ドル全面安、対ユーロ中心に売り先行-対円で3週間ぶり安値更新

東京外国為替市場ではドルが全 面安となり、対円では3週間ぶり安値を更新した。年末が近づき、市場 の流動性が一段と低下するなか、対ユーロを中心にドルの買い持ち高を 手じまう動きが優勢となった。

ドル・円相場は1ドル=82円85銭付近から一時、今月7日以来 の水準となる82円39銭までドル安が進行。野田佳彦財務相は28日午 前の閣議後会見で、為替相場がここ数日1つの方向に偏ってきていると し、年末年始を通じてその動向を注視すると語った。

野村証券金融市場部のエグゼクティブ・ディレクター、高松弘一氏 は、ドルの下落について「年末に向けたポジションのアンワインド(解 消)というのが1番で、対ユーロでのドル売りが他通貨にも波及した」 と解説。目先も、米国債の入札や米経済指標の発表など材料はあるが、 「クリスマスが明けたとはいえ、流動性が潤沢になっているわけではな く、近くにあるストップ(損失を限定するための売買注文)などを追い かけて相場が動いてしまう可能性の方が高い」と語った。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3160ドル付近から一時、今月 17日以来の水準となる1.3255ドルまでユーロ高・ドル安が進行。高 松氏によると、「ユーロ圏に対するネガティブな話がたくさんあり、ポ ジションがユーロ・ショート(売り持ち)に傾いていたところ、ポジシ ョン調整となり、流動性が薄いなか、ストップ(損失限定目的のユーロ 買い注文)をつけやすい地合いだった」という。

米指標と米債入札

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によると、 28日発表の全米20都市対象とする10月のスタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比0.2%低 下と、前年比としては1月以来の低下が見込まれている。

一方、米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表する12月の 消費者信頼感指数は7カ月ぶりの高水準となったもようだ。

また、この日は米5年債の入札が行われる。27日の米国市場では 米2年債入札の需要が3カ月ぶりの高水準となったことを背景に米債利 回りが低下。クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤 裕司氏は、「クリスマスも終わり、そろそろ金利との相関も戻ってくる 。きょうは米5年債の入札に注目したい」と話していた。

ポジション調整

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、12月21日時点の ユーロ・ドル先物取引の非商業部門のユーロポジションは5週連続の売 り越しとなり、売り越し幅は前週の1万304枚から1万4093枚へ拡 大した。

ユーロ・ドルは先週、欧州重債務国の格下げ懸念を背景に一時、約 3週間ぶりの水準となる1.3055ドルまでユーロ安・ドル高が進んでい た。

野村証の高松氏は、この日のユーロ上昇について、「豪ドルが対円 相場も含めて堅調な動きをしており、豪ドルの対ドル相場の動きに多少 つられた感じもある」と指摘。その上で、ユーロの上値には「もう少し ストップがあるようだ」といい、目先は引き続き「ポジション調整が優 先される相場」になると予想した。

野田財務相は会見で、今年9月に6年半ぶりの円売り・ドル買いの 為替介入に踏み切ったことについて、「ぎりぎりの政治判断だった」と 述べた上で、「評価はいろいろあるかと思うが、介入をしなかった場合 は、もっと厳しい状態が起こったと、間違いなく思う」と振り返った。

また、足元で再び82円台で推移している円相場に対しては、「市 場の動向は注意深く年末年始も見ていきたい」とし、「過度な変動があ る場合には、断固たる措置を取るという姿勢に変わりはない」と強調し た。

ユーロ・円相場はユーロ・ドル相場につられる形で一時、3営業日 ぶりの水準となる1ユーロ=109円52銭までユーロ高が進行。しかし、 対ドルで円がじりじりと上げ幅を拡大するなか、午後には早朝の水準で ある109円ちょうど前後まで値を戻した。

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