12月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替:ドル下落、高利回り資産国通貨の需要拡大

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の大半に対して 下げた。経済指標から米国の景気回復ペースが新年に向けて加速して いることが示唆され、高利回り資産国の通貨に対する需要が拡大した。

この日発表された統計では、シカゴ地区の製造業が拡大を示し たほか、新規失業保険申請件数が減少し、中古住宅の販売成約指数 は上昇した。カナダ・ドルは、米ドルに対して3日連続でパリティ ー(等価)を上回る水準で推移した。

スイス・フランはユーロ、英ポンド、ドルに対して最高値をつ けた。国際通貨基金(IMF)は、特別引き出し権(SDR)の通 貨バスケット算定比率で、SDRを構成するドルと円の比率を引き 下げたと発表した。

INGグループの通貨取引ディレクター、ジョン・マッカーシ ー氏は、「経済統計は、最終的には米国にとって前向きな内容とと らえる見方もあるだろうが、リスクを取る側にとっても明るい材料 だ。これにより、ドルには下押し圧力がかかる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時1分現在、ドルは対ユーロで0.5% 下げて1ユーロ=1.3291ドル。(前日1.3225ドル)。円に対し ては、0.1%安の1ドル=81円53銭。一時は11月9日以来の安 値81円29銭をつける場面もあった。前日は81円62銭だった。

スイス・フラン

ドルはスイス・フランに対して1.1%安の1ドル=93.53サ ンチーム。一時は93.51サンチームの最安値まで売り込まれた。フ ランはユーロに対しては一時0.8%上昇、ポンドに対しても1.7% 値上がりして最高値を更新した。

IMFの発表によると、SDRの価値は0.66ドル、0.423 ユーロ、0.111ポンド、12.1円の合計となる。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は、0.4%下げて79.499。年初からは2.1%上昇 している。

12月のシカゴ地区の製造業景況指数(季節調整済み)は

68.6と、1988年7月以来の高水準となった。前月は62.5だっ た。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想 中央値は61への低下。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。

米労働省が発表した25日に終わった1週間の新規失業保 険申請件数(季節調整済み)は、2008年7月以来の低水準に減少 した。11月の米中古住宅販売成約指数は、過去5カ月間のうち4カ 月でプラスの伸びを記録した。

ブラジル・レアル

ブラジル・レアルは、ドルに対して最も値上がりした通貨のひ とつだった。一時は、1.1%高の1ドル=1.6600レアル。ブラジ ル中銀がスポット市場でドル買いの意向を示したのが手がかりだっ た。

レアルは年初からドルに対して5.1%上昇。2008年以降で は39%値上がりしている。

◎米国株:下落、割高感で売り-経済統計に反応せず

米株式相場は下落。経済指標は好調だったものの、S&P500種 株価指数は6月以降で最も割高となっていた。

ダウ工業株30種平均では、アメリカン・エキスプレス、デュポン、 ファイザーが大きく値下がり。アナダルコ・ペトロリアムは大幅高。 英紙デーリー・メールは、英豪系鉱山会社BHPビリトンがアナダル コに1株当たり90ドルで買収案を提示する可能性があると報じた。ま た、中古住宅販売成約指数が予想を上回る伸びとなったことを好感し、 D.R.ホートンなど住宅建設株は買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1257.88。年初から は13%、月初からは6.6%それぞれ上昇している。ダウ工業株30種 平均は15.67ドル(0.1%)下げて11569.71。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッ ド氏は「今月は株にとっては素晴らしい月だった」とし、「こうした 大きな上昇後に一服感が見られても驚きはない。だが相場のプラス材 料はまだ整っており、かなり好調な2011年が予想される。きょうの 失業保険申請件数は実に大きなプラス材料だ」と続けた。

7月以降の上昇

S&P500種は、好調な企業決算や米連邦準備制度理事会(FR B)の量的緩和を背景に7月の安値から前日までに23%上昇。この上 昇で、S&P500種の株価収益率(PER)は15.7倍と6月以来の 高水準となった。

米労働省が発表した25日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は前週から3万4000件減少して38万8000 件。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は41万 5000件だった。これを受け、通常取引前の時間外取引で株価指数先物 は下げを縮小した。

