12月29日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル下落、景気回復期待でリスク資産需要

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨すべてに対して 下落。米景気回復の兆候が株などの高利回り資産に対する需要を押し 上げた。

ドルは円に対して、8営業日連続で下落。2004年以来で最長の 連続安となった。野田佳彦財務相は28日、「過度な変動がある場合 には、断固たる措置を取るという姿勢に変わりはない」と述べたが、 ドル下落に変化はなかった。ドルはニュージーランド・ドルやオース トラリア・ドルに対して下落。30日に発表される米週間失業保険申 請件数は、前週比で減少が見込まれている。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナリ スト、アンドルー・ウィルキンソン氏は、「この日は、高利回り資産 投資が最も確実な道を提供した」と述べ、「アジア・ダラーが堅調だ。 欧州を除きリスクが許容されている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時3分現在、ドルは対円で0.9%下げ て1ドル=81円62銭(前日82円38銭)。対ユーロでは0.8% 安の1ユーロ=1.3225ドルだった。前日は1.3115ドル。

オーストラリア・ドル高い

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数 によると、ドルは年初から2.5%下落。円は12.8%値上がりした。 ユーロは10.7%の下げとなっている。

ドルはオーストラリア・ドルに対して0.8%下落した。対ニュ ージーランド・ドルでも1.7%値下がりした。

オーストラリアの政策金利は4.75%、ニュージーランドは3% となっており、両国に対して高利回り資産を求める投資家からの需要 が高い。

野田財務相は、28日午前の閣議後会見で、為替相場がここ数日 1つの方向に偏ってきているとし、年末年始を通じてその動向を注視 すると語った。

円は月初来対ドルで2.5%上昇、ユーロは1.9%値上がりして いる。

アジア通貨

アジア通貨は6週ぶり高値に上昇。海外投資家がアジア株に買い を入れているのが背景だ。円を除くアジア主要10通貨を調査するブ ルームバーグ・JPモルガン・アジアダラー指数は、11月18日以 来の高水準に上げた。

今週の海外投資家の動向によると、インド、インドネシア、韓国、 台湾、タイさらにベトナムの株式に対しては買い越しとなった。国際 通貨基金(IMF)は、アジア途上国の今年の成長率を9.4%と予 想している。これに対し先進国は2.7%の成長率が見込まれている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は、0.8%下げて79.746。

◎米国株:上昇、原油90ドル超維持でエネルギー株に買い

米株式相場は上昇。原油相場が5営業日連続でバレル当たり90 ドルを上回る水準にとどまったことを手掛かりにエネルギー株が買わ れた。S&P500種株価指数は、12月の上げとしては1991年以 降で最大となっている。

S&P500種では、シュルンベルジェやオクシデンタル・ペト ロリアムなどエネルギー株が主要10業種中で最大の上げ。ビージェ ーズ・ホールセール・クラブは、買収案を提示される可能性があると の米紙ニューヨーク・ポストの報道を受けて上昇。

一方、ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレ ーは下落。アナリストのマイク・マヨ氏が利益予想を下方修正したこ とが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1259.78と、 2008年9月8日以来の高値。ダウ工業株30種平均は9.84ドル (0.1%)上げて11585.38ドルと、終値ベースで08年8月以来 の高値。

ワサチ・アドバイザーズの運用担当者のマイケル・シニック氏は、 「原油相場がバレル当たり90ドル超で推移する期間が長いほど、 80ドル超での安定度が増し、それ以上に上昇する可能性もあるとの 見方が広がる」と指摘。「グループとしては、エネルギー株はバレル 当たり80-90ドルという原油価格をまだ織り込んでいない」と続 けた。

S&P500種は月初から6.7%上昇している。

景気押し上げ

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が8月27日、 景気押し上げのための国債購入プログラム拡大を示唆して以降、S& P500種は20%上昇。11月には量的緩和の第2弾を発表した。ま たオバマ大統領は今月、減税延長法案に署名した。

フォントベル・アセット・マネジメント(チューリヒ)のチーフ ストラテジスト、トマス・シュタイネマン氏は「来年もほぼ同じよう な状況になるだろう」とし、「大規模な財政刺激策がある。これは別 の疑問につながるが、経済や株式は恐らく予想よりも上振れするだろ う」と述べた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト11人の平均によれば、S &P500種は11年末に1374に上昇すると見込まれている。これ は、前日の終値を9.2%上回る水準。

