ゴールドマン、フェースブックが照らす「利益相反」の可能性

(5段落目以降に有識者のコメントなどを追加して更新します)

【記者:Christine Harper】

1月7日(ブルームバーグ):米投資銀行ゴールドマン・サック ス・グループは昨年、債務担保証券(CDO)をめぐって米証券取引 委員会(SEC)から提訴され、その後和解に応じた。評判の回復を 目指し、ビジネス規範の公表準備を進める同社だが、ソーシャル・ネ ットワーキング・サービス(SNS)最大手、米フェースブックの未 公開株を投資家に割り当てる計画によって、「利益相反」の可能性に新 たに光が当たることになりそうだ。

ゴールドマンは最大15億ドル(約1250億円)相当のフェース ブック株の取得を富裕層の顧客に割り当てる一方、ゴールドマン本体 が出資する3億7500万ドルについては、顧客に通告せずに売却ない しリスクヘッジを行う可能性があることを情報開示で明らかにしてい る。同社で最も有能なファンドマネジャーの1人であるリチャード・ A・フリードマン氏は、顧客に適した案件ではないとして投資を見送 ったとされるが、この情報は公表されていない。

ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO、56)はSE Cによる提訴を受けて、昨年5月にビジネス規範委員会を設立した。 SECは同社が2007年に組成・販売したCDOについて、ヘッジフ ァンドが価格の下落を見込んだ取引を計画しているという情報を伝え ず、投資家を欺いたと訴えていた。

ビジネス規範委の報告は来週にも公表される可能性があるが、昨 年5月の発表資料によれば、「顧客重視の強化と事業の透明性の改善」 をどのように推進するかという課題に対処する内容となる見通しだ。

フェースブックに照らして検証

ボストン大学経営学大学院でコーポレートガバナンス(企業統治) と企業倫理を専門に研究するジェームズ・ポスト教授は「委員会は信 頼の回復と改善に役立つことを何かやるという期待と責任を負って設 立された」と指摘。「社内規範が信頼できそうかどうか、人々はフェー スブックの取引に照らして検証しようとするだろう」と話す。

ゴールドマンの広報担当スティーブン・コーエン氏はコメントを 控えている。

事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に語ったところでは、SE Cは今回の株式割り当てに関する情報の提供をゴールドマンに求めた。 同社がフェースブックに出資する可能性のある投資家に宛てた一連の 書類を見た1人によると、ゴールドマンはこの書類の中でSECの調 査について情報開示を行っている。SECのジョン・ネスター報道官 はコメントを避けた。調査については、米紙ニューヨーク・タイムズ が6日に報じていた。

ゴールドマンをめぐる問題の核心は、他の大部分の投資銀行と同 様、一部の顧客の扱い方が他の顧客への対応とは異なるという点にあ る。フリードマン氏が運用するゴールドマン・サックス・キャピタル・ パートナーズのようなファンドは受託者として、顧客にとって最善の 投資だけを行う義務があるが、それ以外の部門では「ふさわしい」と 思われるものを何でも投資家に販売することが可能だ。買い手が高度 に洗練された投資家と定義できるほどの富裕層の場合、そのような境 界線を踏み越えるのは簡単だ。

ゴールドマンの株式を含む7億2500万ドル相当の資産を運用す るミラー・アンド・ワシントンのマイケル・ファー社長は「ゴールド マンの問題であるのはもちろんだが、業界全体の問題でもある」と説 明。「投資銀行が株主に対して利益を上げ続けるという責任を果たせば、 それは顧客から金を稼ぐことを意味し、葛藤が内在する」と述べてい る。

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