【今日のチャート】レアアース、GDP成長率のカギ握る

中国からの一時輸入停止で浮き彫り になったレアアース(希土類)問題は、チャート分析の観点からも今後 の日本経済の成長を占う上で無視できない要因となっている。

今日のチャートは、日本が中国に9割を依存しているレアアースの 輸入量と国内総生産(GDP)の推移を示している。チャートは製造業 国の日本にとって、レアアースがいかに重要かを「如実に示している」 と外交・安全保障や資源エネルギーを専門とする東京財団の平沼光研究 員は語る。

レアアースは、ハードディスクドライブ(HDD)用ガラス基板や 液晶ガラス向け研磨剤、ハイブリッド車のモーター用磁石、デジタルカ メラの光学レンズなどを製造するのに不可欠な材料。レアアースを扱う 商社、双日の予測によると、2011年の世界需要11万3600トンのうち、日 本は3万2000トンと約3割を占め世界最大の消費国となっている。

平沼氏は「今後電気自動車の普及に伴いレアアースの使用量はケタ 違いに増えてくる」と指摘。必要量を安定調達できなければ、企業の製 造拠点はレアアースのある中国など「海外に出ていかざるを得ない」と 国内産業の空洞化の進展を懸念する。

レアアース世界生産の9割を占める中国は28日、11年第1弾のレア アース輸出許可枠を今年に比べて35%引き下げると発表した。財務省の 貿易統計によると、日本の中国からのレアアースの輸入量の割合は1999 年には77%だったが、08年には91%となっている。

中国以外のレアアースの調達先を求めて、双日は豪州から、住友商 事は米国から資源確保の段取りを整えつつあるが、重希土と分類され電 気自動車などのモーターに使用されるジスプロシウムは中国に採算性の 高い鉱山が偏在しているのが現状だ。

米モリコープは15年の世界需要が20万5000トンと10年比で64%拡大 すると予測。今後も安定供給の重要性が一層高まる見通しだ。平沼氏は 米国はレアアース問題を国家安全保障会議(NSC)が担当していると して、「日本も国家レベルでの戦略が必要になる」と指摘している。

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