ユーロ下落、欧州高債務国めぐる懸念根強い-ドルは82円ちょうど挟み

東京外国為替市場では、ユーロが下 落。対ドルでは1ユーロ=1.32ドル台後半を中心に、2営業日ぶりの 安値圏で推移した。欧州の高債務国をめぐる懸念が根強い中、この日 はポルトガルで年明け初の国債入札を控え、警戒感からユーロ売り圧 力がかかった。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1.3264ドルと、2営業日ぶ りの水準までユーロ安が進行。また、ユーロ・円相場は朝方に付けた 1ユーロ=109円30銭をユーロの上値にじり安に展開し、午後には一 時108円71銭まで水準を切り下げる場面も見られた。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、中国 のスペイン国債購入に関する当局者の発言について「トーンが変わっ てきたといった感がある」と指摘。市場はユーロ売りに反応しており、 ユーロ圏内の高債務国に関する不透明感が払しょくしきれない状況が 続いていると説明している。

一方、ドル・円相場は1ドル=82円ちょうど前後でドルが底堅く 推移した。米経済指標の改善傾向が目立つことから、週内に発表され る指標への期待感がドルの下支えにつながっているとの指摘が聞かれ た。午前の取引ではいったんドルが82円台を割り込んだあと、82円 21銭まで反発。午後には再び81円89銭まで軟化したものの、下値は 限定的で午後3時42分現在は82円06銭付近で取引されている。

ポルトガルで今年初の入札

この日はポルトガルで6カ月物短期国債の入札が行われる。昨年 はギリシャとアイルランドがデフォルト(債務不履行)懸念で欧州連 合(EU)などへの救済要請に追い込まれたが、ポルトガルの入札は 欧州の高債務国が今年初めて投資家の需要を試す機会となる。

また、新華社通信によると、中国の李克強副首相は、同国がスペ イン国債をさらに購入する可能性があるとの考えを重ねて表明してい るという。ただ、一部報道では、スペイン債の買い増しについては、 市場環境によるとの発言も伝わっている。

NTTスマートトレードの工藤隆市場情報部部長は「ポルトガル とスペインでは今春、大量の国債償還が予定されており、入札が不調 におわると、再度ユーロ売り材料視される可能性がある」と指摘。ま た、中国によるスペイン国債の購入についても、市場環境などの条件 付きとの発言内容も伝わっており、ユーロ売りが後押しされたと説明 している。

一方、米国では4日に発表された11月の製造業受注額が前月比で

0.7%の増加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央 値0.1%減に反してプラスとなった。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)が4日に公表した連邦公 開市場委員会(FOMC、昨年12月14日開催)の議事録では、「経済 の見通しは改善しているように見受けられるものの、メンバーは概し て、経済見通しの変化は資産購入プログラムの調整を正当化するには 十分ではないと考えた。また一部メンバーは、調整を検討する前に、 経済に関する情報を集めるため、一層の時間が必要だと指摘した」と 記された。

この日の米国時間には、米供給管理協会(ISM)が12月の非製 造業景気指数を発表するほか、給与明細書作成代行会社のオートマテ ィック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービ シズが12月の米民間部門の雇用者数を発表する。

資産管理サービス信託銀の野村氏は、7日の米雇用統計発表を控 えて、市場の期待感が高まってきていると指摘。この日は民間が集計 した雇用統計が発表されるが、予想比で上振れした場合は、「ドルの買 い戻し基調につながる」とみている。

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