ドルが対円で約2週間ぶり高値、一時83円56銭-米雇用統計控え

東京外国為替市場では、ドルが対円 で底堅さを維持し、午後の取引で一時1ドル=83円56銭と、昨年12 月23日以来、約2週間ぶりの高値を更新した。米雇用統計の発表を控 えて、これまでに発表された経済指標の強含みを背景にドル買いが優 勢となった。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松 本圭史氏は、米国の雇用統計を控えて、期待感が高まっており、「ドル を売るというよりは、買う動きの方が優勢といった感がある」と説明。 また、市場予想が切り上がっている中で、発表直後は大きく上下に振 れる可能性があるとみている。

ドル・円相場は午前の取引では83円台前半を中心に小幅な値動き が続いていたが、午後にかけてドルがじり高に展開。午後3時半現在 は83円49銭付近で取引されている。

この日の米国時間には昨年12月の雇用統計が発表される。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめた市場予想(中央値)によると、非農業 部門の雇用者数は前月比で15万人増と、前月の3万9000人増を大き く上回る伸びが見込まれている。

米雇用統計発表後の相場動向を警戒

5日には給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・ プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した12 月の米民間部門の雇用者数が2001年の集計開始以来の大幅な伸びと なり、市場では政府発表の雇用統計に対する期待感が高まったとの指 摘が聞かれていた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、米雇用統計に 対する期待感から「全体的にドル高」基調が続いていると指摘。ただ、 相場にはそうとう織り込まれている面もあり、「予想比でかなり上振れ しないとドルの一段高は見込みにくい」上、市場の失望を誘う内容と なれば、ドルが売られる可能性が残るとみている。

また、この日は米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長が上院予算委員会で議会証言を行うが、佐藤氏は「雇用統計の結果 を受けた景気認識が重視される」としている。

欧州債務懸念根強い

一方、この日は午前の取引でユーロ売りが先行。対ドルでは一時 1ユーロ=1.2968ドルと、昨年9月15日以来の安値を更新した。ユ ーロ圏内の銀行破綻に伴うコスト分担をめぐる議論が進んでいること から、債務問題に先行き不透明感が強まっており、ユーロ売り圧力が かかった。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のバルニエ委 員(域内市場・金融サービス担当)は6日、電子メールの発表文で「銀 行は今後も破綻するだろうが、それは金融システム全体を崩壊させる ことなく行われなくてはならない」と指摘。現在検討されている選択 肢には「こうした与信機関が支払い能力を回復するための不可欠な手 段としてすべての優先債」の価格切り下げもしくは株式転換の権限を 当局に与える案が含まれるという。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、昨年ドイツが主 張していた投資家負担に関する議論が進展しているといった感があり、 ユーロ圏内の債券投資に伴うリスクが意識されやすく、債務国の資金 調達難が警戒される可能性があると説明。5日にポルトガルで実施さ れた入札で金利が上昇していることもあり、「ユーロが売られる方向の 材料が目立つ」として、対ドルで一段安の展開もあり得るとみている。

ユーロは対円でも売りが先行しており、一時は1ユーロ=108円 08銭と、4営業日ぶりの安値を付けている。

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