日銀が資金供給を積極化、TB入札に安心感との見方-金利押し下げ

5日の短期金融市場では、日本銀行 が資金供給を積極的に実施した。昨年12月に長短金利が急上昇して以 降、日銀は当座預金残高を高水準で維持しており、今年最初の国庫短 期証券(TB)入札や国債入札をあすに控えて、市場に買い安心感を 与えているとの見方が出ている。

日銀は午後1時、4本建てで総額3兆円の共通担保オペ(金利入 札オペと基金オペ)を通知した。同オペは昨年末から応札額が通知額 を下回る札割れが発生しており、金融機関の資金需要は減退している が、あえて潤沢供給を続ける姿勢を示した形だ。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「日銀は国債発行日に前もって 資金を供給するなど、潤沢供給の姿勢を市場に浸透させることで、あ すの入札に安心感を与える狙いがあるのではないか」と言う。

6日は今年最初のTB3カ月物入札と10年国債入札が実施され る。昨年12月の3カ月物入札では落札利回りが0.14%台と約1年ぶ りの高水準を記録。10年債入札も低調な結果だった。その後、TB利 回りは3カ月物が0.10%を付けるなど、低下している。

この日のオペでは、あす入札が実施されるTB3カ月物と10年債 の発行日にスタートする全店分8000億円(1月12日-2月16日)と 全店分8000億円(1月7日-2月9日)が実施された。翌日スタート の本店分6000億円(1月6日-17日)は応札が2600億円にとどまる 大幅な札割れ。基金オペ8000億円の応札倍率は3.41倍だった。

金利上昇けん制

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「昨年は包括緩和の効果に 疑問の声も出ていたため、金利上昇をけん制する姿勢を示し、短期金 利を押し下げている」という。午後のオペ通知を受け、新発2年国債 利回りが前日比1ベーシスポイント(bp)低下の0.17%になった。

日銀の白川方明総裁は昨年12月21日の会見で、包括緩和の効果 については「長めの金利を押し下げる方向に作用している」と指摘。 「全体として金融環境をさらに緩和方向に進める効果を発揮している」 と述べている。

日銀は10月5日に包括緩和を決定した際、金融緩和を一段と強力 に推進するため、長めの市場金利の低下と各種リスク・プレミアム(上 乗せ金利)の縮小を促していくとしていた。

国内証券のディーラーは、午前に実施したTB買い切りオペの応 札額が予想より多かったため、日銀は午後の共通担保オペを積極化し た可能性があると言う。

この日のTB買い切りオペ3000億円は1兆2997億円の応札が集 まり、応札倍率は4.33倍と約1カ月ぶりの高水準だった。平均落札利 回り格差はマイナス0.009%となり、6カ月物で0.12%程度、1年物 で0.13%程度の実勢水準だった。

日銀は毎週、TB買い切りオペを木曜日か金曜日に実施している が、今週は3カ月物と6カ月物の入札が続くため前倒しした。昨年12 月には基金によるTB買い入れ1500億円を3回実施したほか、共通担 保オペでも潤沢供給を続け、TB市場では投資家の買いが増加。証券 会社の在庫が減少し、需給にひっ迫感も出ている。

東短リサーチの寺田氏は、通常は資金供給を絞る準備預金の積み 期(16日から翌月15日まで)後半にしては異例の金融調節が実施さ れていると指摘した上で、「超過準備を拡大できない銀行は余剰資金を TB購入で消化せざるを得ない」とみる。

レポ(現金担保付債券貸借)市場では、翌日物の運用金利が準備 預金の付利金利0.1%を下回る場面もあり、銀行は運用難になってい る。無担保コール翌日物は誘導目標「0-0.1%」に対して0.07-

0.08%で推移している。

昨年12月20日以降、当座預金20兆円超と決算期末時に匹敵する 潤沢供給が2週間以上続いている。このため、準備預金の積みの進ち ょく率かい離幅は平均対比プラス15%まで拡大。年末を越えたことで 銀行の資金需要は一段と減退している。

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