1月6日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品 相場は次の通り。

◎外国為替:ドル、対ユーロで一時1.30ドル超え

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユーロに対して上昇。昨年 12月初旬以降初めて1ユーロ=1.30ドルを上回るドル高となった。 7日発表の米雇用統計では、3カ月連続で雇用者が増加すると予想され ている。

欧州連合(EU)が銀行破綻のコスト分担について協議するなか、 ユーロはドルに対して200日移動平均線を下回った。ブラジル・レ アルも下落。ブラジル中央銀行は、国内銀行の通貨取引の持ち高に対 し準備率を設定すると発表した。レアル上昇に歯止めをかける措置で、 昨年10月以降では3度目となる。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は「力強い経済統計を受け、ドルはより ファンダメンタルズに沿った動きに戻るだろう」と指摘。「トレンド は、やや改善された労働市場を示しており、それは今後も好材料とな る」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前日比

1.1%高の1ユーロ=1.3003ドル(前日1.3149ドル)。一時は

1.2997ドルと、昨年12月1日以来の高値を付けた。ドルは円に 対して1ドル=83円33銭(同83円25銭)。ユーロは円に対し て1%安の1ユーロ=108円35銭(同109円47銭)。

大口オプション

ユーロがドルに対して下げを拡大した背景には、対ドルでの大口 のオプションが期限を迎えたとの観測がある。

INGグループの通貨取引ディレクター、ジョン・マッカーシー 氏は、「行使価格1.3125ドルの大口のオプションが午前10時に 期限を迎え、スポット価格に大きく影響した」と指摘。「それが市場 の関心を引いた」と述べた。

EUの行政執行機関である欧州委員会はこの日、域内の銀行破綻 に伴うコストを優先債保有者にも負担させる計画について協議を続け ると、英紙デーリー・テレグラフが報じた。

EUは、大き過ぎてつぶせない銀行に対し新しい商品の販売を禁 じたり、トレーディングリスクを制限する権限を監督当局に与える可 能性がある。各国の財政を将来の金融危機から守ることが目的。ブル ームバーグ・ニュースが入手した草案で明らかになった。

ソシエテ・ジェネラルの為替調査責任者、キット・ジャックス氏 はブルームバーグラジオとのインタビューで、「欧州中央銀行(EC B)は、投資家にも痛みを共有させるという認識拡大に努めている」 と指摘。「欧州では、市場参加者を不安にさせ、奈落の底に一歩近い 状態まで陥らせる火花が発生する可能性がある」と述べた。

ブラジルの措置

ブラジル・レアルはドルに対して一時1.2%安の1ドル=

1.6937レアルと、昨年12月27日以来の安値となった。

ブラジル中銀のアルド・メンデス金融政策局長はブラジリアで記 者団に対し、今回の措置がブラジルの銀行のドル売り持ち高を2010 年12月時点の計168億ドル(約1兆4000億円)から100億ド ルに減らす可能性があると述べた。

同国のマンテガ財務相は今週、ドルの「溶解」を防ぎレアル上昇 に歯止めをかけるため、ブラジル政府は新たな措置を取る用意がある と述べていた。09年の年初以降、レアルはドルに対して37%値上 がりしている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時0.8%上げて80.877。

ドルの上昇は、株式や商品などの高利回り資産を圧迫した。S& P500種株価指数は0.2%安。原油先物はバレル当たり90ドルを 割り込んで終了した。

ブルームバーグがエコノミスト78人を対象にまとめた調査の中 央値によると、労働省が7日発表する12月の雇用統計で非農業部門 の雇用者数は15万人の増加が予想されている。失業率の予想は

9.7%への低下。前月は9.8%だった。

◎米国株:下落、割高感が台頭-7日の雇用統計発表待ち

米株式相場は下落。雇用市場では楽観が広がっているものの、S& P500種株価指数の株価収益率(PER)が6月以来の高水準に上昇 したほか、12月の米既存店売り上げが予想を下回ったことが嫌気され た。

