スイス・フランは今後も最高値更新か-中銀の選択肢は限定的

スイス国立銀行(SNB、中央 銀行)のヒルデブランド総裁は今年、1年3カ月続けた為替介入を打 ち切ったが、自身が「重荷」と評したスイス・フランの記録的な上昇 は続き、今後も抑えられない可能性がある。

ブルームバーグの集計データによると、オプショントレーダーは 現在、主要通貨の中で円を除くどの通貨よりもスイス・フランの今後 3カ月の見通しに強気になっている。三菱東京UFJ銀行は、半年以 内に7.9%上昇し、1ユーロ=1.17フランに達する可能性があるとみ ている。フランは介入が終了した6月以降の上昇率が主要通貨で最高。 英スタンダード銀行は、1.20フランへの上昇を見込んでいる。

為替トレーダーは、ヒルデブランド総裁はフラン高抑制の取り組 みを再開しない公算が大きいとみている。過去の介入には上昇抑制効 果がなく、スイス企業の輸出競争力は低下し、SNBは1-9月に 220億ドルの為替損失を出した。政策当局は6月21日、デフレリス クの後退により介入の必要はなくなったとの認識を示したが、物価上 昇ペースはそれ以降減速している。

UBSのストラテジスト、ビート・シーゲンターラー氏(チュー リヒ在勤)は「SNBはできることがさほどなく、傍観者にすぎない。 もちろん大きな懸念を抱いてはいるが、選択肢は限られている」と指 摘した。

先週のスイス・フランは1ユーロ=1.2627フランと、前週末比

1.2%上昇で取引を終了。22日には1.2439フランと、過去最高値に 達した。対ドル相場は同0.7%高の1ドル=0.9623フランだった。年 初来騰落率はプラス7.6%。

経済混乱期に避難先通貨となることが多いスイス・フランは今年、 ユーロに対して17%上昇。ギリシャやアイルランド、ポルトガル、ス ペインを巻き込んだ財政危機がユーロ圏の成長を抑制するほか、一部 参加国のユーロ離脱を招く恐れがあるとの懸念が背景にある。

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