忍び寄るバブルのリスク、世界の中銀の手本となるのはスウェーデンか

世界の主要な中央銀行に指針を与 えるのはスウェーデンの中銀かもしれない。バブルの芽を摘むため、 同中銀は着目する対象を従来のインフレ目標から資産価格の伸びに移 しているからだ。

シティグループのエコノミスト、ティナ・モーテンセン氏(ロン ドン在勤)は「資産価格の上昇に中銀は対応しないというのが通念だ ったが、その結果、何が起きただろうか」と述べ、「危機を経て、中銀 当局者らは政策を考え直すようになった」と指摘。「スウェーデンはま さにこの問題に直面している」とも語り、「資産価格と金融政策はホッ トな話題だ」と説明した。

スウェーデン中銀のイングベス総裁は、インフレ率が同中銀の目 標である2%を下回っているにもかかわらず、7月以降に4回の利上 げを実施。住宅価格が危機前の水準を上回り、融資の伸びも9%付近 となっているためだ。一方で米国やユーロ圏、日本、英国の中銀は政 策金利を過去最低水準で維持している。

ノルディック・インベストメント・バンクのジョニー・エーケル ホルム社長によれば、2年以上前に始まった金融危機は、インフレ指 標では資産価格の伸びを把握できない中で低金利政策を続ける中銀が 深刻化させた。多くの中銀が同じ過ちを繰り返していると同氏は語る。

同社長は今月17日付のニューズレターで「同じ状況の繰り返しに なっている。金利は低く、中銀は『紙幣を増刷中』だ。先進国の消費 者物価を除き、事実上全ての価格が急速に上がっているにもかかわら ずだ」と指摘した。

警鐘

欧米の当局者からは低金利に伴うリスクへの警告が出始めている。 イングランド銀行(英中銀)が今月9日開いた金融政策委員会(MP C)では、センタンス委員が7カ月連続で利上げを主張。同中銀の市 場担当ディレクター、ポール・フィッシャー氏は先週、英紙デーリー・ テレグラフに対し、現行0.5%と過去最低水準にある政策金利は5%程 度の「正常な」水準に引き上げられるべきだとの考えを示した。

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事も金融上の不均衡の脅 威に対応する必要性を指摘し、経済の幅広い動向を示す予測モデルを 確立したいとの意向を表明した。ECBは2009年5月に政策金利を過 去最低の1%に引き下げてから同水準に据え置いている。08年12月か ら実質ゼロ金利政策を続ける米国でも、カンザスシティー連銀のホー ニグ総裁が今月、金融緩和継続が「経済を不安定にしかねない」と警 鐘を鳴らした。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のエコノミスト、ベン・ メイ氏は「バブルの崩壊に積極的な金融緩和で対応すれば、悪影響を もたらす新たなバブルの発生につながるというリスクがある」と述べ ている。

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