日東電工社長:11年度設備投資、5期ぶり増額へ-環境など新分野注力

総合部材メーカー日東電工の来期の 設備投資額は5年ぶりに前年を上回る見通しだ。これまで業績をけん引 してきた液晶パネル用部材の価格下落が進むなか、タッチパネルやリチ ウム電池用など成長が見込める分野に集中投資し、新たな事業体制の構 築を図る。

柳楽幸雄社長は22日、大阪市内の本社でのインタビューで、設備 投資について来年度は今期より「さらにいくと思う」と5年ぶりに前年 比で増額させる考えを明らかにした。具体的な投資額は明らかにしなか った。

同社は2006年度に過去10年間で最大の753億円の設備投資を行っ たあと、リーマンショックの影響を受けた09年度は371億円に急減。「攻 める年」と位置付けていた10年度も、結局360億円にとどまる見通し。 来期は攻めの経営に転じ、設備投資額は5年ぶりに前年実績を上回る見 通しだ。

柳楽社長は今後の成長が見込める環境やエネルギー、医療などの分 野に「集中的に投資する」と述べ、これらの分野でのM&Aも「考えて いる」と話した。日東電工は03年に医薬貼付剤メーカーの米エラン・ トランスダーマル・テクノロジーズを4500万ドル(当時のレートで約 53億円)で買収して以来、M&Aを手がけていない。

同社は、液晶パネルに不可欠な偏光板で一時は5割超のシェアを持 ち、「液晶銘柄」の代表とされる。しかし、通常の液晶パネル向け製品 では技術の汎用化で従来のような高収益の確保は難しくなった。このた め柳楽社長は、経営全体の「かじを大きく切らないといけない時期」と の認識を示した。液晶関係ではスマートフォンやタブレットPCに使わ れるタッチパネルについては「爆発的に伸びる」との認識を示し、この 分野でも来年中の設備増強を検討していると話した。

日東電工の株価は午前9時29分現在、前日比15円(0.4%)安の 3875円。年初来では17%の上昇。同期間中に日経平均株価は2.5%下落 している。

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