ダイヤ密輸収入、ジンバブエ大統領の選挙活動資金に-人権団体が指摘

ジンバブエとの国境に近いモザ ンビークのレストランで、エノス・チクワー氏はカットされていないダ イヤモンド9個を袋から取り出した。値段は全部で7万5000ドル(約 620万円)だ。

「あなたが必要なだけダイヤを売ることができる」とチクワー氏は 言う。同氏はジンバブエの兵士から購入したダイヤをモザンビークに持 ち込んだ。

ジンバブエではムガベ大統領が約30年間にわたって政権を握って いる。2000年以降、4回行われた選挙では暴力行為が横行し国際社会か らの批判が高まった。国境地域で暗躍するチクワー氏ら数百人の密輸業 者が得た資金はジンバブエへと戻っていく。同大統領の土地収用政策に より、かつてアフリカ南部で2番目の規模を誇ったジンバブエ経済は8 年間で50%縮小した。

人権擁護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(ニューヨーク)や パートナーシップ・アフリカ・カナダ、ジンバブエ野党の民主変革運動 によると、ジンバブエ最大のダイヤ産地、マランゲ地方で採掘されるダ イヤは来年実施される選挙を控えたムガベ大統領(86)の資金力強化の ために利用されている。

ジンバブエ国営のヘラルド紙は、ムポフ鉱山・鉱業開発相の10月 の発言を引用し、同国がダイヤを自由に輸出できると仮定すると、ダイ ヤ輸出による収入は年間20億ドルに達する可能性があると報じた。人 権侵害に反対する活動で30年の実績があるヒューマン・ライツ・ウォ ッチの英国在勤ディレクター、トム・ポーティアス氏はムガベ大統領に ついて、選挙運動のため資金を蓄えようとしていると指摘する。

ポーティアス氏は8日、電子メールの質問に回答を寄せ、「鉱山収 入がムガベ大統領とその取り巻きを支えている」と指摘。「ダイヤ輸出 の収入が政治的暴力や大統領に反対する人々を脅迫するための資金とし て利用されるのではないかと懸念している」との見方を示した。

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