BNPの日本株投信、10年相場に逆行し上昇-仕組み債で割安株投資

2010年の日本株相場が反落したな か、BNPパリバインベストメント・パートナーズの日本株ファンド は2年連続でプラスの投資リターンを上げた。割安な大型株に投資先 を絞る株式分析モデルが有効性を発揮したほか、仕組み債を活用して クーポン収入を得ることも寄与した。

ブルームバーグ・データによると、「クロッキー日本株プラス(3 カ月決算型)(愛称:ダブルインカム)」の10年の投資リターンはプラ ス6.5%。マイナス1%に終わったTOPIXを上回り、純資産総額 が100億円以上の国内アクティブ運用型日本株投信62本中、第2位。

BNPパリバ投信企画部長の谷下明芳氏は、こうした好調な運用 成績について「モデルが金融株を除外していることや、バリュー株投 資が有効性を発揮した」と見ている。TOPIX33業種の騰落率ラン キングを見ると、証券や保険といった金融株は下位業種に入る。

「ダブルインカム」は、ドイツ銀行が開発した株式分析モデル「ク ロッキー」を使う。モデルでは、企業が開示する財務データをそのま ま利用せず、経済実態に近づけるように変換し、エコノミックPER (株価収益率)を計算する。会計制度や税制が異なる国、財務特性が 異なる業種を超えて投資銘柄の比較ができる点が特徴だ。クロッキー とは、投下資本に対する現金収益比率を意味する。

ファンドでは、東証1部の時価総額上位銘柄から成るTOPIX 100の構成銘柄から金融株を除き、エコノミックPERが低い30銘柄 に等金額投資する。組み入れ銘柄の見直しとリバランスは3カ月ごと に実施。BNPパリバの開示資料を見ると、11月末時点で組み入れ銘 柄が多い業種は電機で6銘柄。これに化学、医薬品が各4銘柄で続く。 パフォーマンス寄与度が高かったのは旭硝子、三菱電機、日東電工で、 寄与度が低かったのはNTTドコモとJR東海、シャープ。

同月中に銘柄入れ替えを行い、セブン&アイ・ホールディングス、 JXホールディングス、そしてパフォーマンスが悪かったJR東海と ドコモの計4銘柄を除外し、日本電産、デンソー、村田製作所、住友 商事を新たに組み入れた。

実際の運用は、株価連動債を組み入れる形で行う。具体的には、 現物株を保有しながらコールオプションを売るカバードコールの戦略 を取り、これによって株価連動債のクーポン収入を獲得し、インカム を高めている。谷下氏によると、株価連動債は利率が年8%程度、利 払いは年4回。

ファンドではこの利息収入を主要原資に3カ月に1回分配金を支 払っている。分配金実績を見ると、08年12月以降は毎回1万口(当 初=1万円)当たり160円を維持している。個人投資家は分配金の額 で購入する投信を選ぶ傾向があり、現在は海外債券投信などが人気。 さえない相場も影響して日本株投信全体が資金流出に見舞われるなか、 谷下氏によると、同ファンドは過去1年間で流入超過だという。

弱点は急騰相場

ただ、カバードコールの戦略を取っていることから、投資家はク ーポン収入を得られる代償として、急激な相場上昇への追随は諦める 必要がある。ファンドでは、投資する30銘柄それぞれに目標株価を3 カ月ごとに設定、得られる値上がり益は最大その水準までとなる。

BNPパリバでは、クロッキーを活用した日本株ファンドを11 月末時点で私募投信を含めて計10本出しており、運用資産総額は272 億円。モデルを開発したドイツ銀によると、クロッキーを参照してい る運用商品の総額は7月末現在、全世界で50億米ドル。

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