12月28日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルは対資源国通貨で下落-対円一時81.82円

ニューヨーク外国為替市場では、米ドルがオーストラリア・ドル とニュージーランド・ドル、カナダ・ドルに対して下落。商品相場の 上昇で資源輸出国の通貨に対する需要が高まった。

米ドルは対円で6週ぶり安値に下落。米国の各種経済統計が予想 以上に弱い経済成長を示しており、連邦準備制度理事会(FRB)が 低金利政策を続けるとの観測が広がった。カナダ・ドルは対米ドルで 11月11日以来初のパリティー(等価)をつけた。スイス・フラン は対ドルで最高値を記録。欧州のソブリン債危機を懸念し、ユーロの 代替通貨が求められていることが背景にある。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査担 当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は、「商 品相場の上昇で、一部の市場関係者はニュージーランドが最悪局面を 乗り越えたとみている」と指摘、「資源国通貨がこれほど上昇してい るのは、好調な商品市場が理由だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、ドルは対オーストラリア・ ドルで0.5%下落して、1豪ドル=1.0093ドル。前日は1.0046 ドルだった。対ニュージーランド・ドルでは1.1%安の1NZドル =75.83米セント。対カナダ・ドルでは0.7%下げて1ドル=

99.98カナダ・セント。カナダ・ドルは一時99.76カナダ・セン トと、4月26日以来の高値に上げた。

ドルは対ユーロで0.4%上昇の1ユーロ=1.3119ドル。一時 は同1.3275ドルと、17日以来の安値をつける場面もあった。ド ルは対円で一時1.2%下げて1ドル=81円82銭。11月12日以 来の安値だった。

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は

0.7%上昇。ニューヨークの金先物相場も大幅上昇した。

ユーロが上げを消す

ユーロは対ドルでの上げを消した。欧州中央銀行(ECB)が、 国債購入を完全不胎化することができなかったことを明らかにしたの が嫌気された。5月の購入開始以来で2回目となる。

ECBによると、この日の7日物預金入札による吸収額は目標の 735億ユーロを約130億ユーロ下回った。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、「完全に不胎化できなけ れば、それこそ量的な緩和だ。ユーロにとって悪材料だ」と述べた。

米国の経済統計

全米20都市を対象にした10月の米スタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で

0.8%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想 中央値は0.2%の低下だった。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した12月の消 費者信頼感指数は52.5に低下。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の最も悲観的な数値も下回った。

統計では米国の不動産価格の下落が示されているが、今週発表予 定の経済統計では、米雇用の改善がみられると予想されている。ブル ームバーグ・ニュースがアナリストを対象にまとめた調査で明らかに なった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は、「米国経済の根本的な 筋書きは前向きであり、明るい方向に進んでいる」と語る。

◎米国株:上昇、原油・金属の値上がりで商品株が高い

米株式相場は上昇。世界的な需要増加の兆候からエネルギーや金 属が値上がりしたことで、商品株が買い進まれた。S&P500種株 価指数は、12月の上げとしては1991年以降で最大となっている。

S&P500種のエネルギー・資源株指数は主要10業種中で最 大の上げとなった。シェブロンやニューモント・マイニングが高い。 ゼネラル・モーターズ(GM)も上昇。JPモルガン・チェースやモ ルガン・スタンレーのアナリストによる買い推奨が好感された。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1258.51。一時は もみ合う展開となった。月初からは6.6%上昇している。ダウ工業 株30種平均は20.51ドル(0.2%)上げて11575.54ドルと、 2008年8月28日以来の高値。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は、「ポートフォリオマネジャーらは 年末のこの時期に、株式の比重を非常に軽くし債券を重くするという 戦略は取りたくないと考えている」と指摘。「年末の時点での成績は、 株式が債券を上回る見通しだ。だから株が買われ、債券が売られてい る」と続けた。

S&P500種は年初から13%高となり、米リーマン・ブラザー ズ・ホールディングスが破綻する直前の営業日である08年9月12 日の終値1251.70を上回っている。

量的緩和

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が8月27日、 景気押し上げのための国債購入プログラム拡大を示唆して以降、S& P500種は20%上昇。S&Pの指数担当シニアアナリスト、ハワー ド・シルバーブラット氏によれば、同指数は過去17週間で14%上 昇している。

この日発表された小売売上高や消費者信頼感指数、住宅価格指数 がまちまちの内容だったことから、主要株価指数は一時もみ合う展開 となった。

全ての支払い方法による小売売上高を調査している米マスターカ ード・アドバイザーズの調査会社スペンディングパルスによれば、 11月5日から12月24日までの小売売上高(自動車を除く)は前 年同期比5.5%増の5840億ドル(約47兆8400億円)となった。 一方で米民間調査機関のコンファレンス・ボードが28日発表した 12月の消費者信頼感指数は52.5と、前月の54.3(速報値54.1) から低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の最も悲観的 な数値も下回った。