また、シカゴ購買部協会が発表した12月の景況指数では、製造業 活動が20年ぶりの速いペースで拡大したことが示された。12月のシ カゴ地区の製造業景況指数(季節調整済み)は68.6と、1988年7 月

以来の高水準。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調 査の予想中央値は61への低下だった。

個別銘柄

アメリカン・エキスプレスは0.8%安の42.51ドル。デュポン は0.7%下げて49.69ドル。ファイザーは0.6%安の17.49ドル

アナダルコは6.9%高の75.59ドル。BHPビリトンは、アナ ダルコに1株当たり90ドルでの買収案を提示する可能性がある。英紙 デーリー・メールが情報源を明示せずに伝えた。

D.R.ホートンは0.8%高の12.01ドル。全米不動産業者協 会(NAR)が発表した11月の中古住宅販売成約指数(季節調整後) は前月比3.5%上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調 査の予想中央値は0.8%上昇だった。前月は10.1%上昇(速報値

10.4%上昇)に修正された。

◎米国債:反落、失業保険申請の減少で(

米国債相場は反落。新規失業保険申請件数が予想以上に減少 したため、売りが優勢になった。シカゴ購買部協会景況指数が20年 ぶりの高水準となったことや、中古住宅販売成約指数が予想を上回った ことも弱材料。

BTGパクチュアル(ニューヨーク)のジョン・ファース氏は 「景気は勢いづいており、国債の強気筋には向かい風となっている。 新年入りした後も続くようだと、金利はさらに上昇するだろう」と述 べた。

今週は中期債の入札が3回実施され、合計990億ドルが発行さ れた。年初からの中長期債の発行額は累計で2兆2000億ドルとな り、これまでの最高である2009年の2兆1000億ドルを上回った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.37%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は1/8下げて93 25/32。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) によると、償還期限が1年を超える米国債指数の投資収益率は今月、 マイナス2.1%。主要26カ国のソブリン債指数としては最悪の成績 となった。

失業保険

労働省が発表した25日に終わった1週間の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は前週から3万4000件減少して38万8000件。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は41 万5000件だった。前週は42万2000件(速報値は42万件)に修 正された。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジス ト、ガイ・リーバス氏は「売り圧力が続いている。失業保険申請件数 は非常に強い内容で、景気にとって明るい兆候だ」と語った。

12月のシカゴ地区の製造業景況指数(季節調整済み)は68.6 と、1988年7月以来の高水準となった。前月は62.5だった。ブル ームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値は 61への低下。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した11月の中古住宅販売 成約指数(季節調整後)は前月比3.5%上昇した。ブルームバーグが まとめたエコノミスト調査の予想中央値は0.8%上昇だった。前月は

0.1%上昇(速報値10.4%上昇)に修正された。

「利回り上昇へ」

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は「最近の経済指標は改善している。勢いがつけば、回復 が一段と進んだことになり、利回りは上昇するはずだ」と述べた。

投資家のポートフォリオ組み換えが年末にかけて相場を下支え る可能性がある。バークレイズの米国債指数のデュレーション(残存 期間)は今月、0.9年拡大した。同社が今週発表したリポートによる と、これは12月としての過去最高に並んだ。

◎金先物:下落、年末で利益確保の売り-1405.90ドル

ニューヨーク金先物相場は、今週初めて下落した。年初来の金の 値上がりを受けて、投資家が売りを出したのが背景。

2010年の金相場はこれまで28%上昇した。通年では10年連 続の上昇となる見通しだ。伸び率は株式や債券を上回っている。金は 今月7日にはオンス当たり1432.50ドルの最高値を記録した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ) のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は、「金は素晴らしい運用 だった」と述べ、「市場参加者は、年末に向けて今年の利益を収めて いる」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比7.60ドル(0.5%)安の1オンス=1405.90ドル で終了した。

◎NY原油:1カ月ぶりの大幅安、在庫が予想ほど減少せず

ニューヨーク原油先物相場は続落。1カ月ぶりの大幅安となった。 在庫が予想ほど減少しなかったため、売りが膨らんだ。

約1週間ぶりに90ドルを割り込んだ。エネルギー省によると、 24日に終わった週の原油在庫は126万バレル減少し、3億3940 万バレル。ヒーティングオイルやディーゼル油を含む留出油は予想外 に増加した。ガソリン在庫は減少。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)の エネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は「在庫統計の主要3項 目のうち2項目が悪材料となり、それがこの日の取引を支配した」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.28ドル(1.40%)安の1バレル=89.84ドルで終了した。 11月30日以降で最大の下げとなった。終値ベースで90ドルを下 回るのは21日以来で初めて。

