12月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替:ドルが対ユーロ下落、通年べースは上昇

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで下落。来年は 世界的な景気回復が活発化するとの観測から、ドル売りが先行した。

ドルは主要16通貨のうち14通貨に対して下落。一時はユーロ に対して2週ぶり安値に売り込まれる場面もあった。ドイツのメルケ ル首相が、ドイツ経済の「根幹」としてユーロを防御すると述べたの が手がかりだった。英ポンドは対ドルで上昇。英国の住宅価格が7カ 月ぶりに上昇したのが好感された。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナ リスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は、「市場参加者は、楽観的 な地合いを見込んでおり、これまでにないほどリスクを取ったポジシ ョンに手を伸ばしつつある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.7% 安の1ユーロ=1.3384ドル。一時は今月14日以来安値の1.3425 ドルをつけた。ドルは年初来、ユーロに対して6.5%上昇。通年ベー スでは2005年以来で最大だった。

円は対ドルで0.5%高の1ドル=81円12銭。円は対ユーロで

0.1%安の1ユーロ=108円47銭。

ユンケル議長

ルクセンブルクのユンケル首相兼国庫相は、ユーロは「世界で 最も堅実な通貨」だとの認識を示し、ユーロの将来にまつわる懸念を 否定した。同国紙、ルクセンブルガー・ウォルトが同首相とのインタ ビューを基に報じた。

ユンケル首相は31日付同紙に掲載されたインタビューで「ユー ロの危機ではなく、ユーロ加盟国の債務危機に直面している」と指摘 し、「ユーロの存在とその本質は危機にさらされていない」と続けた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、ユーロ は2011年末までに1ユーロ=1.31ドルに下げる。

オーストラリア・ドル

オーストラリア・ドルは通年ベースで米ドルに対して14%上昇 した。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査 担当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は、 「この1年、オーストラリアは、中国からの需要や商品相場の上昇、 根強いインフレ圧力、堅調な労働市場さらに中銀による追加利上げの 可能性など、豪ドルにとっての強材料が続いた」と述べた。

ポンドはドルに対して1.2%高。英国の12月の住宅価格は予 想外に上昇した。前月比では5月以来の上昇。英住宅金融大手ネーシ ョンワイド・ビルディング・ソサエティーが明らかにした。ネーショ ンワイドが31日、電子メールで配布した資料によると、12月の住 宅平均価格は前月比0.4%上昇した。

◎米国株:売り優勢-S&P500は年間13%高

米株式市場では売りが優勢の展開となった。S&P500種株 価指数は年間ベースで2年連続高。また月間では、12月としては 1991年以来の大幅高となった。

ダウ工業株30種平均では、シェブロンやヒューレット・パッカ ードの下げが目立った。CVSケアマークは下落。同社は保険会社ユ ニバーサル・アメリカン・ファイナンシャルの部門買収で合意した。 書店チェーンのボーダーズ・グループは大幅安。一部出版社への支払 いを延期したことが響いた。アルコアは、ダウ工業株で最大の上げ。

米証券取引所全体での騰落比率は約5対7。S&P500種株価指 数の終値は前日比0.1%未満下落の1257.64。年間では13%上昇、 今月は6.5%上げた。ダウ工業株30種平均は7.80ドル(0.1%) 上昇し、11577.51ドル。年間では11%高となった。

フェデレーテッド・インベスターズのファンドマネジャー、ロー レンス・クリアチュラ氏(ニューヨーク在勤)は「今年は車での長い 旅のようだった。途中、常に愉快なことばかりではなかったが、最終 的には良い旅だった」と指摘した。

決算、金融緩和

S&P500種は、好調な企業決算や米連邦準備制度理事会(F RB)の量的緩和を背景に7月の安値から前日までに23%上昇。こ の上昇で、S&P500種の株価収益率(PER)は15.7倍と6月 以来の高水準となった。

SGハンブロス(ロンドン)のアンドルー・ポッパー最高投資責 任者(CIO)は「来年の株式相場について、かなり楽観している」 とし、「この上昇が続くための環境は整っている。景気は世界的に回復 している」と続けた。

ブルームバーグ・ニュースが実施したストラテジスト11人を対 象にした調査によれば、S&P500種は2011年には1374へと

9.3%上昇し、08年からの上昇率は52%に達する見込みだ。

個別銘柄

シェブロンは0.4%安の91.25ドル。ヒューレット・パッカ ードは0.4%下げて42.10ドル。

CVSケアマークは0.7%安の34.77ドル。同社は、ユニバ ーサル・アメリカンの高齢者医療保険制度(メディケア)の処方箋薬 保険事業を約12億5000万ドルで買収することで合意したと発表 した。ユニバーサル・アメリカンは40%急伸し、20.45ドル。

ボーダーズは22%下げて90セント。米書店チェーン2位のボ ーダーズ・グループは、一部出版社への支払いを遅らせた。

アルミ生産で米最大手のアルコアは1.2%高の15.39ドル。

アイマックスは4.5%高の28.07ドル。ソニーが大型スクリ ーン映画館向け映写システムの設計を手掛けるアイマックスに1株 40ドル強で買収を提案する準備をしている可能性がある、と英紙デ イリー・メールがロンドンのトレーダーの話を引用し伝えた。

