日本株反落、円高受け先物主導売り圧力-東証33業種安い

大納会の東京株式相場は反落。為 替市場で対ドルを中心に円高が進み、収益の先行き懸念から輸送用機 器や機械、ガラス・土石製品、ゴム製品など輸出関連株が売られた。 銀行や証券、不動産など内需関連株も下げ、東証1部33業種はすべて 安い。売買低調の中、先物主導で下げた色彩が濃かった。

日経平均株価の終値は前日比115円62銭(1.1%)安の1万228 円92銭。昨年の大納会終値は1万546円44銭で、年間ベースでは317 円52銭安、3%のマイナスで2年ぶりに下げた。TOPIXのこの日 終値は9.21ポイント(1%)安の898.80。

メッツラー・アセット・マネジメントの小林光之社長は、足元の 円高進行について「日本の輸出企業による年内の為替決済に伴う円買 いが大きく影響している」との認識を示唆。一時的な需給要因が主因 なだけに、年明け以降は円高修正が見込まれるというが、「円高の動き となれば、それに呼応して日本経済の先行き懸念がどうしても高まる ので、幅広い業種に売りが出てしまう」と話していた。

前日行われた米国債の入札が好調で、米長期金利が低下したこと から、外国為替市場では日米金利差縮小を意識したドル売り・円買い 圧力がかかりやすくなっている。日本時間午前9時半すぎには1ドル =81円29銭まで円高が進行。円は対ユーロでも、107円台後半と円高 気味に推移しており、収益へのマイナスの影響が警戒され、東証1部 売買代金上位ではファナックやソニー、東京エレクトロン、トヨタ自 動車、ホンダ、日産自動車などが安い。

官庁居ぬ間の円高

「為替に振り回されたこの1年を象徴するような展開」と話すの は、カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリスト。同氏によれ ば、約7週間ぶりの円高・ドル安水準となったことについて、仕事納 めで役所が年末年始の休みに入る中、「円高が進行しても、日本では円 売り介入に動けないと見たヘッジファンドなどによる仕掛けの可能性 もある」という。

立花証券の平野憲一執行役員は、輸出企業の多くが円高対応を進 めているが、「円相場の動向が収益を大きく左右する状況にあることに 変わりはない」と指摘。年末で商いが細り、先物売買の影響が出やす い中、「一段の円高進行を嫌気した売りが先物に出た」と見ていた。東 証1部の売買高は概算で14億6814万株、売買代金は9218億円と5日 連続の1兆円割れ。騰落銘柄数は値下がり1290、値上がり270。

すべて下げた東証業種別33指数では、銀行、保険、証券・商品先 物取引の金融3業種が値下がり率上位に並んだ。TOPIXの直近安 値だった11月2日から12月29日までの33業種の上昇率を見ると、 証券・商品先物は28%高、銀行は20%高、保険も16%高と、TOP IX(13%高)のパフォーマンスを上回っており、直近で上げの目立 った業種ほど売り圧力が強くなった様子がうかがえる。

金融株については、内部告発サイト「ウィキリークス」の創業者、 ジュリアン・アサンジ氏が一部米銀の不正を年明けにもサイト上に流 す、と伝わっていることも悪影響を及ぼしていたとカブコム証の山田 氏。銀行では、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナン シャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループの3大金融持ち 株会社がそろって4営業日ぶりに反落した。

25日線かろうじて死守

市場では、足元の下げは短期過熱感を冷やす日柄調整で、日経平 均は9123円まで下げた11月2日を直近安値に、同3日の米量的緩和 第2弾(QE2)をきっかけとした上昇基調は維持している、との見 方がなお多い。立花証の平野氏は、日経平均が終値で25日移動平均線 (1万221円)を下回ってくるようだと、「戻り相場がいったん終わっ たとも受け取れ、印象が悪くなる」と話していた。きょう取引時間中 には、25日線を約1カ月半ぶりに割り込んだが、終値は7円上回った。

NRIが下落、プロミス続伸

個別では、証券向けシステムが低調で、4-12月の連結経常利益 が前年同期比2割減の270億円前後になりそう、と30日付の日本経済 新聞朝刊で報じられた野村総合研究所が反落。サンシティ、シンフォ ニアテクノロジー、タクマ、双信電機などが東証1部の値下がり率上 位に入った。

半面、三井住友FGによる出資比率引き上げの可能性が30日付産 経新聞で報じられたプロミスが続伸。今期(2011年2月期)の連結業 績予想を上方修正したユニーも高い。傘下のオリエントコーポレーシ ョンが過去に発行した優先株を、みずほFGが米金融機関などから買 い取ると29日に共同通信が報じ、東証2部のオリコ株は将来的な需給 悪化懸念の後退で大幅高となった。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.02%高の52.30、 東証マザーズ指数は0.2%安の433.63と高安まちまち。スターティア、 菊水電子工業、日本通信が買われ、スカイマーク、ニッシン債権回収、 第一興商も高い。半面、アズジェント、そーせいグループ、日本風力 開発、LTTバイオファーマが下げた。

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