中国よりインド、キャッシュフローに注目-英アバディーンの投資戦略

英資産運用会社、アバディーン・ アセット・マネジメントで最高投資責任者(CIO)として世界中の 資産2800億ドル(約23兆円)強の運用に携わるアン・リチャーズ 氏は、中国の台頭といった大きなトレンドだけに焦点を絞るのは、米 英など先進国市場での好機を見逃すことを意味するかもしれないと語 る。ブルームバーグ・マーケッツ誌(2011年2月号)が伝える。

リチャーズ氏(46)は「われわれは大きなマクロ経済のテーマを 試し、それに投資することはしない」と話す。その代わり、特に世界 的な銘柄選定については、各地に配されたアバディーンのスタッフに よる基本的な企業調査を中心に、より地に足の着いたアプローチを重 視するという。アバディーンが今年9月30日時点で保有する株式は 1130億ドル余りと、同社最大の投資対象となっている。

同氏は投資判断について、その多くは「企業から聞き取ったこと に徹底的に基づいている」と説明する。世界の大手企業の多くが今発 しているメッセージは、その地域にかかわらず、予想より若干速いペ ースで事業の改善が進んでいるということだそうだ。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、北米の四半期企業利 益は今月27日現在、予想を約6%上回っている。アジア太平洋地域 の先進国では10%上回る。

リチャーズ氏は好調の理由を、08年の信用危機の際に世界中の多 くの企業がコスト削減と効率化で対応したことを挙げ、「受注が戻り 始める中で、こうした流れが極めて速いペースで最終利益にまで達し ている」と述べる。

ボーダフォン、TSMC

リチャーズ氏によれば、アバディーンの投資マネジャーは投資銘 柄選定で2段階のプロセスを踏む。その会社の製品と、それがどのよ うに利益につながるかを理解することから始め、質でふるいにかける。 さらに、その会社の法的・企業構造、経営陣、財務データを調べる。

同氏は、アバディーンが英携帯電話サービスのボーダフォン・グ ループや半導体ファウンドリー(受託生産)の台湾積体電路製造(T SMC)などキャッシュを生み出し、バランスシート上の資産がしっ かりしている企業を好むと話す。

アバディーンは世界的な投資家として、質で企業を選別する際、 株主を守る法の力についても考慮する。これが、すべての条件が同じ だとして、同社が伝統的に中国よりインドを好んできた理由の1つだ。 リチャーズ氏は「面白い対比だ。われわれは両国のエネルギー、活気 を愛してやまない。だが、中国ではまだ極めて強く中央の意向が働く」 と語る。

中国に比べインドは束縛が少なく、規制上の保護と少数株主の権 利がより強いという。アバディーンが投資しているのは香港に拠点を 置く企業で、その多くが中国本土の企業に投資しているのだそうだ。

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