FRB議長:成長上向きでも、失業率はゆっくり低下へ

米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長は、今年米経済の成長が上向いても、失業率の低 下ペースはゆっくりしたものになるとの見方を示した。景気刺激的 な金融政策に変更がないことを示唆した。

バーナンキ議長は7日、上院予算委員会で証言。事前原稿によ ると議長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが予想す る回復ペースに基づくと、「雇用市場が完全に正常化するにはあと4 -5年かかる可能性がある」と指摘した。また連邦財政赤字の削減 を求める姿勢を一段と強め、削減計画を「早急に導入」すれば、長 期的かつ短期的に経済にプラスをもたらすと論じた。

バーナンキ議長は、完全雇用と物価安定というFOMCの責務 を果たすために導入した6000億ドルの米国債購入プログラムを 擁護する姿勢を示している。議長が証言する1時間前に発表された 昨年12月の雇用統計では、非農業部門雇用者数(事業所調査、季 節調整済み)は前月比10万3000人増加と、増加幅は市場予想を 下回った。

証言後の質疑応答で議長は、今回の雇用者数の増加について「ほ ぼわれわれの予想通りだ」とし、「この増加ペースにとどまった場合、 持続的な失業率の低下にはつながらないだろう」と述べた。議長の証 言原稿は雇用統計の発表前に提出された。

資産購入

12月の雇用統計では、家計調査に基づく12月の失業率は

9.4%と、前月の9.8%から低下。雇用の増加と労働力人口の減少 を反映した。

バーナンキ議長は証言で、「失業率が高く、またそのような水準 にとどまることが見込まれ、さらにインフレ率が異例に低い状況」で は、FOMCは「通常ならば、フェデラルファンド(FF)金利の誘 導目標を引き下げることで対応する」と解説。

その上で、FF金利が2008年12月以降ゼロ付近にあること から、市場の借り入れコストを低水準に維持するため、FRBは証 券の買い入れを実施していると説明した。資産購入プログラムの第 1弾として実施した1兆7000億ドルの債券購入については、「長 めの金利に影響を与えるほか、株式などの資産価格を押し上げ、よ り広範に信用状況を改善させることで、経済の安定化および回復促 進に貢献することに成功したように思われる」と述べた。

「避けられない変化」

議長はこのほか、財政赤字について発言。議会が連邦財政赤字へ の対応を遅らせれば、「その分リスクが大きくなり、財政赤字への避 けられない変化にゆがみが生じることになる」と言明した。

その上で、「一方で、将来の財政赤字を減らす確実なプログラム を早急に導入すれば、長期的に経済の成長と安定性を高めるだけでな く、長期金利を低下させ、消費者信頼感および企業景況感を高めると いった面で短期的に大きなプラス効果をもたらす可能性がある」と続 けた。

今年の景気回復に関しては、「11年の景気回復のペースは、10 年よりもやや力強いものになりそうだ」と予想した。

中国

議長は証言後の質疑応答で、中国が対米ドルでの人民元上昇を容 認すれば、「有益」だと語った。

また、FRBの金融政策は米国には「適切」だが中国にとっては 「妥当ではない」とし、中国の為替政策は「逆効果」をもたらすもの だと指摘した。

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