火消し役のモイニハンCEO、今年もBOAの負の遺産後始末に専念へ

米銀大手バンク・オ ブ・アメリカ (BOA)のブライアン・T・モイニハン最高経営責任者(CEO) は就任1年目の昨年、金融危機以降くすぶり続けるトラブルの火消し に専念してきた。今年もこの役割を果たすことになりそうだ。

2010年1月1日に就任したモイニハンCEO(51)は貸し倒れや 訴訟の急増に直面しながら顧客や規制当局、投資家との関係改善を図 るという難しい作業に取り組んできた。先週は米住宅公社のフレディ マック(連邦住宅貸付抵当公社)、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫) に計28億ドル(約2300億円)を支払い、先に売却した住宅ローン債 権を買い戻すことで合意。08年のカントリーワイド・ファイナンシャ ル買収で背負い込んだ負の遺産の解決に大きく前進した。

投資会社ブラックストーン・グループのスティーブン・A・シュ ワルツマンCEOはインタビューで、モイニハン氏について「無限に 燃え広がることはないが注意が必要な火事」の火消し役を演じてきた と指摘する。

モイニハンCEOは就任時に、顧客サービス改善を約束し、2万 6000人以上の従業員を、ローン延滞している住宅保有者の支援に充て た。しかし昨年12月までに少なくとも2つの州が、ローン見直しプロ グラムに参加した保有者の住宅を同行が差し押さえたとして提訴した。

グッゲンハイム・セキュリティーズのアナリスト、マーティ・モ スビー氏は、「モイニハンCEOにとっては市場の信頼回復が急務。現 在信頼されていないのは明らかだ」と指摘する。投資家の不信を示す 1つの兆候は株価だ。BOA株は昨年11%下落し、24銘柄で構成する KBW銀行株指数中で下から2番目のパフォーマンスだった。株価純 資産倍率は昨年末で約0.6倍となり、同行の資産評価への不信感を示 した。業界平均は0.94倍。

贈り物

インスティチューショナル・リスク・アナリティクスの共同創業 者、クリストファー・ウェーレン氏はBOAを「大手銀の中で最大の 問題を抱えている」と評する。3日に公表された先週の住宅ローン買 い戻し合意は「明らかにBOAへの贈り物」だという。

1月21日に決算を発表するBOAの株価の回復が、モイニハンC EOの急務だ。同CEOは昨年12月10日のブルームバーグテレビジ ョンとのインタビューで、「株価は当行事業の価値やわれわれの実績を 反映していない」と語っていた。

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