日本株は反発、円落ち着き輸出買い-米回復期待で先高観も

東京株式相場は反発。中国の利上 げ発表を受けた為替市場で、円相場が落ち着いた動きとなり、収益懸念 の後退で電機や精密機器など輸出関連業種を中心に上昇。良好な経済指 標の発表が続く米国の景気回復期待を背景とした相場の先高観もあり、 日経平均先物には断続的な買いが入った。

日経平均株価の終値は前週末比76円80銭(0.8%)高の1万355 円99銭、TOPIXは同3.02ポイント(0.3%)高の904.68。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「中国では不動産や物 価の上昇が止まらず、インフレ懸念が強まっている。今後も利上げは、 インフレを抑制しての持続的な経済成長に向けて避けて通れない」と指 摘。その上で、これまでの利上げは景気を傷めないよう段階を踏んで慎 重に行われており、「金融市場では前向きに受け止められている」との 認識を示した。

中国人民銀行(中央銀行)は25日、10月以来約2カ月ぶりに利上 げを実施すると発表した。11月の同国の消費者物価指数(CPI)は 前年同月比5.1%上昇と、2年4カ月ぶりの大幅な上昇だった。26日か ら実施され、0.25%の利上げで1年物貸出金利は5.81%、1年物預金 金利は2.75%となった。

27日の為替市場では1ドル=82円台後半と、前週末とほぼ同水準 で推移。為替の落ち着きを背景に、電機や精密機器、機械、自動車など 輸出関連業種に買いが優勢となった。上海総合株価指数など中国株が、 日本株の取引時間中は上昇していたこともプラス要因。

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、中国の 利上げのよる為替や中国株への影響が警戒されたが、「円高進行とはな らず、中国株も上昇して始まったため、市場センチメントが上向いた」 と指摘。また、いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「高成長期待 でこれまでアジアのエマージング市場に向かっていた資金が、今後は日 本に向かい始める可能性がある」としていた。

海外投資家不在、売買は大発会以来の低調

24日はクリスマスの振替休日で、米国や一部欧州で金融市場が休 場。27日には英国や香港などが休場となり、市場全体の売買シェアで 約6割を占める海外投資家の多くが不在とみられ、国内投資家も様子見 姿勢を強めた。

東証1部の売買高は概算で12億5419万株。売買代金は8320億円 と、1月4日の大発会(7080億円)以来の低水準となった。騰落銘柄 数は値上がり808、値下がり672。野村証の佐藤氏は、薄商いのなか 「先物主導でスルスル上げた」色彩が濃いと指摘していた。

米国では今週、28日に12月のコンファレンスボード消費者信頼感 指数と10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が発表される。消 費者信頼感指数のエコノミスト53人の予想中央値は56.3で、7カ月ぶ りの高水準に改善する見通し。東洋証券情報部の大塚竜太部長は、米国 経済の回復期待を背景に「日本株の先高観は強まり、日経平均は年内最 終週となる今週中に昨年末終値(1万546円)を目指す」とみている。

エルピーダや双信電に買い、VCKWH下げる

個別では、台湾のDRAMメーカー2社と経営統合を視野に資本提 携交渉に入ると25日付の読売新聞が報じたエルピーダメモリが上げ、 2010年12月期の年間配当が120円と前期から10円増える見通しとな ったキヤノンも高い。太陽光や風力の発電装置、鉄道車両に搭載する新 型コンデンサーを来年投入ことが明らかになった双信電機、神奈川県横 浜市に新規マンション分譲目的の事業用地を取得したフージャースコー ポレーションが東証1部の値上がり率1、2位を占めた。

半面、11年3月末までに傘下の日本ビクター全体で500人規模の 早期退職者を募集すると発表したJVC・ケンウッド・ホールディング スが下落。11年5月期の業績予想を下方修正した山下医科器械も売ら れた。アーク、ハマキョウレックス、四国銀行などが東証1部の下落率 上位に入った。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.6%安の52.09、 東証マザーズ指数は0.1%安の433.54とともに小反落。フリービット やアクロディア、パピレス、インデックスが安い。半面、三菱UFJモ ルガン・スタンレー証券が投資判断を「アウトパフォーム」に上げたオ プトが高く、スタートトゥデイ、日本通信、デジタルガレージも上昇。

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