債券は反落、米債安や日米株高、円安を嫌気-10年債には入札前の売り

2011年大発会の債券相場は反落。 景気回復期待を反映した米国の債券安、株高を受け、国内でも債券売 り、株式買いが優勢となった。昨年末に金利水準が切り下がった反動 もあって、6日に入札を控える10年ゾーン中心に現物売りも膨らんだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、きのうの米国市場が国内債の売り材料となったほか、10年債 の入札が近いという需給面の重しも広がったと言い、「国内株価の堅調 ぶりもあって事前見通しと比べて弱い印象だった」とも話した。

東京先物市場の中心限月の3月物は、昨年12月30日終値と比べ て9銭高い140円70銭で開始。直後にこの日の高値140円71銭を付 けたが、すぐに売られて140円40銭台での推移となった。午後に入る と国内株高も売り材料視されて、一時は140円20銭まで下げ幅を拡大 させており、結局は33銭安の140円28銭で取引を終えた。

先物3月物は開始直後こそ小幅続伸したものの、米国の債券安や 株高などを手掛かりにその後は売りが優勢となった。午後には日経平 均株価が昨年5月14日以来の水準まで上昇したほか、外国為替相場も ドル高・円安方向に動いており、JPモルガン証券の山脇貴史チーフ 債券ストラテジストは、きのうの米国市場が国内債にとって逆風とな る中で、年始で取引の厚みが乏しい中で売りが広がったと言う。

米供給管理協会(ISM)が発表した12月の製造業景況指数が7 カ月ぶり高い水準に上昇すると、3日の米国市場では景気回復期待が 高まった。米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)高い3.33% 付近となったほか、米株市場ではダウ工業株30種平均が08年8月以 来の高い水準で引けた。為替相場は年末・年始に1ドル=81円を割り 込んだが、きょうの東京市場では82円台前半まで円が反落した。

10年債利回りは1.165%

現物市場で長期金利の指標となる新発10年物の312回債利回りは、 前年末比4bp高い1.15%で始まり、午前には1.14-1.145%でのもみ 合いとなった。午後に入って再び売りが膨らむと1.16-1.165%で推 移しており、4時10分現在では5.5bp高の1.165%となっている。

312回債利回りは、年末にかけて買われる展開となって大納会に は約1カ月ぶりの低水準を付けた。しかし、年明けの市場では米金利 の上昇や日米株高を受けた売りが膨らんでおり、JPモルガン証の山 脇氏は、年末に市場の予想以上に買われた分の修正の動きがあったよ うだと話した。

きょうは中期から超長期ゾーンにかけて幅広い年限で売りが優勢 となったが、6日の10年利付国債入札(1月発行)を控えて長期や超 長期債の売りが目立っていた。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、現 物債は幅広い年限で売りが広がっており、とりわけ10年債には入札に 向けたヘッジ目的の売りが出ていたようだと話した。

週末7日には米国で12月の雇用統計が発表されることも、現物市 場の買い控えにつながった。日興コーディアル証券の野村真司チーフ 債券ストラテジストは、米国で失業率がどんどん低下していく環境に はないが、一方で景気の二番底懸念もはく落しているので、長期金利 は緩やかに上がる方向だとみており、今年は国内景気の回復トレンド もあって10年債利回りが1%を割り込む展開は想定しづらいと言う。

1月の長期金利はもみ合いの傾向

この日の債券市場では売り材料が重なったこともあって、金利水 準が切り上がったものの、ここ数年は1月の長期金利はもみ合いとな る傾向がある。JPモルガン証の山脇氏は、商品投資顧問(CTA) などが年末までに債券持ち高を圧縮する上、年始にあたって相場を動 かすテーマを探る動きから総じて取引が控えられて、金利が一方向に 動きづらくなるためだとみている。

足元の材料としては米国の景気動向が挙げられ、7日発表の米雇 用統計に注目が集まっている。ブルームバーグ・ニュースがまとめた 市場予想によると、12月の非農業部門雇用者数は前月比14万人増加 となり、11月の3万9000人増を上回る伸びが見込まれており、その 場合には内外市場で株高、債券安となる場面がありそうだ。

もっとも、市場では過度の金利上昇を予想するには至っていない。 大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、雇用統計を起点にいったんは相場 が動意付いても、米景気の見通しを決め打ちするのは困難だと言い、 「10年債は結局1.1%台を中心としたボックス相場だろう」と話した。

過去5年間の新発10年国債の利回り推移を振り返ると、1月の月 間変動幅は平均13bp程度と比較的に小動きだった。最も値動きが乏し かったのは10年の6.5bpで、逆に値幅が拡大した場合でも08年の

17.5bpが最大。昨年12月の変動幅は18.5bpだった。

--取材協力:近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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