衣料のギャップは下落。同社の12月の売り上げは予想に及ばな かった。携帯電話事業者メトロPCSコミュニケーションズも安い。 加入者の伸び鈍化が材料だった。電話会社AT&Tとベライゾン・コ ミュニケーションズはいずれも下落。一方、コンピューター・グラフ ィックス(CG)用半導体メーカーのエヌビディアは大幅上昇。マイ クロソフトが、「ウィンドウズ」の最新版でエヌビディアのプロセッ サを搭載する方針を明らかにしたのが好感された。

S&P500種株価指数は前日比0.2%下落して1273.85。P ERは約16倍。ダウ工業株30種平均は25.58ドル(0.2%)下げ、

11697.31ドル。米証券取引所全体の騰落比率は2対3。

フィフス・サード・アセット・マネジメントのキース・ワーツ最 高投資責任者(CIO)は、「8月以降ずっと、株式相場はほぼ一つ の方向にしか向かっていなかった」と述べ、「新しいニュースの流れ がさらに株価を押し上げるのかどうかが問われている」と続けた。

失業保険申請件数

米労働省が発表した1日に終わった1週間の失業保険申請件数は 前週比で増加したが、4週間平均は減少傾向が続いており、先週まで の4週間平均は41万750件と、2008年7月以来の低水準だった。

新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から1万8000件 増加して40万9000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想中央値は40万8000件だった。

米労働省が7日発表する12月の雇用統計では、非農業部門の雇 用者は15万人増加、失業率は9.7%への低下が見込まれている。

PNCウェルス・マネジメントの主任投資ストラテジスト、ウィ リアム・ストーン氏は、「雇用面では今も厳しい苦しさが続いている。 明るい兆候は多く示されているが、労働市場が改善するにはしばらく 時間がかかるだろう」と述べ、「7日の雇用統計を待ちわびている人 も一部にはいるだろう」と続けた。

米労働省の12月雇用統計を控え、エコノミストらは雇用者数の 増加予想を引き上げている。5日発表された米民間雇用統計で大幅な 雇用増が示されたことが理由だ。

給与明細書作成代行会社オートマティック・データ・プロセッシ ング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが雇用統計を5日に発表 する前は、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想平均による と12月の雇用統計で13万5000人の雇用増が見込まれていた。AD Pの雇用統計発表後は15万人増に修正された。

小売株

昨年12月の米既存店売上高は、一部の小売企業がアナリスト予 想に届かなかった。米北東部を襲ったクリスマス明けの暴風雪の影響 で客足が遠のき、それまでの好調を相殺した。

ギャップの既存店売上高は3%減。同社の株価はこの日6.9%下 落した。百貨店メーシーズやディスカウントチェーン店ターゲットの 売上高も予想を下回った。株価はいずれも下げた。

メトロPCSは6.7%安。昨年第4四半期(10-12月)の加入 者数は約29万8000人増加したが、増加幅は前年同期比で7.2%縮 小。パイパー・ジャフレーの予想(45万人増)には届かなかった。

エヌビディアは14%高と、S&P500種株価指数銘柄の中で最 大の上昇率だった。

◎米国債:上昇、雇用統計に「驚きはない」との憶測で反発

米国債相場は上昇。2年債は4日ぶりの反発となった。7日発表さ れる米雇用統計は、金融政策に変更を迫るほど強いものにはならないと の観測が広がった。

10年債利回りは3週間ぶり高水準付近から低下。前日オートマテ ィック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービ シズが発表した給与名簿に基づく集計調査では、民間部門の雇用者数 は市場予想の3倍近くの伸びを示した。この発表に反応して利回りが 大きく上昇したことについて、米シティグループは「行き過ぎ」だと したほか、5年債購入の機会ととらえるべきだと指摘した。ニューヨ ーク連銀はこの日、67億8000万ドルの国債買い入れを実施した。

BNPパリバの金利戦略責任者、ブレント・ベイガン氏(ニュー ヨーク在勤)は「現在の状況を考えれば、より適正な水準だ」と指摘。 「ADPをきっかけとした大量の売りに対して買い戻しが入った。本 日は利回りが低下しており、雇用統計に驚きがないという見方と整合 的だ」と分析した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の0.67%。同年債(表面利率0.625%、 2012年12月償還)価格は3/32上げて99 29/32。

