債券は上昇、先物が3週間ぶり高値圏-米長期金利低下や国内株安受け

債券相場は上昇。米国の長期金利 が低下したことや国内株安が材料視され、先物3月物は午後には3週 間ぶり高値圏で取引された。現物市場でも中期から超長期ゾーンで買 いが膨らんで、10年債利回りは22日以来の低い水準を付けた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米国の金利 上昇が一段落したことで、国内債市場でも金利高が加速した反動が広 がっていると指摘。とりわけ先物には現物債のヘッジも含めて売り持 ち高を減らす動きが優勢だとの見方も示した。

東京先物市場の中心限月の3月物は、前日比10銭高い139円95 銭で始まり、直後に買いが先行すると140円10銭まで上昇した。その 後いったんは139円90銭まで上昇幅を縮めたが、午後に入ると再び買 いが膨らんでじり高に推移して、一時は7日以来の高値となる140円 28銭を記録。結局は36銭高の140円21銭で取引を終えた。

きのうの米国債市場で長期金利が低下したことを受けて買いが先 行したほか、日経平均株価が小幅反落したことも支えとなった。また、 外国為替相場が米国の金利上昇局面でもドル高・円安が進まなかった ため、岡三アセットマネジメントの山田氏は、「年始にかけて為替が円 高方向に振れるリスクも勘案して、債券先物を買い戻しておこうとの 動きにつながったのではないか」とも話した。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは年末年始の金利先高観測が弱まったとした上で、「3月物は15 日の日中安値から2円以上も上昇する中、海外ファンドの買い戻しや 国内投資家のヘッジ売りを解消する動きが強まった」と言う。

27日の米国債市場では2年債は同日の入札実施もあって売りが 優勢となる場面があったが、10年債利回りは3.4%台前半まで上昇後 に水準を切り下げる展開となり、結局は6ベーシスポイント(bp)低 い3.33%付近で引けた。

10年債利回りは一時1.13%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、前日比2bp低い1.145%で開始。直後に1.14%を付けた後は売ら れて、午後の取引開始後には横ばいの1.165%まで戻したが、その後 に再び買いが優勢となると一時は1.13%と22日以来の低水準を付け た。午後4時46分現在では3bp低い1.135%で推移している。

前日午後には10年超の年限で売りが優勢となったものの、この日 は米長期金利の低下や国内株安などが支えとなって新発10年債利回 りは1.1%台前半まで水準を切り下げた。

もっとも、大方の投資家が年内の取引を終えているほか、1月6 日には10年債入札実施を控えており、短期的には方向感の乏しい展開 が続く見通しだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鹿野達史シ ニアエコノミストは、米国の金利動向の影響を受けて国内債も買われ たが、「季節要因からは追随的に動く向きが少なく、結局は、年末年始 はもみ合いが続く可能性が高い」との見方も示した。

中期や超長期ゾーンも午後の取引で買われた。5年物の93回債は 午前には前日比横ばいの0.465%に戻したものの、午後に入ると2bp 低下の0.445%を付けた。新発2年債利回りも午後に0.5bp低い0.20% に下げている。一方、20年物の123回債は3bp低い1.89%、30年物 の33回債は4bp低下の2.04%となっている。

鉱工業生産には明るさも

国内景気に関しては雇用や物価は今ひとつの状況だが、鉱工業生 産指数はプラスに転じるなど明るさがうかがえた。

朝方に発表された月次ベースの景気指標によると、11月の鉱工業 生産指数は前月比1.0%上昇となった。ブルームバーグ・ニュースが 調査した事前予想の同0.9%上昇とほぼ同水準ながらも、6カ月ぶり にプラスに転じた。一方、全国消費者物価指数は生鮮食品を除くコア CPIが前年同月比0.5%低下して、市場の事前予想である同0.6%低 下よりやや改善しており、失業率は市場予想と同じ5.1%だった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証の鹿野氏は、年末年始の長期 金利はこれまで上昇した反動もあって落ち着くとみているが、いずれ 強めのファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が意識されるとみ ており、来年1-3月期に金利水準が切り上がることも考えられると 話した。今後の生産動向をみる上で重要な製造工業生産予測指数は12 月に前月比3.4%上昇、1月は同3.7%上昇が示された。

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