11月の鉱工業生産は6カ月ぶり上昇、先行きもプラス予測

11月の日本の鉱工業生産指数はア ジア向けの自動車や携帯電話などの生産が増加し、6カ月ぶりにプラ スに転じた。上昇率は市場予想を若干上回った。先行きも12月、来年 1月とそれぞれ上昇が見込まれており、今年6月からの生産減少に底 入れの兆しが出ている。

経済産業省が28日発表した鉱工業指数速報(季節調整済み、2005 年=100)によると、生産指数は前月比1.0%上昇の91.8。前年同月比 は5.8%の上昇だった。ブルームバーグ調査の予想中央値は前月比

0.9%上昇、前年同月比5.5%上昇だった。前月比予想の幅は0.1%上 昇から2.0%上昇。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二 所長はブルームバーグ・ニュースに対し、「10月が当面の生産の底だ ったことはほぼ間違いない」と述べた上で、「1-3月期はプラスにな ることはほぼ確実だ」と語った。ただ、4-6月期はエコポイント終 了に伴う影響が出るものの、当初想定していたほど大きな鈍化にはな らないだろうとの見方を示した。

経済産業省は11月の生産の基調について「生産は弱含みで推移し ている」と前月の判断を据え置いた。政府は12月の月例経済報告で「 景気はこのところ足踏み状態となっている」との基調判断を維持した。 生産と関連が深い輸出については「緩やかに減少している」と判断を 下方修正していた。世界的な在庫調整から半導体などの電子部品の日 本からアジア向けの輸出が減少したことがその背景にある。

生産予測指数

11月の出荷指数は前月比2.5%上昇し、在庫指数は同1.7%低下 した。先行きの生産動向をみる上で重要な製造工業生産予測指数は12 月に前月比3.4%上昇、1月に同3.7%上昇が見込まれている。経産省 の試算によると、12月の予測がそのまま実現しても、10月のマイナス が響いて10-12月期は前期比1.6%低下になる。

予測指数を業種別にみると、12月は輸送機械、電子部品・デバイ ス、電気機械などが上昇、1月は輸送機械、一般機械、鉄鋼などが上 昇する見通し。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、「生産の低迷には一 応の歯止めがかかり、再び持ち直し基調が始まりそうな内容となった」 と指摘。一方、①反動減が出ている自動車や家電の不振の終了時期② 中国での引き締め策の影響③住宅市場の改善が進まない米国経済の動 向-などが不透明であり、生産予測指数に通り「すんなりと回復軌道 に戻れるのかどうかは怪しい」との見方を示した。

内閣府の資料によると、9月初旬にエコカー購入補助金が終了し たことに伴い、同月の新車販売台数(登録車)は前月比29.9%減少し、 10月も同21.0%減少したが、11月は同2.0%減とマイナス幅が縮小。 一方、12月から家電エコポイントが半減される前の駆け込み需要で、 テレビの販売金額は11月に前年比288.9%、エアコンは176.9%、冷 蔵庫は同116.2%それぞれ増加し、12月以降は反動減が予想される。

日本総合研究所の菊地秀朗研究員はリポートで、薄型テレビ販売 は、12月には10月と11月の反動減が出るが、地上デジタル放送完全 移行(11年7月)までは例年より高水準が持続するとみている。もっ とも、地デジ移行以後の反動減は深刻で、11年10-12月期の出荷台 数は前年同期比8割減の見込み。生産波及効果が大きいため、同期の 国内生産を年率1.8兆円押し下げると試算する。

12月の貿易統計速報によると、日本の輸出額は前年同月比9.1% 増の5兆4411億円と12カ月連続増加した。また、内閣府が同統計を 基に独自に試算した輸出数量指数(数量ベース)によると、11月は前 月比1.5%増加となった。地域別ではアジア向けが1.1%増のほか、米 国向けは同1.5%増、欧州向けは同12.2%増だった。

-‐Minh Bui Theresa Barraclough  Editor:Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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