生産上昇も失業率は依然高止まり、物価も下落続く-11月国内経済指標

11月の日本の鉱工業生産指数は6 カ月ぶりにプラスに転じた上に、先行きも上昇が見込まれ、今年6月 からの生産減少に底入れの兆しが出ている。一方で失業率は5.1%と 前月から横ばい、消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)は21 カ月連続で下落した。

経済産業省が28日発表した鉱工業指数速報(季節調整済み、2005 年=100)によると、生産指数は前月比1.0%上昇の91.8。前年同月比 は5.8%上昇だった。ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ

0.9%上昇、5.5%上昇だった。前月比予想の幅は0.1%上昇から2.0% 上昇。先行きの生産動向をみる上で重要な製造工業生産予測指数は12 月に前月比3.4%上昇、1月に同3.7%上昇が見込まれている。

海江田万里経済財政担当相は同日午前の閣議後会見で、11月の鉱 工業生産が6カ月ぶりにプラスとなったことについて、輸出と生産が 「少し回復してきた」との見方を示すとともに、「足踏みの状態があ まり長く続くことは決して良いことではない。一日も早く景気回復を 期待する」と語った。

生産は10月が当面の底か

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二 所長はブルームバーグ・ニュースに対し、「10月が当面の生産の底だ ったことはほぼ間違いない」と述べた上で、「1-3月期はプラスに なることはほぼ確実だ」と語った。また、4-6月期はエコポイント 終了に伴う影響が出るものの、当初想定していたほど大きな鈍化には ならないだろうとの見方を示した。

経産省は11月の基調について「生産は弱含みで推移している」 と前月の判断を据え置いた。政府は12月の月例経済報告で「景気は このところ足踏み状態となっている」との基調判断を維持した。生産 と関連が深い輸出については「緩やかに減少している」と判断を下方 修正していた。

内閣府の資料によると、9月初旬にエコカー購入補助金が終了し たことに伴い、同月の新車販売台数(登録車)は前月比29.9%減少し、 10月も同21.0%減少したが、11月は同2.0%減とマイナス幅が縮小。 一方、12月から家電エコポイントが半減される前の駆け込み需要で、 テレビの販売金額は11月に前年比288.9%、エアコンは176.9%、冷 蔵庫は同116.2%それぞれ大幅増加した。ただ、12月以降は反動減が 予想される。

有効求人倍率は改善続く

一方、総務省が28日発表した労働力調査によると、11月の完全 失業率(季節調整済み)は前月から横ばいの5.1%だった。男性が5.4 %、女性が4.7%。厚生労働省が発表した11月の有効求人倍率(季節 調整値)は0.57倍と前月を0.01ポイント上回った。7カ月連続の改 善。ブルームバーグ・ニュースよるエコノミスト調査の予想中央値は、 完全失業率が5.1%、有効求人倍率は0.57倍だった。

完全失業者数は318万人と前年同月から13万人減少。求職理由で は、倒産やリストラなどの「勤め先都合」が同25万人減、「新たに収 入が必要」が同7万人増、「自己都合」は同2万人増えた。就業者は 同8万人減の6252万人となった。

11月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は28万4212 円で、前年同月比0.4%減となった。ブルームバーグ調査の予測中央 値は同0.3%増。季節調整済み前月比では1.0%増加だった。

物価は下落が続いている。総務省の発表によると、11月の全国の コアCPIは前年同月比0.5%低下し、2009年3月以来、21カ月連続 で前年比マイナスとなった。12月の東京都区部のコアCPIは同

0.4%低下だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は 全国が0.6%低下、東京は0.4%低下だった。

デフレ脱却時期

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「CPIの下落幅が縮 小するペースは緩慢」として、デフレ脱却は「12年初め」と予想する が、来年夏の基準年改定により前年比が「下方修正される可能性が極 めて高い」ため、「さらに1年程度後ずれする可能性がある」とみる。

CPI総合指数は11月の全国が前年同月比0.1%上昇、12月の東 京都区部は0.2%低下だった。前月はいずれも0.2%上昇だった。変動 の大きな食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コアCPI」 は、11月の全国が0.9%低下、12月の東京都区部は0.5%低下だった。 前月はそれぞれ0.8%低下、0.6%低下。

--取材協力 伊藤亜輝 Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka

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