薄商い

今週は米北東部が吹雪に見舞われたことから取引が減少。ニュー ヨーク証券取引所(NYSE)の27日の出来高は約4億6800万 株と、1日の出来高としては1998年5月以降で最低だった。28日 の出来高は5億6000万株、29日は5億2000万株。過去100日 間の平均は10億1000万株。

シュルンベルジェは1.7%高の83.63ドルで、S&P500種 の上昇寄与度トップ。オクシデンタルは1.4%上げて99.03ドル。 エネルギー株指数は0.8%上昇した。

ビージェーズは7.1%高の47.62ドル。プライベートエクイ ティ(PE、未公開株)投資会社のレオナルド・グリーン・アンド・ パートナーズがビージェーズに敵対的買収を仕掛ける可能性があると、 ニューヨーク・ポストは報じた。匿名の関係者の話を基に伝えたとこ ろによれば、今後数週間に入札が実施されない場合、レオナルドは買 収案を提示する可能性がある。

ゴールドマンは0.9%安の167.63ドル。モルガン・スタンレ ーは1.4%安の27.28ドル。クレディ・アグリコル・セキュリテ ィーズUSAのマイク・マヨ氏は、両社の第4四半期の利益見通しを 引き下げた。債券・為替・商品トレーディング部門での取引が予想を 下回っているためと説明している。

◎米国債:反発、入札が好調-海外勢の需要09年来最高

米国債相場は反発。この日、実施された290億ドルの7年債入 札で、落札全体に占める海外の中央銀行を含む間接入札の割合は、 2009年6月以来の最高となった。

好調な入札を背景に、10年債利回りは6月4日以来の大幅な低 下となった。同日には米労働省が雇用統計を発表した。前日の米国債 相場は5年債入札の需要が6カ月ぶりの低水準となったことを背景に 下落していた。

シティグループのニューヨーク在勤金利ストラテジスト、ジョゼ フ・リアリー氏は「この日の入札は平均を上回るかなり力強いものだ った」と指摘。「海外勢や投資ファンドらは、利回りを求めて国債売 りを進めていたが、この日の入札には参加した」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時25分現在、既発の7年債利回りは前日比16ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)低下の2.71%。同年債(表面利 率2.25%、2017年11月償還)価格は31/32上げて97 3/32。

10年債利回りは一時15bp低下の3.33%と、同じく6月4 日以来の大幅な下げとなった。

この日の相場上昇の背景には、年末のリバランスにより国債に資 金が流れたことも挙げられる。バークレイズの米国債指数のデュレー ション(平均残存年限)は今月、0.9年長くなり、これまでの12 月の最長と並んだ。同社が前日の引け後にリポートを発表した。

ジェフリーズ・グループの米ドル・デリバティブ取引責任者、ク リスチャン・クーパー氏は、「年末を控え、バランスシート上での一 定の操作がみられる。これは年内の米国債にとって幸先の良い兆しだ」 と述べた。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、米国債 の今年のリターンは4.9%。昨年はマイナス3.7%だった。投資適 格級の社債のリターンは今年8.2%、S&P500種株価指数は 13%値上がりしている。

7年債入札

この日の7年債入札で、落札全体に占める海外の中央銀行を含む 間接入札の割合は64.2%と、09年6月以来の最高となった。プラ イマリーディーラー以外の直接入札の割合は4.6%。先月の入札で の同割合は8.5%、過去10回の入札の平均は10.4%となっている。

この日の入札では最高落札利回りは2.830%と、ブルームバー グがプライマリーディーラー6社を対象にまとめた入札直前の予想の

2.864%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.86 倍と、前回(11月24日実施)の2.63倍を上回った。

10年債利回りは前日、15bp上昇と2週間ぶりの大幅な上げと なった。前日の5年債入札では、応札倍率が2.61倍と6月以来の 低水準にとどまった。落札全体に占めるプライマリーディーラーの割 合は58.2%と、09年7月以来の最高となった。

米財務省は27日には2年債入札を実施した。今週の3回の入札 規模は計990億ドル。

「重要なイベント」

ジョージ・ゴンキャルベス氏を含む野村ホールディングスのアナ リストは、29日付調査リポートで、「7年債入札は年末にかけての 市場の方向性を見極める上で非常に重要なイベントだった」と指摘。 「ディーラーのバランスシートは2年債と5年債の入札ですでにきし みが生じているが、この日は間接入札が増え、素晴らしい入札となっ た」と述べた。

