アイルランド、銀行システムのスリム化で第2の機関設立も

アイルランド政府は同国の銀行シ ステムのスリム化を図り、第2の資産管理機関を設立する可能性があ る。国内銀行を健全化し欧州中央銀行(ECB)への短期資金依存も 減らしたい考えだ。

2009年に設立した国家資産管理機構(NAMA)は、高リスクの 商業用不動産ローン債権など約710億ユーロ(約7兆7300億円)を 銀行から引き取った。中銀のフォード報道官は6日電話で、第2の機 関が検討されていることを明らかにした。

同氏は「多数の選択肢が検討されている。1-3月期末までに決 定される見込みだ」と述べた。第2の機関設立のほか、銀行の資産売 却、業界再編、追加の資産を引き取れるようにNAMAを拡大するこ と、各銀行の内部に「グッドバンクとバッドバンク」の構造を整備す ることなどの可能性が検討されているという。

アイルランドは昨年11月28日に、850億ユーロ規模の救済の受 け入れで合意した。このうち約350億ユーロは銀行セクターの再建に 充てられる。

救済合意の一環として、アイルランド中銀は銀行システムの「負 債圧縮を一貫して進める」ことと、ECBへの短期資金依存を減らす 措置を取ることを約束した。預金流出や調達市場のボラティリティで、 アイルランドの銀行のECB依存は昨年、高まっていた。

ダブリンの証券会社デービーのアナリスト、エマー・ラング氏は、 銀行の「ダウンサイジングは言うがやすし、行うは難しだ」として、 アライド・アイリッシュ銀行が英事業を売却できずにいることやアイ ルランド銀行とアイリッシュ・ライフ・アンド・パーマネントの住宅 ローン資産の圧縮が進まないことを指摘した。

アイルランド中銀のマシュー・エルダーフィールド金融監督最高 責任者は6日、アイリッシュ・インディペンデント紙とのインタビュ ーで、第2の資産管理機関は英事業などの非中核資産を銀行から引き 取ることができると語っていた。これらの資産を売却できるようにな るまで保管する役割を果たせると述べた。

また、アイルランド中銀はこの日、2011年の国内銀行の資本およ び流動性の査定のため外部アドバイザー3社を起用したと発表した。 声明によると、中銀はブラックロック・ソリューションズ、ボスト ン・コンサルティング、バークレイズ・キャピタルを起用した。

事情に詳しい関係者2人は先に、中銀が英銀バークレイズ傘下の バークレイズ・キャピタルを、銀行のバランスシート圧縮に向けたア ドバイザーとして起用したと述べていた。関係者が匿名を条件に述べ たところによると、バークレイズは中銀による国内銀行の流動性査定 を支援する。査定は今年の早い時期に完了する予定だという。関係者 の1人によれば、米資産運用会社ブラックロックはアイルランドの銀 行の自己資本要件についての別の査定で助言するという。

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