商品株

S&P500種のエネルギー・資源株指数は主要10業種中で最 大の上げ。一方、最も下げたのは消費株だった。

米2位のエネルギー会社シェブロンは1.2%高の91.19ドル。 ニューヨーク原油相場は、米原油在庫の月間の減少幅が2006年12 月以降で最大になるとの予想を手掛かりに、2年2カ月ぶりの高値付 近で取引された。米産金最大手のニューモント・マイニングは

2.4%上昇の61.55ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX) COMEX部門の金先物2月限は前日比22.70ドル(1.6%)高の 1オンス=1405.60ドルで終了した。

GMは2.1%高の35.32ドル。JPモルガンとバークレイズ、 モルガン・スタンレーは、GM株の投資判断を「オーバーウエイト」 で新規に開始。クレディ・スイス・グループおよびRBCキャピタ ル・マーケッツも「アウトパフォーム」で新たに投資判断を開始した。 シティグループとバンク・オブ・アメリカは新たに「買い」推奨を出 している。

◎米国債:下落、5年債入札が不調-需要6カ月ぶりの低さ

米国債相場は下落。10年債利回りは2週間ぶりの大幅な上昇と なった。この日実施された350億ドル規模の5年債入札では、需要 が6カ月ぶりの低水準にとどまった。

償還期限が1年以上の米国債のリターンは月間ベースで、世界の 国債のうちで最大のマイナス幅となる見通しだ。この日の入札では、 落札全体に占めるプライマリーディーラーの割合が5年債の入札とし ては2009年7月以来の最高となった。2年債利回りは6月以来の 高水準を付けた。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェーソン・ローガン氏は、「今回の入札では海外勢がいつも より積極的でなく、プライマリーディーラーの引き受ける部分が多く なってしまった」と指摘。「29日に実施される7年債入札の見通し もあまりよくない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時58分現在、既発の5年債利回りは前日比13ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.15%。同年債(表面利 率1.375%、2015年11月償還)価格は18/32下げて96 13/32。

5年債利回りは16日に2.16%と6月3日以来の高水準となっ た。11月4日には1.0148%の過去最低を記録していた。前日には 好調な2年債入札を受けて、同利回りは3bp低下した。

この日の10年債利回りは一時15bp上昇の3.48%と、日中 としては14日以来の大幅な上げとなった。

2年債利回りは一時11bp上昇の0.75%と、6月16日以来 の高水準。30年債利回りは15bp上昇の4.55%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、12月の米国債のリターン(投資収益率) はマイナス2.1%だった。年初来ではプラス5.7%。月間のパフォ ーマンスとしてはソブリン指数の中で最悪となっている。

5年債入札

この日の5年債入札で、最高落札利回りは2.149%と、11月 23日の入札で付けた1.411%を上回った。同利回りの74bp上昇 は、2003年6月から8月にかけて120bp上昇して以来の大幅な 上げ。財務省は03年8月に5年債の月次入札を開始した。

この日の入札では投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.61 倍と、6月の2.58倍以来の低水準となった。

落札全体に占めるプライマリーディーラーの割合は58.2%と、 09年7月の入札で61.6%となって以来の最高。海外の中央銀行を 含む間接入札の割合は35.6%。11月の入札の同割合は31.5%、 過去10回の入札の平均は42.3%。

BNPパリバの金利ストラテジスト、ロヒト・ガーグ氏は、「入 札は予想よりもはるかに不調だったため、プライマリーディーラーが 通常よりも多くを引き受けなくてはならなかった」と指摘。「年末に かけて、多くの市場参加者はバランスシートにリスクを取り込むこと を非常にためらっている」と述べた。

米国債相場は前日には上昇していた。2年債の入札で、過去3カ 月で最も高い需要があったことが好感された。応札倍率は3.71倍 と、9月27日の入札で付けた3.78倍以来の高水準となった。財 務省は29日に290億ドルの7年債入札を実施する。

世界の債券

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチがまとめた世界の国債指 数は月間ベースで、過去2年間で最長の4カ月連続で低下する見通し だ。経済成長の加速で、来年は株式のパフォーマンスが国債を上回る との観測が背景にある。

同指数は8月末から2.2%低下。ブルームバーグがまとめたデ ータによると、S&P500種株価指数は同期間に20%上昇している。

バークレイズの金利ストラテジー共同責任者、マイケル・ポンド 氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビ ューで、「景気回復は来年に入っても継続し、米失業率は来年末には

