豪州洪水被害、国内鉄鋼業界から石炭供給に懸念の声

オーストラリア北東部での大規模洪 水をめぐり、日本の鉄鋼業界に鉄鋼用石炭(原料炭)不足の懸念が広が っている。

日本は原料炭の5割強を世界最大の原料炭輸出国であるオーストラ リアから輸入している。記録的な洪水に見舞われた北東部クイーンズラ ンド州は、同国最大の石炭埋蔵地だが、降雨で石炭運搬は停止、生産に 支障をきたしている。豪英系BHPビリトンや英豪系リオ・ティントな どの資源会社は契約した数量の出荷を履行できない不可抗力条項の発動 を余儀なくされた。

新日本製鉄の宗岡正二社長は、5日に開かれた日本鉄鋼連盟の新年 賀詞交歓会で「価格とボリュームの面で心配している」と懸念を示した うえで、在庫を数カ月程度積み上げていることも明らかにした。

神戸製鋼所の佐藤廣士社長は「相当被害が出るとみている」として オーストラリア以外の代替措置として米国やアフリカなどから原料炭調 達を検討する可能性を示唆した。

一方、発電用石炭(一般炭)を豪州から調達している東京電力の広 報担当・竹山学氏は「特に影響は出ていない。スポットで石炭価格が上 昇しているが、ターム契約なので影響はない」とコメント。中部電力の 広報担当・内川尚博氏は「今のところ足元では影響はないが、長期化す れば対応を考える」という。

商社はコメント控える

三菱商事はBHPと合弁で原料炭輸出最大手のBHPビリトン・ミ ツビシ・アライアンス(BMA)を展開している。三菱商・広報部の七 海俊介氏は「BMAで不可抗力条項を通知したのは事実だが、それ以上 の詳細についてはコメントを控える」として、生産面などへの影響につ いては言及を避けた。

UBS証券の竹内克弥アナリストは4日付のリポートで、オースト ラリアの雨季が向こう2カ月程度続くとの見方から原料炭の一段の供給 障害が発生する可能性もあると指摘している。また、4-6月期の鉄鋼 メーカーと資源メジャーとの価格交渉については、これまで以上に上昇 圧力が高まるとみている。

商社では三井物産や伊藤忠商事なども豪州の炭鉱に出資し、権益を 保有している。洪水被害による商社への影響について、野村証券の成田 康浩シニアアナリストは「生産量の減少で今期(11年3月期)業績には マイナス要因となるが、4-6月期は原料炭価格の上昇が見込まれ業績 にはポジティブ。全体としては数量減少よりも価格上昇効果の方が大き いだろう」との見方を示した。

--共同取材:鈴木偉知郎、中山理夫 Editors:Hidekiyo Sakihama Tetsuzo Ushiroyama

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