「デフォルト」の恐怖、欧州から日米に波及へ-シティのブイター氏

欧州ではソブリン債のデフォルト (債務不履行)への懸念が「顕著」となっているが、この恐怖感は近 く日本と米国にも広がると、米銀シティグループのエコノミスト、ウ ィレム・ブイター氏はみている。日米とも政府が赤字抑制に苦しんで いると同氏は指摘する。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)委員 も務めたブイター氏らシティのエコノミストは7日の調査リポートで、 「最近の展開にもかかわらず、ドラマはまだ第2幕までしか進んでい ないと考えている」とし、安全なソブリン債というものは「絶対に存 在しない」と書いている。

欧州ではデフォルトリスクに直面したギリシャとアイルランドが 昨年救済されたほか、今年もポルトガルなどをめぐり懸念がくすぶり 続けている。米議会は先月、減税の延長を決めた。現在は債務の法定 上限引き上げに向け議論が進んでいる。日本の公的債務残高は国内総 生産(GDP)の2倍を超えようとしている。

エコノミストらは「米国と日本は財政の持続可能性の問題を無視 し続けられなくなる公算が大きい」とした上で、米政府が「大幅に高 い金利を支払わなければ」国債を発行できなくなるのは「時間の問題 だ」と付け加えた。

欧州については、ユーロ圏の幾つかの国が今後2、3年に債務再 編に追い込まれるだろうとし、現行の流動性供給システムはこれを阻 止するには不十分だと指摘した。ギリシャ政府は「明らかに支払い不 能」に陥っているとも書いている。

ポルトガル

リポートはまた、恒久的な解決策としてはソブリン債危機と同時 に銀行システムの脆弱性も是正する必要があると分析。アイルランド 救済パッケージは時間稼ぎにはなるものの銀行システム問題の解決に はならず、欧州全体での対策が必要であることを示していると解説し た。

さらに、次にはポルトガルが近いうちに救済を求める可能性が高 いと予想した上で、ほぼ1兆ドル(約84兆円)規模の支援システムは スペインへの投機的攻撃を防ぐには不十分だろうとの見方を示した。

JPモルガン・チェースのエコノミスト、デービッド・マッキー 氏もこの日のリポートで、スペインが救済を要請した場合、現在の仕 組みでは危機拡大を抑えることができないだろうとし、債務再編なし には財政の持続可能性が回復できないとの懸念が去らず、問題はイタ リアとベルギーに波及するだろうと予想した。

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