。スペインとイタリアも国債入札を予定している。

スペイン10年債利回りは前日比3bp上昇の5.52%。ドイツ 10年債に対するプレミアムは先月1日以降の最大となる264bpに 達した後、263bpとなった。

◎英国債:10年債利回り、3.50%に低下-2年債利回りは上昇

英国債市場では、10年債相場が上昇し、同利回りは前日比2ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.50%となった。 一方、2年債利回りは1bp上昇の1.19%。

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