東芝:システムLSI再編、先端品の自社製品を外部委託へ

半導体メーカー国内最大手の東芝は 24日、半導体事業の主力のシステムLSI(大規模集積回路)事業を再 編すると発表した。同事業の生産投資の自前主義を方針転換、生産の外 部委託先を複数社に拡大する。自らは設計開発に資源を集中して固定費 を削減するのが狙い。

東芝は、デジタル家電やモバイル機器などの心臓部品であるシステ ムLSIを、自前で設計・開発・生産するビジネスモデルを長年維持し てきた。しかし、多額の資金が必要な生産投資に経営資源を割く余裕が なくなったため、先端製品は、半導体の受託製造を専門に請け負う複数 のファウンドリーに生産を委託することを決めた。

これにより、最大の稼ぎ頭であるNAND型フラッシュメモリーや 成長が見込まれるパワー半導体などに注力する方針を明確化。2011年度 からは、半導体の製造技術で回路線幅が40ナノ(ナノは10億分の1) メートルのプロセスで作る製品も、生産委託の対象とする。国内は岩手 県と大分県にシステムLSIを量産する前工程の工場を持つが、これら を維持しつつ、効率化を進める。

テレビ用LSIとセンサーに注力

半導体事業全体を統括する社内カンパニー「東芝セミコンダクター 社」の小林清志社長は11月下旬のブルームバーグ・ニュースのインタ ビューで、大分工場内の直径300ミリウエハーの生産ラインの能力は月 1万4000枚でこれを維持しつつ、直径150ミリ以下のウエハーのライ ンは効率が悪いとして、「いずれフェイドアウトするだろう」との考え を示していた。

小林氏は損益が不安定なシステムLSI事業について、不採算の製 品群撤退や生産体制見直しなど「事業領域の整理整頓が必要」と指摘。 さらに「IDM(Integrated Device Manufacturer)のビジネスモデル を堅持するという風には考えていない。設計にリソースを集中し、最先 端製品の生産は外に出していく。小さな工場をあちこちに持っているや り方は、もうダメだ」としていた。

東芝は、来年1月1日付でシステムLSI事業を①先端SoC(シ ステム・オン・チップ)を中心とする「ロジックLSI事業部」と②汎 用性の高い製品群の「アナログ・イメージングIC(集積回路)事業 部」の2つに分割・再編する。小林氏によると、10月末には、芝浦の本 社に勤務していたシステムLSI事業の企画、営業推進、設計の要員を 川崎の拠点へ集約するなど実態的には再編に向けた準備を進めていた。

ロジックLSI事業部はテレビ用画像処理LSIなど、アナログ・ イメージングIC事業部ではデジカメ、スマートフォン、タブレットP C(パソコン)などに搭載されるCMOS(相補性金属酸化膜半導体) センサーなどに、それぞれ注力する。10年度のシステムLSI事業全体 の売上高は3700億円を予想している。

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