◎欧州株:1カ月ぶり大幅安、割高感から売り

欧州株式相場は1カ月ぶり大幅安となった。今年の株価上昇を受 け、バリュエーション(株価評価)が業績や景気見通しを上回る水準 に拡大したとの見方が広がった。

英不動産関連株のテーラー・ウィンピーとバラット・デベロッ プメンツを中心にストックス600欧州指数が下げ、同指数を構成す る19産業グループすべてが下落した。産金会社、ランドゴール ド・リソーシズは2.4%安。

イタリアの銀行、ウニクレディトは3.1%下げた。イタリア政 府がこの日実施した国債入札で、落札利回りが上昇したことが売り を誘った。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%安の277.02と、先 月29日以降で最大の値下がりとなった。年初来上昇率は9.1%。 企業利益の大幅増加に加え、各国の中央銀行による景気支援策で、 欧州のソブリン債危機で回復が損なわれるとの懸念が後退した。ブ ルームバーグがまとめたデータによると、同指数構成銘柄の予想P ER(株価収益率)は約12倍と、8カ月ぶり高水準に達した。

ハーグリーブズ・ランズダウンの英国株式部門責任者、リチャ ード・ハンター氏は「今年の株価パフォーマンスが堅調だったこと から、相場下落は意外ではない。商いが極めて薄いことから、値動 きが増幅された」と語った。

出来高

クリスマスと年末年始の休暇で今週の出来高は落ち込んだ。ブ ルームバーグのデータによると、ストックス600欧州指数構成銘柄 の出来高は約17億株。過去1年の1日平均は約42億株だった。

30日の西欧市場では、ルクセンブルクを除く17市場すべてで 主要株価指数が下落。テーラー・ウィンピーは1.1%、バラットは 1%下げた。

◎欧州債:ドイツ債、年間で上昇-ユーロ圏の債務危機を懸念

今年の欧州債市場では、ドイツ国債が上昇し、2008年以降で最 高のパフォーマンスを演じた。ユーロ圏の高債務国を混乱させた債務 危機で、域内で最も安全とされるドイツ国債への需要が高まった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた26カ国の国債指数によると、最高格付けを付与されたオ ーストリアとドイツ、オランダ、フィンランド、フランスの国債が上 昇した一方、救済を受け入れたギリシャとアイルランドが最も大きく 落ち込んだ。

ドイツ国債は10-12月(第4四半期)に2008年4-6月 (第2四半期)以降で最大の下げとなった。世界的な景気回復の兆候 が強まりつつあるのに加え、他のユーロ加盟国を支援するコストが 2011年に膨らむ可能性があることが懸念された。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の資本市場戦略担当副 ディレクター、オーランド・グリーン氏は、「質への逃避があったほ か、欧州は勝ち組と負け組に分かれた」と述べ、「負け組は明らかに ギリシャやアイルランドで、両国は救済を余儀なくされた。こうした 連鎖反応が来年も継続するリスクがある」と続けた。

ロンドン時間午後4時56分現在、独10年債利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.95%。ブル ームバーグのデータによると、昨年12月30日は3.39%だった。 同国債利回りは昨年44bp上昇、08年は136bp低下した。同国 債(表面利率2.5%、2021年1月償還)価格は前日比0.53ポイ ント上げ95.13となった。

ブルームバーグとEFFASのデータによると、ドイツ国債の今 年のリターン(投資収益率)はほぼ6%のプラス。これに対し、ギリ シャ国債はマイナス20%、アイルランド国債はマイナス14%、ポル トガル国債はマイナス8%となっている。スペインとイタリアの両国 債もマイナス。高債務国の上乗せ利回りの上昇が背景にある。

◎英国債:上昇、10年債利回り3.47%に低下

英国債相場は上昇し、10年債利回りが前日比9ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の3.47%となった。

同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格は0.76ポ イント上げ109.98。2年債利回りは8bp低下し1.16%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス6.2%。これに対し米国債は5.7%、ドイツ国債は6%と なっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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