ドルがじり安、対円で82円前半-米指標下振れで海外は一時81円台、

東京外国為替市場ではドル・円 相場は1ドル=82円台前半で、ドルがじり安となった。海外時間には 米指標の下振れから一時、約6週間ぶりに81円台に突入する場面が見 られ、東京時間日中もドルは上値の重い展開が続いた。半面、年末を目 前に控えて積極的にドルを売る動きも見られず、日中の値幅は34銭程 度となった。

ドルは対円で82円47銭を日中高値に一時、82円13銭まで軟化。 前日の海外市場では81円82銭と11月12日以来のドル安・円高水準 をつけた後、米金利の上昇に伴い82円台半ばまで値を戻していた。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、「きのうは米 指標があったが、きょうは何もないので本当に動きにくい。ストップ (損失を限定するための売買注文)もつけてしまったので、同じところ まで行かない限りストップもつかない」と指摘。「米7年債入札で何か あれば、それに見合った形で動く可能性はあるが、おそらくレンジを抜 けることはないだろう。ただ、実体としてドル・円の上値は重い」と語 った。

一方、朝方にはユーロ売りが先行し、ユーロは対ドルで一時、前日 安値を割り込み、1ユーロ=1.3084ドルまで値を切り下げる場面が見 られた。しかし、年末ムードが広がるなか、ユーロ売りもそこまでで、 午後には1.31ドル台半ばまで値を戻した。

また、ユーロ・円相場は朝方に一時、1ユーロ=107円75銭と海 外時間につけた9月14日以来の円高値(107円62銭)に近付く場面 が見られたが、その後は108円ちょうど前後でのもみ合いに終始した。

米国の経済指標と金利動向

この日は米国で主要経済指標の発表はない。一方、30日には12 月のシカゴ購買部協会景況指数や先週分の新規失業保険申請件数が発表 され、年明け第1週には12月の米供給管理協会(ISM)の景況指数 や雇用統計など重要指標の発表が予定されている。

28日の海外市場では12月の米消費者信頼感指数が予想外に低下 したほか、全米20都市を対象にした10月の米スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数が予想以上の低 下となったことが嫌気され、主要通貨に対してドル売りが先行。対スイ ス・フランでは一時、過去最安値を更新し、商品相場の上昇を背景に対 オーストラリア・ドルでは11月上旬につけた1983年の変動相場制移 行後の最安値付近まで値を切り下げる場面が見られた。

しかし、米5年債入札の不調を受け、米債利回りが大幅上昇すると ドルは反発。ユーロ・ドルは今月17日以来のユーロ高値となる

1.3275ドルから反落し、ドル・円も82円台を回復した。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場 調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、米指標は予想外に弱か ったが、米国株は上がっており、年末に向けての持ち高調整などの影響 が大きく、「きのうの動きだけではなかなかトレンドはつかみにくい」 と話していた。

こうしたなか、米財務省は29日に290億ドルの7年債入札を行う。 尾河氏は、「短期的な波乱要因」として注意は必要とした上で、「1月 に入れば重要指標が出てくるので、米長期金利などの動きも多少決まっ てくるだろう」と指摘。「過剰流動性相場で株が上がり、資産効果で米 景気に対する期待が高まって米金利が上がり、それに経済指標さえつい てくれば、良い形で米金利上昇・ドル・円も上昇ということになるだろ うが、今はまだ見極めにくい環境だ」と語った。

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