10年債利回りは7bp下げて3.40%。前日は一時16bp上昇

3.49%と、昨年12月16日以来の高水準を付けた。

国債入札

米財務省は、来週実施する今年最初となる国債入札の発行額を 660億ドルと発表した。内訳は3年債が320億ドル、10年債が210 億ドル、30年債が130億ドル。

ニューヨーク連銀はこの日、証券会社が差し出した186億ドル相 当の米国債のうち36.5%を購入。2015年1月から16年6月に償還 を迎える米国債を買い入れた。

前日の米国債相場は大幅に下落。ADPの発表によれば、民間部 門の雇用者数は昨年12月、29万7000人増加した。ブルームバーグ の調査では10万人増と見込まれていた。

シティグループのストラテジスト、ブレット・ローズ氏は6日付 の調査リポートで、前日のADP統計を受けた利回り上昇で、「戦術 面での魅力的なエントリーポイント」になったと指摘。7日の雇用統 計で非農業部門雇用者数の伸びが「かなり強い」ものになったとして も、上昇した利回りの反転につながる可能性がある」と分析した。

失業保険申請

米労働省の発表によれば、失業保険申請件数は4週間の平均が減 少。労働市場の改善が示唆された。

1日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は前週から1万8000件増加して40万9000件。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値とほぼ一致した。

ブルームバーグの調査によれば、12月の雇用統計では非農業部門 雇用者数は15万人増と見込まれている。また失業率は9.7%と、前 月の9.8%から低下が予想されている。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのトレーダー、ダン・マルホラ ンド氏は、「きのうのADPの数字は季節要因の影響を受けているの ではないかとの見方があり、投資家は慎重になっている」と述べた。

◎金先物:3日続落、景気見通し改善で逃避需要が減退

ニューヨーク金先物相場は3日続落。景気回復で安全な逃避先と しての需要が減退するとの思惑から、売りが優勢になった。

新規失業保険申請件数が過去1カ月減少しており、労働市場の改 善を示唆している。7日発表の雇用統計では雇用者数が3カ月連続で 増加すると予想されている。金は前日までの2営業日に3.5%下落。 11カ月ぶりの大幅安となった。2010年は通年で30%上昇した。

プロスペクター・アセット・マネジメント(イリノイ州)のレオ ナード・カプラン社長は、「金は強気相場の最終局面にあるかもしれ ない」と語る。「経済状況は改善している。いったん金利が上昇し始 めると、金は下げざるを得ない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は、前日比2ドル(0.1%)安の1オンス=1371.70ドルで 終了した。

◎原油先物:大幅反落、雇用統計を控えたドル上昇で

ニューヨーク原油先物相場は大幅反落。ほぼ3週ぶりの安値に沈 んだ。12月の米雇用統計の発表を翌日に控え、外国為替市場でドル が対ユーロで上昇したことが背景。雇用統計は景気の持ち直しを示唆 すると期待されている。

ドルは対ユーロで1カ月ぶりの高値に上昇し、代替資産としての 商品の魅力が薄れた。米雇用統計についてブルームバーグがまとめた 調査によると、エコノミストらは雇用者数の増加予想を上方修正して いる。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピニ オンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「きょうの取引は 間違いなくドルが材料だ」と指摘。「明日の市場の前触れとなろう。 ドルの強さ、経済の強さが頼りだ。これは今年第1週の鍵になるだろ う」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.92ドル(2.13%)安の1バレル=88.38ドルで終了。終値 ベースとしては昨年12月17日以来の安値。この1年間では6.3% の値上がり。

◎欧州株:4日続伸、経済成長加速に期待-ARMなど高い

欧州株式相場は上昇し、ストックス欧州600指数は4日連続高と なった。2011年は経済成長の加速で株価が上昇するとの期待が強ま った。

英半導体設計企業、ARMホールディングスは01年以来の高値 を付けた。米マクロソフトが基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の 次世代版について、ARMの基本設計に対応させると確認したことが 買い材料となった。

