新日鉄:原料炭の権益確保、モンゴルやロシアに関心

国内最大の鉄鋼メーカー、新日本製 鉄は、鉄鋼原料用石炭(原料炭)の権益確保に向けてモンゴルやロシア の新たな石炭鉱山に関心を寄せている。谷口進一副社長が22日、都内で ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、明らかにした。

谷口氏は、原料炭が、モンゴル南東部のタバントルゴイ炭鉱やロシ アの東シベリアに位置するエリガ炭田などで「良質かつ大量に出てくる」 と指摘し、「そういうところが出てこないと新規供給が増えない」と述 べた。日本は世界最大の石炭輸入国だが、豪州などに大半を依存してい る。

タバントルゴイ炭鉱は、推定埋蔵量65億トンで、世界最大級の石炭 田。開発に向けて来年1月にも国際入札が実施される予定だ。伊藤忠、住 友商事、丸紅、双日の商社4社と韓国勢が企業連合を組むことを検討し ているほか、三井物産も中国の石炭最大手の神華集団と組んで応札を検 討している。一方、エリガ炭田も世界最大規模の年産2000万トンが見込 まれている。

鉄鋼原料は、中国の消費拡大で世界的に需給が引き締まっている。 一方で、鉱山会社側の寡占化が進み、英豪系資源会社のBHPビリトン やリオ・ティント、ブラジルのヴァーレの3大メジャーが価格交渉で影 響力を強めている。

資源会社は従来、製鉄用原料について年1回の年度契約で価格を決 めるベンチマーク方式を基本としてきたが、今年度に入って日本などの 鉄鋼メーカーに対し、四半期ごとの価格改定など、市場価格に連動した 短期契約へと変更している。

来年の鉄鋼主原料は過去最高水準も

UBSは12月17日付のリポートで、2011年1-3月期の鉄鋼主原料 コストについて、「非微粘結炭の価格が決まっていないが、鋼材換算で 26ドル程度の上昇となりそう」と予想。また、「足元の鉄鉱石、原料炭 価格が来年2月まで継続すると、11年4-6月期の鋼材生産コストはト ン49ドル上昇しそう」とし、主原料コストが09年度比でトン当たり233 ドルの上昇となり、過去最高水準に達すると見込んでいる。

新日鉄は、自社が出資する鉱山を増やすなどして原料炭と鉄鉱石の 自山鉱比率を5割まで引き上げる方針を出している。資源会社からの購 入比率を引き下げて、コストを削減するためだ。自山鉱比率は国内鉄鋼 大手の中では最も高いものの、原料炭と鉄鉱石がそれぞれ25%程度と35 %程度にとどまる。

同社は今年10月、モザンビークのテテ州に位置する未開発のレブボ ー炭鉱の開発プロジェクトの権益23.3%分を保有すると発表。12年に採 掘権を取得して開発に着手、遅くとも15年には出炭を開始する計画だ。 同炭鉱の露天掘り可能推定埋蔵量は5億5900万トン。インフラを除く炭 鉱開発投資額5億-6億ドル(410億―490億円程度)の約3分の1を投 じる。

自山鉱比率

また同社は08年10月、JFEスチールや住友金属工業など国内鉄鋼 メーカー4社と、韓国ポスコ、伊藤忠商事の日韓連合で、ブラジル高炉 CSNの鉄鉱石子会社ナミザ社の権益40%(31億2000万ドル相当)を取 得している。谷口氏は3月のインタビューで、新日鉄の鉄鉱石の自山鉱 比率は「ナミザの設備増強が終わる2013年以降は40%を超える」と述べ た。

新日鉄の株価は午後2時29分現在、前営業日変わらずの298円。年 初来では20%の下落。

新日鉄と競合する国内鉄鋼メーカー2位のJFEホールディングス もコスト削減を図るため、自社が出資する鉱山権益の保有率を引き上げ る方針を明らかにしている。09年10月に豪州クイーンズランド州のバイ ヤウェン炭鉱の権益を総額500億円を投じて同年年末までに取得すると 発表した。

グループ傘下のJFEスチールの林田英治社長は、今年5月のブル ームバーグ・ニュースとの取材で、保有率について、「2013年までには それぞれ30%程度を確保したいと述べ、「投資資金は1000億円から2000 億円かかるだろう」との見方を示した。林田氏によると、5月時点の保 有率はそれぞれ15-16%だった。

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