【クレジット市場】「女性にモテる」はずの日本国債、収益は世界最低

日本の財務省は昨年、日本国 債を買う男性は結婚を考えている女性を引き付けることができ ると、個人向け国債を宣伝した。この宣伝に引かれて国債を購 入した男性(または女性)投資家は、世界で一番低いリターン (投資収益率)に甘んじている。

財務省は今、個人向け国債の金利設定方法を見直している。 政府が記録的な国債発行を計画している時期に国民が購入を減 らすのを防ぐためだ。昨年販売された個人向け国債の金利は、 最低でわずか0.25%に落ち込んだ。個人投資家による国債保有 は7四半期連続で減少している。

日興コーディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリスト は、金利低下で国債購入意欲は細っていると指摘する。国民は 金利が現水準にとどまるかさらに下がると予想していると同氏 は述べた。

日本政府は2012年3月期に、過去最高となる144兆9000 億円の国債発行を計画している。昨年12月24日の予算案で発 行規模を公表すると同時に、政府は個人向け国債についての変 更も発表した。

財務省は昨年「国債を持てる男子は、女性にモテル!!・・・ か!?」と題した大型広告を掲載した。個人向け10年国債の金 利は半年ごとに見直されるが、この広告の後は0.25-0.53% の間で推移した。

流通市場での10年国債利回りは4日に1.17%に上昇。昨 年10月には少なくとも03年7月以来の低水準の0.82%まで 下がっていた。

販売促進へ向け新方式

個人向け国債の金利は入札時の10年債利回りから0.8ポ イントを差し引いた水準になる。市場での利回り低下に伴い個 人向け国債の支払い金利は03年以来で最低となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数に よれば、日本国債の昨年の投資リターンは2.4%と、米国債の

5.9%やドイツ国債の6.2%を下回った。日本銀行のデータに よると、日本の家計は昨年7-9月(第3四半期)に国債保有 を0.9%減らした。国内個人投資家の保有は発行残高のほぼ 4%。米国では流通している米国債のほぼ12%を国内家計が保 有している。

財務省の12月24日の発表によると、政府は個人向け国債 の販売促進に向け、金利を10年債利回りの0.66倍とする。3 日の10年債利回り1.17%から計算すると、新方式での金利は

0.77%となる。従来方式ならば0.37%。

個人向け国債の購入単位は1万円。新方式は利回り低下の 影響を和らげるが、利回り上昇時には投資家に不利になる。

10年債2.36%が分岐点

財務省国債業務課の梅村知巳課長補佐は金利決定方法の 見直しについて、「個人向け国債が売れていないことへの問題 意識は強く持っており、今後により多く販売できることを狙 った」と説明。「今後、金利水準が大きく変動するなど金融環 境が変わればあらためて見直していく必要がある」と語った。

新方式では利回りが3%の場合、個人向け国債の金利は

1.98%となる。従来方式なら2.2%。新方式の方が高い金利 になるのは10年債利回りが2.36%未満の場合だ。財務省の 見直しは、同省が今後10年にわたり利回りが同水準を下回 ると考えていることを示していると日興コーディアルの山田 氏は指摘した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト16人 の予想では、今年の10年債利回りは1.5%が上限となる見 込み。年末の利回りの予想中央値は1.325%、9人は年内に 利回りが1%割れするとみている。

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