仏出版会社ラガルデールと、独テレビ局のプロジーベンSAT1 メディアがメディア関連株の上げを主導した。ゴールドマン・サック ス・グループが両銘柄の投資判断を引き上げたことが手掛かり。欧州 ソブリン債危機への懸念から銀行株は下げ、株価指数の上値を重くし た。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%高の281.49で終了。 一時は1%上げ、約2年ぶり高値を付けた。同指数は昨年8.6%上昇 した。企業利益の増加に加え、FRBが景気刺激策として6000億ド ル相当の国債買い入れ方針を示したほか、欧州連合(EU)がギリシ ャとアイルランドを救済したことが背景。

バークレイズ(ロンドン)の株式ストラテジスト、エドムンド・ シング氏は6日付のリポートで、「株価の割安感や株式への資金再配 分、インフレを伴う実体経済の成長加速が相まって株価を支えるだろ う」と記し、「景気回復は継続している」との見方を示した。

ブルームバーグのデータによれば、ストックス欧州600指数の構 成銘柄の予想株価収益率(PER)は約11倍と、昨年初めの約16 倍を下回っている。

6日の西欧市場では、取引のあった14カ国中5カ国で主要株価 指数が上昇。ARMは2.3%上げた。ラガルデールは6.4%の大幅高、 プロジーベンは2.7%の上昇となった。

◎欧州債:スペイン国債が下落、来週の入札控え-ポルトガル債も安い

欧州債市場ではポルトガルとスペインの国債相場が下落した。来 週実施される一連の国債入札で利回りが上昇するとの観測が高まった ことが背景にある。

ポルトガル10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗 せ利回り)は拡大し、過去1カ月で最大となった。ポルトガルの公債 管理機関IGCPはこの日、2014年償還と20年償還の債券を12日 に入札すると発表した。ベルギー国債は急落。政権樹立に向けた7党 による連立協議の再開が不調に終わったことが嫌気された。ドイツ国 債相場は上昇した。

コメルツ銀行のストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏は、 「ポルトガル国債の今回の下落要因は供給に関連したものだ」と述べ、 「スペインとイタリアからの国債供給で、来週の発行市場は非常に忙 しくなる」と語った。

ロンドン時間午後4時40分現在、ポルトガル10年債利回りは 前日比26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

7.17%。ドイツ10年債に対するプレミアムは404bpと、先月1日 以降の最大に拡大した。同国債(表面利率4.8%、2020年6月償還) 価格は1.57ポイント下げ84.12。

CMAによると、ポルトガル国債のクレジット・デフォルト・ス ワップ(CDS)スプレッドは7bp上昇し、11月30日以来の最高 となる504bpを付けた。

スペインが13日に2016年償還債を発行するほか、イタリアも 同日に15年償還と26年償還の債券を入札する。スペイン10年債利 回りは16bp上昇し5.49%。同年限のイタリア国債利回りは11b p上げ4.77%となった。

一方、ベルギー10年債利回りは13bp上昇し4.07%。ドイツ 10年債に対するプレミアムは115bpと、先月1日以来の最大を記 録した。昨年6月13日の総選挙の前は79bpだった。

◎英国債:上昇、10年債利回りは3.53%-国債入札は順調

英国債相場は上昇。10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下し3.53%、2年債利回りも2bp低 下の1.17%となった。

英公債管理局(DMO)がこの日実施した27億5000万ポンド 規模の2020年償還債(表面利率3.75%)の入札で、平均落札利回 りは3.68%となった。昨年11月18日の前回入札は3.45%だった。 今回の応札倍率は2倍で、前回の1.77倍を上回った。

モニュメント・セキュリティーズの債券アナリスト、マーク・オ ストワルド氏(ロンドン在勤)は、「国債入札は順調だった」と述べ た上で、「国債相場はそれほど上昇しなかった。この日発表された製 造業購買担当者指数(PMI)指数が天候によるものと受け止められ たためだ」と語った。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の過去1年のリターン(投資収益率) はプラス6.3%。これに対しドイツ国債は6.1%、米国債は4.7%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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