10年のToSTNet売買高は過去最高へ、ダークプールと結び増勢

2010年に東京証券取引所の立会外 取引(ToSTNeT)で行われた売買高の合計が、1998年の市場開 設以来の過去最高を記録する見通しとなった。3月から、国内外機関投 資家が活用するダークプールとの結び付きが深まり、取引手数料の低さ も背景に売買需要を取り込んでいる。

東証が毎月公表している内国株式取引種類別売買高によると、東証 1部のToSTNeT市場の売買高は1-11月累計で361億株と、同 市場開設以来の年間最高である09年の364億株に接近した。東証発表 の日々公表データをブルームバーグがまとめたところ、12月は24日ま でで計約39億株となり、年間ベースでの最高記録更新は確実だ。

ダークプールを運営するリキッドネット・ホールディングスのアジ アマネージングディレクター、リー・ポーター氏は、ToSTNeTの 売買高増加は日本でのダークプール利用拡大を示していると指摘。「ほ とんどの主要なブローカーは日本でダークプールを展開している。日本 のブローカーも同様で、需要があるのは明らかだ」と話した。

売買高増加により、ToSTNeTの売買高が東証の内国株の売買 高に占める割合は11月で約10%と、3月から3ポイント上昇した。東 証株式部・株式総務グループの増田剛統括リーダーも、「シェア拡大は 日本でのダークプールの増加を示唆している」としたうえで、3月4日 の金融庁のPTS(私設電子取引システム)に関する監督指針の一部改 正が影響していると指摘する。

法改正がToSTNeTの利用後押し

増田氏によると、改正により、相対取引や証券会社が自社内の売り 注文と買い注文を付け合わせる「ダークプール」は、PTSとしての認 可を受けるかToSTNeTを利用しなくてはならなくなり、多くの外 資系のダークプールがToSTNeTを利用するようになった。

日本では、大和証券キャピタル・マーケッツなど大手国内証券のほ か、クレディ・スイス証券、シティグループ証券など外資系証券がダー クプールを運営している。

大和証CMのグローバル・エクイティ・トレーディング部・電子取 引グローバルヘッドのプニト・ミタール氏によると、ダークプールに関 する統計は公式に発表されておらず、ダークプールがどの程度拡大して いるかを推測するのは難しい。ミタール氏は今回の改正について、「取 引が集約されて発表されるので、市場に透明性と効率性を与える点でポ ジティブな動きだ」と評価している。

東証によると、ToSTNeT取引の手数料はオークション取引の 約7分の1。より効率的な売買を求め、国内外機関投資家らの立会外取 引の活用頻度が増している。リキッドネットのポーター氏は、トレーダ ーやトレーダーのニーズがより洗練されたものになるに連れて、執行の 選択肢は広がらなければならず、「ToSTNeTの売買比率は徐々に 高まっていくだろう」と予想する。

アジア太平洋全体で増勢

ダークプールは日本以外でも伸びている。リキッドネットは11月、 同社がアジア太平洋地域で運営する6つのダークプールでの1-10月 の売買代金が113億ドル以上と、09年年間の102億ドルを超えたと発 表した。6地域はオーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シ ンガポール、韓国。ブルームバーグデータによると、この額はこれら地 域の主要取引所で同時期に取引された約7兆5000億ドルの0.2%以下。

東証は、オークション時間外の立会外取引として98年6月にTo STNeT市場を開設。立会市場での円滑執行が困難な大口取引やバス ケット取引などを中心に活用されてきた。取引の高度化・多様化を踏ま え、08年1月から取引時間を拡大した上で立会市場から独立した。

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