リーマン破綻の08年よりも悪化、キャリー取引の損失拡大-ドル上昇で

低金利通貨で調達した資金を高金利 通貨建ての資産に投資する、いわゆるキャリー取引を手掛ける為替ト レーダーの損失が少なくともここ約10年で最大となっている。

為替取引で世界2位の銀行、スイスのUBSがまとめた指数によ れば、キャリー取引の運用成績は2010年にマイナス2.5%となった。 米国の金利が過去最低水準にあるため、ドルが調達通貨となっていた が、そのドルが上昇に転じたことが背景にある。米証券リーマン・ブ ラザーズ・ホールディングスが経営破綻して信用市場が機能不全に陥 った08年のマイナス0.98%よりも落ち込みは大きく、少なくともU BSが集計を開始した1999年以来で最も悪い数字となった。

キャリー取引の需要減退で、ドルの上昇が今後も続くかもしれな い。インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は、昨年11 月4日に付けた2010年の安値から4.5%反発している。米国の製造業 活動や小売売上高の回復を受けて、投資家はドルで資金を調達して高 利回り資産に投じるよりも純粋なドル買いに走っている。

クレディ・アグリコルCIBのグローバル通貨戦略責任者、ミツ ル・コテチャ氏(香港在勤)は「米経済は今後、他と比較してかなり 好調な様子を示す」と予想。「債券利回りが上昇し、それによって調達 通貨としてのドルの魅力は著しく低下するだろう」と指摘した。

先物トレーダーらの間では実際、昨年10-12月期にドルの弱気見 通しが1年ぶりに大きく後退した。米商品先物取引委員会(CFTC) によると、大口投機家のドルの建玉は昨年12月21日現在で16万7031 枚の売り越しと、9月30日時点の24万5789枚から32%減少し、49% 減となった09年10-12月期以来で最大の落ち込みを記録した。

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