日本株は反発、業績改善でその他金融株高い-資源や輸出も

東京株式相場は反発。利息返還請 求に備えた引当金積み増しの一巡で、3-11月に連結最終黒字に浮上 したイオンクレジットサービスなどその他金融株が買われた。国際商品 市況の上昇を好感し、石油や非鉄金属など資源関連株の一角も高い。前 日の海外時間に進んだ円高がやや一服し、ファナックやトヨタ自動車な ど一部輸出株は持ち直した。

日経平均株価の終値は前日比51円91銭(0.5%)高の1万344円 54銭、TOPIXは同5.18ポイント(0.6%)高の908.01。東証1部 の売買高は概算で13億859万株。売買代金は8524億円と4日連続の1 兆円割れ。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行役 員によると、「年末を迎え、リバランスにより債券から株式に資金が向 かう動きがある一方、今後の円高進行を警戒した売りも散発的に出てい た」という。相場全体がじわじわ底上げされており、「日本株の出遅れ に着目した買いの流れが底流にある」との見方を示していた。

年初から12月28日までの日米欧の主要株価指数の騰落率(現地通 貨建て)を見ると、米ダウ工業株30種平均が11%高、ストックス欧州 600指数が10%高となっているのに対し、日経平均は2.4%安にとどま る。

この日の日本株は、朝方こそ売りが先行したものの、年末接近で市 場参加者が少なくなり、下値を売り込む動きも見られなかった。午前取 引中ごろから日経平均、TOPIXともにプラス圏へ浮上、「原油など 商品相場は上げており、過剰流動性による金余り状況の下、リスク資産 への資金流入は続いていることが確認できる」と、日興コーディアル証 券エクイティ部の西広市部長は言う。

上昇率1位はその他金融

こうした中、東証業種別33指数の上昇率1位は、2.2%高のその他 金融だった。利息返還請求に備えた引当金の積み増しが一巡し、3-11 月の連結純損益が60億円の黒字(前年同期は40億円の赤字)に転換し たイオンクレジットサービスが4.6%高と、買いを集めたことが影響し た。連想買いでプロミス、アコム、クレディセゾンも3%超上げ、消費 者金融、カード会社銘柄も高い。

28日のニューヨーク原油先物相場は、前日比0.5%高の1バレル=

91.49ドルで終了。米原油在庫の月間の減少幅が2006年12月以来の最 大になるとの予想などが買い手掛かりとなった。金や銅先物も高く、市 況高の収益への好影響を見込む買いが入り、昭和シェル石油、コスモ石 油、DOWAホールディングス、住友金属鉱山など資源関連株も高い。

東京時間に円高やや一服、個人買いもプラス

米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が28日発表した10 月のS&Pケース・シラー住宅価格指数や、米民間調査機関のコンファ レンス・ボードによる12月の消費者信頼感指数がエコノミスト予想を 下回ったほか、前日の海外為替市場では一時1ドル=81円82銭と、円 が対ドルで6週ぶり高値水準まで買われたため、自動車や電機など輸出 関連株は収益懸念から総じて下げて始まった。

しかし、29日の東京外国為替市場では1ドル=82円台前半と円高 がやや一服したことから、ファナックやトヨタ、京セラ、テルモなど輸 出株の多くは上昇して終えた。

みずほインベスターズ証券の稲泉雄朗エクイティ情報部長は、 「『円高アレルギー』は根強いものの、今秋の急激な円高進行を経て、 輸出企業の為替対策が進んでいる」と指摘。輸出株を慌てて売り込む動 きが出ていないところから、現状の為替水準であれば、打撃は小さいと の認識が投資家の間で広がりつつあるようだ、と話していた。

「投資余力が戻ってきた個人投資家による押し目買い」がプラスに 働いた、と見ていたのは東洋証券の檜和田浩昭ストラテジスト。信用取 引で株式を買った投資家の含み損益の度合いを示す信用評価損益率は、 17日申し込み時点でマイナス8%と、4月30日(マイナス5.1%)以 来、約7カ月半ぶりの水準まで回復。また、前週末24日時点の信用買 い残 (制度信用と一般信用の合計)は東京・大阪・名古屋の3市場の 1・2部合計で2週連続増加。増加額は418億円と約4カ月ぶりの多さ だった。

「評価損益の改善した個人がようやく、相場の下落局面に信用取引 で買い向かう意欲を取り戻してきた」と日興コーデの西氏は見ている。

日立や高岳製高い、NTT安い

個別では、総額1兆円の事業規模の英国高速鉄道プロジェクトで、 年明けにも新型車両を納入する受注契約を結ぶ見通しと29日付の産経 新聞朝刊が報じた日立製作所が年初来高値を更新。米政府の電気自動車 (EV)走行実験に日本の充電器の統一規格が採用されたと29日付の 読売新聞朝刊が伝えたことから、高岳製作所が急伸。自社企画商品の好 調で、3-11月の連結営業利益が前年同期比7.6%増となったしまむら も高い。

半面、11年4月をめどに光ファイバーサービス料金を最大4割近 く引き下げ、他社に光回線を貸し出す際の接続料も今後3年で25%下 げる方向で調整に入った、と29日付の日本経済新聞朝刊で伝えられた NTTが利益圧迫懸念で4日続落。ゴールドマン・サックス証券が目標 株価を引き下げたJフロントリテイリングも安い。サンシティ、ハマキ ョウレックス、マクロミルが東証1部の値下がり率上位に入った。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.3%高の52.29、東 証マザーズ指数は0.1%安の434.41と高安まちまち。イワキが完全子 会社化するメルテックスがストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)。今 期(11年2月期)決算で初の配当を出すと発表したトライステージも 大幅高。半面、アクロディア、日本風力開発、ユビキタス、アズジェン トが安い。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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