◎NY金:3日続伸、欧州債務危機やドル安-ユーロ建て最高値

ニューヨーク金先物相場は3日続伸。欧州債務危機の高まりとド ル下落を受け、安全な逃避先としての需要が強まった。

ドルは主要6通貨バスケットに対して下落。30日発表の米製造 業指標が活動の鈍化を示唆するとの予想が背景にある。欧州の債務危 機が拡大するとの懸念から、金は7日に1オンス=1432.50ドルと 過去最高値を更新した。金はこの日、ユーロ建てとポンド建てで最高 値を記録した。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) はリポートで「ユーロ圏の状況に関する懸念と、米連邦準備制度理事 会(FRB)が超緩和策を維持する可能性が高いことが金の2大買い 材料だ」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比7.90ドル(0.6%)高の1オンス=1413.50ド ルで終了した。

◎NY原油:反落、1月の在庫増・需要減の観測で

ニューヨーク原油先物相場は反落。2年2カ月ぶりの高値付近か ら下げた。1月に米国で燃料需要が低下し、在庫が増加するとの観測 を背景に売りが出た。

28日に発表された米消費者信頼感指数が予想外に低下したこと も売りを誘った。製油所が節税のため2011年まで出荷を遅らせる ため、米エネルギー省が30日に発表する先週分の統計では石油在庫 の減少が予想されている。過去4年間、1月はいずれも在庫が増加し ている。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は「相場は行き過ぎた感がある。新年入りに際し、多 くの買い材料が細るとみられている。まず、在庫が増加し始め、ホリ デーシーズン前のガソリン需要の増加は止まるはずだ」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比37セント(0.4%)安の1バレル=91.12ドルで終了した。27 日には91.88ドルと2008年10月7日以来の高値をつけた。年初 からの上昇率は15%。

◎欧州株:続伸、経済成長に期待-スカンスカやホックシールド高い

欧州株式相場は続伸。ストックス欧州600指数は2008年9月 以来の高値付近で取引された。経済成長が勢いを増しているとの観測 が手掛かり。

北欧最大の建設会社、スカンスカが上昇。同社はチリでの合弁会 社への出資分を売却した。ペルーでの合弁に署名した金鉱会社の英ホ ックシールド・マイニングも値上がりした。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の280.63で終了。 騰落比率は約2対1。同株価指数は先週まで週間では4月以来最長の 連続上昇となっている。年初からは10%値上がり。

ダルトン・ストラテジック・パートナーシップ(ロンドン)のア ンドルー・ダルトン最高投資責任者(CIO)は、「米産業部門の経 済成長は加速しつつあり、企業信頼感は上昇しているというのが当社 の見方だ」と指摘。「株式市場は相対的に割安な水準にとどまってい る」と述べた。

スカンスカが高い

スカンスカは2.2%高。チリの合弁会社への折半出資分をカナ ダの年金基金、アルバータ・インベストメント・マネジメント(AI MCo)に売却した。スカンスカは税引き後利益として約50億クロ ーナ(約610億円)を計上する。

ホックシールド・マイニングは3.4%高。同社はペルー南部で のインターナショナル・ミネラルズとの合弁に署名したと発表した。

◎欧州債:ドイツ債が下落-インフレ加速や株価上昇で需要が後退

欧州債市場ではドイツ国債が下落。インフレ加速や株価上昇を受 け需要が後退した。

独10年債利回りが3%を上回ったのは過去3日間で2回目。欧 州株式市場ではストックス欧州600指数が続伸。この日発表された 12月の独消費者物価指数では、インフレの加速が示された。

コメルツ銀行のストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏(ロ ンドン在勤)は「高リスク資産の上昇で独国債の需要は後退している。 いくらか向かい風が見られる状況だ」と分析した。

ロンドン時間午後4時32分現在、独10年債利回りは前日比2 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.01%。同年 債(表面利率2.5%、2021年1月償還)価格は0.16ポイント下 げて95.63。2年債利回りは1bp上げて0.89%。

◎英国債:10年債利回り3.56%-約1週間ぶりの高水準

英国債市場では、10年債利回りが前営業日比5ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇し3.56%と、約1週間ぶりの高 水準となった。同年債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格 は0.42ポイント下げて109.22。2年債利回りは1bp上げて

1.24%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス6.6%。これに対し米国債は5.0%、ドイツ国債は6.2% となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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