3カ月TB落札利回り、2カ月ぶり水準に急低下-日銀資金供給拡大で

財務省がこの日実施した国庫短期証 券(TB)3カ月物入札は、落札利回りが約2カ月ぶりの水準まで急 低下した。昨年12月の金利上昇を受けて日本銀行が資金供給を拡大し たためだ。もっとも、過度の金利低下を警戒する声もあり、今後の日 銀の供給姿勢については参加者の間で見方が分かれている。

TB162回債の最高落札利回りは、前回12月20日より2.1ベー シスポイント(bp)低い0.1107%と、11月2日以来の低水準になった。 12月15日には0.1415%と約1年ぶりの水準まで上昇していた。平均 利回りは同2.1bp低い0.1087%、応札倍率は4.27倍と前回の2.71倍 から上昇した。入札後は0.1075%まで低下している。

国内証券のディーラーは、レポ(現金担保付債券貸借)金利が低 下してしまったことで銀行は資金を運用できなくなっており、法定以 上の準備預金を積み上げる超過準備を回避するためにはTBを購入せ ざるを得なくなっていると言う。

昨年12月20日以降、日銀の供給拡大による当座預金増加を受け て、レポ金利は超過準備の利息と同じ0.10%から0.09%台に低下。銀 行はレポで運用する妙味がなくなり、積みの進ちょく率かい離幅がプ ラス15%まで拡大するなど、余資を抱え込んでいる。このためTBに も買いが強まり、前回161回債は一時0.10%まで低下していた。

国内大手金融機関の資金担当者は、TBなどの短期金利が09年 12月の追加緩和以前の水準まで上昇したことで、日銀の緩和姿勢に対 する批判が高まったことが供給拡大の背景にあると言う。日銀はレポ 市場の機能低下を回避するため、ある程度の金利上昇を許容していた が、それが2年物など長めの市場金利の上昇要因ともみられていた。

もっとも、日銀による過度の資金供給はコールやレポの市場取引 を低迷させる上、短中期国債利回りの低下によって大量の国債を保有 する銀行の収益を圧迫する面もある。また、国内銀行が超過準備を積 み上げる傾向を強めた場合、短期市場全体の機能低下にもつながる。

潤沢供給の目的

東短リサーチの寺田寿明研究員は、日銀に求める供給姿勢につい ては参加者によって意見が異なると指摘した上で、「2、3年の国債利 回りの低下が行き過ぎれば供給を弱める可能性もあるが、いったん積 極化した姿勢を元に戻す理由も付けづらく、本腰の入った供給を続け るのではないか」とみる。

一方、国内大手銀行の短期金利ディーラーは、日銀はすでに十分 な資金を供給していることをアピールするのが目的だと言う。昨年12 月以降、応札額が通知額を下回る札割れを起こした4本の資金供給オ ペのうち3本は翌営業日に始まる期間の短いオペで、金融機関の需要 が乏しいことは事前に予想されていた。

この日の当座預金残高は前日比2兆6000億円減の19兆2000億円 程度と、昨年12月15日以来の水準まで大幅に減少した。法人税金の 国庫納付(税揚げ)に伴う資金不足に加え、供給オペが大幅な札割れ になったことも影響しており、徐々に残高が減少する可能性もある。

国内証券のディーラーは、この日のTB入札では利回りが低下し ても、やむを得ず購入した参加者が多く、今後はある程度の利回り上 昇を予想していた。準備預金の新しい積み期間に入る今月半ば以降の レポ金利の動向も注視されるという。

東京金融取引所のユーロ円3カ月金利先物相場は下落(金利は上 昇)。米国の景気回復期待に伴う日米債券安が影響した。日銀の金融緩 和強化を期待して買った向きの売りも指摘された。中心限月11年9月 物は前日比0.025ポイント安い99.625(0.375%)と4営業日ぶりの 安値を付けた。

もっとも、国内証券の債券ディーラーは、日銀の包括緩和はリス ク・プレミアム(上乗せる金利)を縮小させることが目的で、市場金 利の押し下げを期待するのは間違いだと指摘した。この日の市場では 円安や株高が進んだ。

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