◎米国債:月間ベースで今年最大の下げ

米国債相場は月間ベースでは今年最大の下げとなった。米連邦 準備制度理事会(FRB)の資産購入と減税措置の延長により、景気 が回復するとの見方から売りが出た。

大量の国債入札も12月の下落要因となった。今年の国債発行額 は2兆2000億ドルと、これまでの最高だった2009年の2兆 1000億ドルを上回った。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの 指数によると、30日時点で米国債の年間リターンはプラス5.5%。 前年はマイナス3.7%だった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、サブラト・プラカシュ氏は 「12月は米国債の投資家にとって全くさえなかった。政策変更や経 済指標の改善に加え、量的緩和の発表で膨らんだ買い持ち高の解消が 背景にある。ただ、通年では先行きの不透明感が続いていることを反 映し、米国債は上昇した」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後1時59分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.30%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は18/32上げて94 3/8。

この日は投資家による年末のポートフォリオ組み換えが相場を下 支えた。バークレイズ今週発表したリポートによると、米国債指数の デュレーション(平均残存期間)は今月0.9年拡大し、12月として の過去最高に並ぶ見通し。

2年債利回り

2年債利回りは5bp低下の0.59%。28日には6カ月ぶり高 水準となる0.75%まで上昇した。10月8日には0.31%と、過去 最低水準に低下した。30年債利回りはこの日、9bp低下の

4.33%。

10年債利回りは12月に50bp上昇。月間としては2009年 12月(64bp上昇)以来の高い上昇幅となった。利回りは第4四半 期に78bp上昇した。それまでは3四半期連続で低下していた。10 年債利回りは4月5日に2009年6月以来で初めて4%を上回った。 10月8日には2.33%と、09年1月以来の最低をつけた。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) によると、償還期限が1年を超える米国債指数の投資収益率は今月、 マイナス2.1%。主要26カ国のソブリン債指数としては最悪の成績 だった。

売り越しに転じる

FRBの30日発表によると、プライマリーディーラー(政府証 券公認ディーラー)は2月以来で初めて米国債の売り越しに転じた。 22日現在、売越額は23億ドル。11月24日現在では813億ドル の買い越しだった。これは過去2番目の高水準。

連邦公開市場委員会(FOMC)が開催された14日に国債相場 は下落した。FOMC後の声明でFRBは景気回復が継続していると の認識に加え、量的緩和第2弾の規模を6000億ドルで維持すると表 明した。その3日後、オバマ大統領はブッシュ前政権時に導入した減 税措置の延長法案に署名した。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「量的緩和は景気と物価を刺激するのに効果的であると 市場はみている」と指摘。「利回りは投資家の一部には魅力的に見え る水準にまで上昇した」と述べた。

◎金先物:終値として最高値―通年でも10年連続高

ニューヨーク金先物相場は、オンス当たり1421.40ドルで取引 を終了した。終値としては最高値。通年では10年連続上昇。増大す るソブリン債危機を背景に、質への逃避としての金買いが優勢だった。

年初来からの上昇率は30%。12月7日には最高値の1オンス =1432.50ドルを記録した。

ミダス・マネジメント(ニューヨーク)のトム・ウィンミル社 長は、「今年の金相場のパフォーマンスはとても素晴らしかった。政 府の活動が、過去最大の財政赤字や低金利、財政規律の欠如を示唆し ているからだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は、前日比で15.50ドル(1.1%)上昇した。

◎NY原油先物:反発、年末比較では2007年以来の高値

ニューヨーク原油先物相場は反発。ドルが下落したため、ガソリ ンやヒーティングオイルにつれて買いが入った。年末時点の比較では 2007年以来の高値となった。

年間ベースでは2年連続で上昇。ドルが対ユーロで下落し、商品 全体の代替投資としての魅力が高まったことが背景にある。原油はこ の日、1バレル=89ドル近辺のテクニカル上の下値支持線が固いこ とを確かめると、買い優勢に転じ、91ドルを上回って終えた。

コンサルティング会社、プレステージ・エコノミクス(テキサ ス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は「市場参加者は 祝日を前に売り持ちを望んでおらず、ドルの軟調と石油製品相場の堅 調を受けて原油は上昇した」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.54ドル(1.7%)高の1バレル=91.38ドルで終了した。 月間では8.6%上昇、年間では15%高となった。

◎英国債:上昇、10年債3.42%-年間リターン米独を上回る

英国債相場は上昇し、年間ベースでは過去4年で3年目のプラス となった。キャメロン首相の歳出削減への取り組みに加え、ソブリン 債危機でユーロ圏の市場が混乱に陥ったことを背景に、英国債の今年 のパフォーマンスは米国債とドイツ国債を上回った。

10年債利回りは8月に過去最低となる2.79%を付けたほか、 2年債利回りも10月に0.557%まで下げ、最低を記録した。

インフレ率は政府目標上限の3%を超えているものの、政府の緊 縮策が景気を鈍化させる恐れがあることから、イングランド銀行(英 中央銀行)は政策金利を過去最低の0.5%に1年を通じて据え置いた。

10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.42%。昨年末は4.02%。2年債利回りも6b p低下し1.11%となった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス6.9%。これに対し米国債は5.7%、ドイツ国債は6.3%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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