豪州の洪水:成長押し下げ、中銀も利上げ見送りの公算-輸出に影響

オーストラリア北東部が過去半世 紀で最悪の大洪水に見舞われたことで、同国の景気は減速し、豪準備 銀行(中央銀行)は利上げを見送ることになりそうだ。炭鉱が洪水で 被害を受け、輸出収入が減少すると見込まれている。

ブルームバーグが実施した調査(8人の中央値)によれば、クイ ーンズランド州の鉱山や穀物への被害で、豪州の経済成長率は今四半 期(1-3月)、0.2ポイント押し下げられる見通しだ。豪中銀のマ クガウチー理事は今週、今回の大洪水が最終的に同国経済に与えうる 「大きな影響」について2月1日の政策決定会合で話し合う可能性が あると述べた。

JPモルガン・チェースの豪州担当チーフエコノミスト、スティ ーブン・ウォルターズ氏は、「豪中銀はより慎重な政策を取る可能性 が高い」と分析。「1つの州が自然災害に見舞われている状況で利上 げには動きづらい」と述べた。同氏は2月の利上げ予想を取り下げ、 5月までの据え置きを見込んでいる。

利上げが遅れることで、豪ドルの上昇が抑えられる可能性がある。 昨年は対米ドルでパリティー(等価)を上回ったほか、12月31日に は一時、1983年に変動相場制に移行して以来の高値を付ける場面もあ った。米ニュースレター「ガートマン・レター」のエディターとして 知られるエコノミスト、デニス・ガートマン氏は、洪水の「豪ドルへ のダメージは非常に現実的だ。洪水によってもたらされた被害と同様 に現実的なものだ」と指摘している。

「フランスとドイツを合わせた広さ」

ガートマン氏は4日付のニュースレターで、「生きるも死ぬも全 てが輸出で決まる」と説明した。オーストラリアの成長は、中国への 鉄鉱石および石炭の輸出で押し上げられているが、フランスとドイツ を合わせた広さに及ぶ今回の洪水で、この中国とのつながりが阻まれ る恐れがある。

クイーンズランド州は、オーストラリアの砂糖生産の95%を占め るほか、石炭輸出では国内最大。また同州の経済は、1兆3000億豪 ドル(約107兆6400億円)規模のオーストラリア経済全体の約20% を占める。豪州の2010年7-9月(第3四半期)の経済成長率は

0.2%と、マイナス成長となった08年10-12月(第4四半期)以来 で最悪だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE