日銀オペで札割れ発生、大量資金供給で-債券市場の安定維持の見方

28日の短期金融市場では、日本銀 行の資金供給オペで応札額が通知額を下回る札割れが発生した。年末 に向けて例年を上回る大量の資金供給が実施されているためだ。今月 の債券市場で金利が急上昇(相場は急落)したため、市場安定に配慮 した金融調節が続けられているとの見方も出ている。

午後1時に実施された全店共通担保オペ8000億円(12月30日- 1月26日)は応札額が5984億円にとどまり、全額が落札された。札 割れの発生は、5月のギリシャ危機に伴う緊急の即日オペを除くと、 2月2日以来、約11カ月ぶり。落札金利は下限の0.10%。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「短期市場の取引は極めて 落ち着いており、きょうは必要ないと思ったが、駄目押しのオペが入 った。背景には今月の金利上昇があるとみられ、債券市場を落ち着か せたいという思いが強いのではないか」と指摘した。

この日の当座預金残高は22兆円程度。20日に9カ月ぶりの高水 準となる23兆円まで拡大されて以降、昨年末(20.3兆円)を上回る 水準が続いており、年内は22兆-23兆円程度が維持される見込み。 セントラル短資の金武氏は、「年末とは言え、20兆円以上が続くのは 異例の調節だ」という。

無担保コール翌日物は、24日の加重平均金利が0.079%と、約4 年5カ月ぶりの低水準を記録した。レポ(現金担保付債券貸借)取引 では、年末をまたぐ翌日物(12月30日-1月4日)が0.10%と、準 備預金の付利金利と同じ実質的な下限付近で取引されている。

今月のTB利回り上昇

10、11月の市場ではレポ金利の上振れが続き、金融緩和下で資金 供給オペの不足が指摘されていた。その後、日米の長期金利が上昇し、 短期ゾーンでも3カ月物から1年物の国庫短期証券(TB)や2年債 が昨年12月の金融緩和前の水準まで利回りが上昇したため、日銀は供 給オペを拡大した。

国内証券のディーラーは、1年以下のTBでさえ金利が急上昇し て大きな損失を被る参加者が増えたため、政府・日銀の当局者も危機 感が高まったのではないかと指摘。大量発行が続くTBを安定的に消 化していくためには日銀の潤沢供給が不可欠だと話す。

日銀は13日以降、資産買入基金のTB買い入れ1500億円とTB 買い切りオペ3000億円を毎週実施している。基金の買い入れでは残存 期間6カ月以上の長めのTBが対象になっている。

セントラル短資の金武氏は、「年明け以降も日銀の潤沢な資金供給 が続くか見極める必要がある」と指摘する。準備預金の積みの進ちょ く率かい離幅がプラス11%台まで拡大するなど、銀行に過度の資金が 積み上がっているため、供給額を縮小する可能性がある。

日銀の白川方明総裁は21日の定例会見で、「米国経済の先行きに 対する悲観論や米金融緩和期待の後退により、米国の長期金利が上昇 する中、各国の長期金利がこれにつれて上昇したと理解している」と 述べた。

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