11月の消費者物価は0.5%低下-2カ月連続で下落率縮小

(発表内容を追加し、更新します)

【記者:日高 正裕】

12月28日(ブルームバーグ):11月の全国の消費者物価指数(除 く生鮮食品、コアCPI)は2カ月連続で前年比の下落率が縮小した。 前月のたばこ税率引き上げなど特殊要因によりコアCPIの下落は緩 やかになっているものの、プラス転化の展望はまだ見えていない。

総務省が28日発表した11月の全国のコアCPIは前年同月比

0.5%低下と、2009年3月以来21カ月連続で前年比マイナスとなった。 12月の東京都区部コアCPIは同0.4%低下だった。ブルームバー グ・ニュースがまとめた予想中央値は全国が0.6%低下、東京は0.4% 低下。前月はそれぞれ0.6%低下、0.5%低下だった。

10月に税率が引き上げられたたばこはコアCPIを0.28ポイン ト、傷害保険料の値上げは0.15ポイント押し上げており、この影響は 来年9月まで続く。日本銀行は、来年度のコアCPIは前年度比0.1% 上昇するとの見通し(委員の中央値)を示しているが、来年夏に予定 される5年に1度の基準年改定によりCPI前年比は下方修正される 公算が大きく、デフレ脱却はなお遠いとの見方が強い。

CPI総合指数は11月の全国が前年同月比0.1%上昇と、猛暑に よる生鮮食品の値上がりにより2カ月連続でプラスとなった。12月の 東京都区部は0.2%低下だった。前月はいずれも0.2%上昇だった。変 動の大きな食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コアCPI」 は、11月の全国が0.9%低下、12月の東京都区部は0.5%低下だった。 前月はそれぞれ0.8%低下、0.6%低下だった。

日銀の見通しは相当楽観的

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「CPIの下落幅が縮 小するペースは緩慢」として、デフレ脱却は「12年初め」と予想する が、基準年改定により前年比が「下方修正される可能性が極めて高い」 ため、「さらに1年程度後ずれする可能性がある」とみる。

日銀は11年度が前年比0.1%上昇、12年度は0.6%上昇するとの 見通しを示しているが、アールビーエス証券の西岡純子チーフエコノ ミストは「足元の需給ギャップの開きや、既往の円高が輸入物価を押 し下げる効果などを踏まえると、11、12年度ともに相当楽観的とみら れる」と指摘する。

西岡氏はその上で「足元のコアCPIは前年比で順調にマイナス 幅を縮小させているものの、来年8月の基準年変更で再び0.5ポイン ト前後の下方改定が現時点で想定されるほか、景気回復の鈍化を踏ま えると、今後いずれかの段階で日銀の物価見通しが下方改定される可 能性は高い」とみる。

金融政策正常化の道のりは長い

日銀は10月5日の決定会合で、①政策金利を0-0.1%に変更② 物価の安定が展望できるまで実質ゼロ金利政策を継続③指数連動型上 場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)などの金融 資産を買い入れる5兆円の基金創設-の3本柱から成る包括緩和を決 定した。日銀は物価の安定としてCPI前年比2%以下のプラスで、 委員の大勢は1%が中心と考えていることを明らかにしている。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは、来年夏 の基準改定がコアCPI前年比を「前年比ベースで0.4ポイント程度 の押し下げに作用する」と指摘。コアCPIの前年比が「12年度末ま でにプラスに転じる可能性は低い」とした上で、「金融政策正常化の 道のりは長い」としている。

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