8.6%に低下するだろう」と述べた。

◎NY金:上昇,過去7週間で最大の上げ-欧州債務懸念で質への逃避

ニューヨーク金先物相場は大幅上昇。過去7週間で最大の値上が りを記録した。欧州の債務危機が拡大するとの懸念で、安全逃避先と しての金需要が押し上げられた。

フランスの第3四半期(7-9月)経済成長率(確定値)が速報 値から下方修正されたことに反応し、ドイツ国債は4日ぶりに上昇し た。英ポンド建ての金はこの日、過去最高値を更新した。ニューヨー ク金は年初来、28%上昇。今月7日には1オンス当たり1432.50 ドルの最高値に上昇した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)の ヘッドディーラー、フランク・マギー氏は、「欧州の為替市場で動き があった」と述べ、「質への逃避先としてドルや金に資金が流れてい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比22.70ドル(1.6%)高の1オンス=1405.60ド ルで終了した。中心限月としては、11月4日以来で最大の上げだっ た。

◎NY原油:26カ月ぶり高値付近、米小売業者の売上増を好感

ニューヨーク原油先物相場は2年2カ月ぶりの高値付近で取引さ れた。米小売業者の今年の年末商戦の売上高が5年ぶりの高い伸びと なったほか、米原油在庫の月間の減少幅が2006年12月以来の最 大になるとの予想が手掛かり。

米マスターカード・アドバイザーズの調査会社スペンディングパ ルスによれば、11月5日から12月24日までの小売売上高は前年 同期比5.5%増の5840億ドル(約47兆8400億円)。昨年は

4.1%の伸びだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によ ると、原油在庫は過去1年間で最長の4週連続で減少したとみられて いる。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピニ オンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「原油はバレル当 たり90ドル近辺にとどまっており、新年の100ドル突破を意識し ている」と指摘。「需要は上向きつつあり、今後数カ月には一段と増 加するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比49セント(0.54%)高の1バレル=91.49ドルで終了した。 年初からは15%の値上がり。

◎欧州株:小反発、出来高は今年の最低水準付近-アルカテルが高い

欧州株式相場は反発。前日は1カ月ぶりの大幅安となっていた。 ただ、この日の出来高は今年の最低水準付近にとどまっている。

仏通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントは上昇。同社は贈 賄疑惑をめぐる米国の刑事および民事捜査で和解した。オランダの人 材派遣会社ランスタッドも売上高の増加を手がかりに高い。ドイツの 太陽光発電用機器メーカー、ロス・アンド・ラウは下落。同社は今年 の売上高と利益見通しを達成できないと明らかにした。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の279.79で終了。 前日は0.8%下落していた。この日は英国とアイルランドの市場が クリスマスの祝日で引き続き休場。ブルームバーグのデータによると、 ユーロ・ストックス50指数の出来高は約4億3200万株と、今年 の1日平均である13億8000万株を下回った。

ヒポスイス・プライバトバンクのトーマス・スタッキ最高投資責 任者(CIO)は、「今週は出来高が低く、市場参加者も多くないた め、落ち着かない展開になるだろう」と指摘。「市場は1月最初の1、 2週間はかなり上昇し、それ以降は急速に勢いを失うだろう」と述べ た。

アルカテルが高い

アルカテル・ルーセントは1.9%高。コスタリカや台湾、ケニ アでの贈賄疑惑をめぐる捜査で、同社は1億3700万ドル(約110 億円)を支払うことに同意した。

ランスタッドは0.7%高。オランダの人材派遣協会ABUがウ ェブサイトで発表したところによると、同国の人材派遣の売上高は増 加した。

ロス・アンド・ラウは11%安。同社は今年の売上高と利益が予 想に届かないとの見通しを示した。約1250万ユーロの評価損計上 が影響するという。

◎欧州債:独10年債が4日ぶり反発-仏GDP下方修正で安全需要

欧州債市場ではドイツ10年債相場が4営業日ぶりに反発。フラ ンス経済の7-9月(第3四半期)の成長率が速報値から下方修正さ れたことで、安全資産としての独国債の需要が高まった。

フランス国債も上昇。フランス国立統計経済研究所(INSEE) が28日発表した第3四半期の国内総生産(GDP)確定値は前期比

0.3%増と、11月12日公表の速報値(同0.4%増)から引き下げ られた。また米経済指標で住宅価格や消費者信頼感の低下が示された ことで、独国債は堅調に推移した。

HSBCホールディングスのアジア・太平洋金利調査部門責任者 アンドレ・ドシルバ氏(香港在勤)は、「経済情勢から、独国債の利 回りは比較的低い水準にとどまる可能性が高い」と指摘。「ドイツま ずまず好調な状況にあるが、ユーロ圏全体で考えると、経済成長は周 辺国の影響でかなり低迷するだろう」と述べた。

ロンドン時間午後4時29分現在、独10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.99%。同年 債(表面利率2.5%、2021年1月償還)価格は0.37ポイント上 げて95.85。仏10年債利回りは4bp下げて3.35%。

◎英国債市場:英国市場は休場

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