来年の企業設備投資、中国リスクも足かせに-政策投資銀・鍋山氏

日本政策投資銀行の鍋山徹産業調 査部長は、内需の柱の1つである設備投資は来年、小幅増加にとどま るとの見通しを示した。国内の景気動向が不透明なことに加え、主要 市場の中国経済のバブルをめぐるリスクが1年前と比べ高まっている ことが、企業の設備投資を抑制する可能性があるとしている。

20日にブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。設備 投資の動向について「来年はまだ調整を続ける年であることは、ほぼ 確実だと思う」と指摘。「底割れはなかなか考えにくい」ものの、大き な伸びは期待できないと述べた。

懸念材料として中国経済を挙げ、自動車販売台数が足元で年率 1800万台(1年前1500万台)を超えるとの見通しに関し、「異常値が 出ている」と説明。値上がりした不動産の転売利益を、自動車購入に 充て節税している動きが背景にあるとの見方を示し、「この巻き戻しが 出てくると非常に危険だ」との懸念を示した。

鍋山氏は中国経済について、1年前と比べ「不動産や自動車販売 で明らかに仮需が発生している」とし、「こうした情報を産業界は知っ ているので、設備投資をする際のブレーキになる」と述べた。さらに 足元でじりじり上昇している資源価格も「設備投資をする上で足かせ になる」という。ただ、中国経済は、高成長が持続すれば、不動産バ ブル崩壊を回避する可能性も5割程度あるとの考えを示した。

国内景気にも厳しさ

一方、国内需要については、民主党政権が社会保障制度と消費税 の問題を含めた中長期的な展望を示していない中、「国民が前向きに消 費をしようというマインドにはならない」と強調。足元では政策効果 の反動もあり「内需がさらに緩やかになっている」と指摘した。

日本の国内総生産(GDP)は今年7-9月期に政策効果などで 年率4.5%増と高成長となった。ただ、足元の10-12月期はマイナス 成長に陥るとの見方強く、景気が「踊り場」から脱し、自律的な回復 に向かう姿は描けない。

日本銀行が15日に公表した企業短期経済観測調査(短観、12月 調査)では、10年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比2.9% 増と前回調査(2.4%増)から小幅上方修正にとどまった。

政府は16日の臨時閣議で、実効税率が約40%と世界的にも高水 準にある法人実効税率を5%引き下げることを柱とした2011年度税 制改正大綱を決定。減税分埋め合わせのため、企業欠損金の繰り越し 制度の見直しや、減価償却制度の縮減なども決まった。

鍋山氏は、難しいとの見方もあった5%下げの実現を「産業界と しては好感した」と述べつつも、研究開発減税の廃止などで「5%と 言っても、実際は2、3%前後の実効税率の切り下げだ」と指摘。そ の上で、国内企業の投資促進効果については「見極めにくい状況だ」 と述べた。一方、対日投資に関心ある外国企業にとっては「5%下げ るというメッセージ性は大きい」と評価した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE