12月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替:ドルが対円で4日続落、82円台

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが円に対して4日続落。2カ 月余りで最長の下落局面となった。この日発表された米経済指標で景気 回復ペースが速まりつつある兆候が示されたことから、高利回り資産に 投じる資金として円の需要が高まった。

ドルはオーストラリア・ドルとニュージーランド(NZ)ドルに 対しても下落。11月の米製造業耐久財受注では、設備投資財が前月 から回復。18日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調 整済み)は前週から小幅減少した。スイス・フランはすべての主要通 貨に対して値下がり。前日は対ユーロで最高値を更新していた。また 格付け会社フィッチ・レーティングスがポルトガルの格付けを引き下 げたことを手掛かりに、ユーロは対ドルでの上げ幅を縮めた。

ゲイン・キャピタルのシニア為替ストラテジスト、エリック・ビ ロリア氏は、「米経済指標は消費の改善を裏付けている。消費は米経 済成長の非常に大きな部分を占めていることから、これはプラスだ」 と指摘。「非常に短期的にはドルは下落するが、長期的に見れば、こ うした成長はドルにはプラス材料となる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時1分現在、ドルは対円で前日比

0.8%安の1ドル=82円92銭と、14日以来の安値(前日は83 円57銭)。対ユーロでは0.1%下げて1ユーロ=1.3114ドル (前日1.3100ドル)。

NZドルに対しては1%下落の1NZドル=0.7472米ドル (前日は0.7402米ドル)。対豪ドルでは0.5%値下がりし、1豪 ドル=1.0042米ドル(前日0.9990米ドル)。

アジア通貨

アジア通貨はドルに対して上昇。中でも韓国ウォンが大きく上げ た。リスク選好が再び高まったことなどが背景にある。

ウォンは対ドルで続伸し、0.5%高の1ドル=1148.95ウォ ン。

NZドルは対米ドルでの上昇率が最大となった。同国のイングリ ッシュ財務相が、経済の拡大ペースが来年加速すると語ったことが材 料視された。豪ドルは対米ドルでパリティー(等価)を超えて上昇。 商品相場やアジア株の上昇が手掛かりとなった。

「パリティー」

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏は「株価や原油の上昇を受けて豪ドルが対 米ドルでパリティーとなる動きが見られており、これは来年も確実に 続くだろう」と述べた。

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は5 営業日連続で上昇し、一時329.58と2008年10月以来の高水準 を付けた。これにも反応し、NZドルと豪ドルは上昇した。

フィッチはポルトガルの外貨および現地通貨建ての長期発行体 デフォルト格付け(IDR)を「AA-」から「A+」に引き下げた と発表した。見通しは「ネガティブ」としている。これに反応し、ユ ーロは対ドルでの上げを縮めた。

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏は「ユ ーロは1.3150ドル付近まで上昇したが、フィッチがポルトガルを 格下げしたことで上げ幅を急速に縮めている」と分析した。

◎米国株:下落、割高感で-PER6月来高水準

米株式相場は下落。この日発表の米経済統計では、耐久財受注で設 備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受 注が前月から回復したほか、週間の失業保険申請件数は減少したが、S &P500種株価指数は前日までの5日続伸で6月以来の割高水準とな っていた。

住宅建設のレナーとDRホートンが安い。この日発表された11 月の米新築住宅販売が市場予想を下回ったことを嫌気した。バンク・ オブ・アメリカ(BOA)も値下がり。米金融保証会社(モノライン) のMBIAが住宅ローン担保証券(MBS)の保証をめぐりBOAの 不正行為を訴えている裁判では、MBIAはすべてのローンを検証す るよりもサンプル抽出を使用できると、裁判所判事が認めた。コンピ ューター用メモリーチップ最大手のマイクロン・テクノロジーも下落。 同社の9-11月(第1四半期))売上高はアナリスト予想に届かな かった。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1256.77。同株価 指数は前日に2年ぶり高値を付けたことで、株価収益率(PER)は

15.7倍と6月以来の高水準となっていた。ダウ工業株30種平均は

14.00ドル(0.1%)上昇の11573.49ドル。株式市場は24日、 クリスマスの祝日で休場となる。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は、「株式相場は上げ過ぎで、ペース も速過ぎた」と指摘。「下落に転じる前に相場が、あとどの程度上昇 するのか、多くの市場参加者が不安を覚え始めた。経済統計はあらゆ る点からみて好調だが、非常に前向きというほどではない。だから投 資家の反応は消極的なのかもしれない」と述べた。

S&P500種

S&P500種は今週、2008年9月の米リーマン・ブラザー ズ・ホールディングス破綻をきっかけとした46%下落を取り戻した。 第3四半期(7-9月)の米実質国内総生産(GDP)確定値が、改 定値から上方修正されたことを好感した。同株価指数は月初から前日 までに6.6%値上がり。9-10月は合わせて13%高と、同2カ月 間としては1998年以来最大の上げを記録していた。

先週の失業保険申請件数が発表されると、米株価指数先物は通常 取引前の時間外取引で下げ渋った。米労働省が発表した18日に終わ った1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から 3000件減少して42万件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想中央値と一致した。

同時に米商務省から発表された11月の米製造業耐久財受注では、 設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財) の受注が前月比で2.6%増。前月は3.6%減だった。同じく商務省 が発表した11月の個人消費支出(PCE)は増加し、5カ月連続の プラスとなった。

米新築住宅販売

米住宅市場の弱さに関して懸念が強まると、株価は下げ幅を拡大 した。商務省が発表した11月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済 み、年率換算)は前月比5.5%増の29万戸。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は30万戸だった。前月 は27万5000戸(速報は28万3000戸)に下方修正された。

S&P500種の住宅建設株指数は2.8%安。同指数を構成する 12銘柄すべてが値下がりした。レナーは4.2%安、DRホートンは 3%下落。

S&P500種の金融株指数は0.8%安と、業種別10指数の値 下がり率トップとなった。

BOAは2.4%安と、ダウ30種平均の値下がり率トップ。 210億ドル相当の住宅ローン担保証券の損失保険で不正があったと される訴訟で、MBIAにサンプル抽出に基づく反証が認められたこ とを受け、全てのローンの検証を求めていたバンク・オブ・アメリカ (BOA)が下落した。

マイクロンは4.1%安。同社の9-11月売上高は22億5000 万ドルと、アナリスト予想平均の23億7000万ドルを下回った。

◎米国債:下落、週間ベースの利回りは4週連続上昇

米国債相場は下落。10年債利回りは週間ベースで上昇、過去19 カ月間で最長の連続上昇を記録した。週間失業保険申請件数の減少や、 個人消費の前月比増加が影響した。

10年債利回りは週間ベースで4週連続上昇。財務省が来週実施 する入札の規模は過去2カ月間と同じ990億ドル相当。バンク・オ ブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、米国債の投資リター ンは今月、2.1%のマイナス、2009年12月以来で最大の下げとなっ た。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェーソン・ローガン氏は、「来週の国債入札を控え、利回り は上昇基調にあるはずだ」と述べ、「典型的な年末相場だ。新年まで は誰も大きな取引は仕掛けないだろう」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後1時59分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.39%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は9/32下げて93 21/32。

10年債利回りは16日には7カ月ぶり高水準の3.56%を付けて いた。今週の利回りは6bp上げた。4週連続上昇は2009年5月以 降で最長となる。

この日の米国債取引は午後2時までの短縮取引。24日はクリス マス(25日)の振り替え休日で終日休場。

失業保険と住宅統計

財務省は27日に2年債入札(350億ドル)を実施、翌28日に は5年債(350億ドル)、さらに29日に7年債(290億ドル)の入 札を実施する。

CRTキャピタル・キャピタル・グループの国債戦略責任者、デ ービッド・エーダー氏は、「来週は入札一色だ。市場はそれに注目し 始めるだろう」と述べ、「経済統計の内容は、二番底リスクが緩和さ れたと確信できる程度には改善したが、眼前にある統計以外でもっと バランスの取れた材料がある。つまり失業率は9.8%の高水準にあり、 今もインフレは非常に低いという事実だ」と続けた。

米労働省が発表した18日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は前週から3000件減少して42万件。継続受 給者数は406万人に減少した。

米失業率は11月に9.8%と、4月以来の高い水準だった。

米商務省が発表した11月の個人消費支出(PCE)は前月比

0.4%増加。前月は0.7%増(速報は0.4%増)に上方修正された。

FRBの国債購入

投資家のインフレ期待を示唆する10年債と同年限インフレ連動 債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は、ほぼ変 わらずの2.32ポイント。年初来の最低は1.47ポイントだった。

連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和策第2弾の一環と して、今週260億ドルの国債を購入した。来週は28日に償還期限 2013年6月-2014年11月の国債を60億-80億ドル購入し、翌 29日には2012年6月-2013年6月の国債を40億―60億ドル購 入

する計画だ。

FRBは20日、2度のオペで146億ドルの国債を購入。量的 緩和第2弾に入ってからは、1日当たりの購入額で最大だった。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポ ール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は、「資金が債券ファンドか ら流出しつつある。国債の供給と合わせて、債券離れの地合いが年末 にかけてさらに利回りを押し上げるだろう」と述べた。

◎金先物:続落、堅調な一年の終わりを控え利益確定広がる

ニューヨーク金先物相場は続落。堅調だった一年も終わりが近づ き、投資家の間では利益を確定する動きが広がった。

金は今月7日に1オンス=1432.50ドルの過去最高値を記録。 年間では10年連続高に向かっている。年初来では26%値上がりし、 米国株や債券のリターンを上回っている。

プロスペクター・アセット・マネジメント(イリノイ州)のレオ ナード・カプラン社長は、「今年の金と商品市場は好調だった。投資 家は利益を確定したい考えだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比6.90ドル(0.5%)安の1オンス=1380.50ドル で終了した。通常より早い取引終了となった。24日はクリスマスの振 り替え休日で終日休場となる。

◎原油先物:続伸、米統計受け需要拡大に期待-91.51ドル

ニューヨーク原油先物相場は5日続伸。約2年ぶり高値に上昇し た。米消費者信頼感指数が6カ月ぶりの水準に上昇したことを受け、 世界最大の石油消費国である米国で需要が高まるとの期待が高まっ た。

12月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値) は74.5と、前月の71.6から上昇した。11月の米個人消費支出 (PCE)は5カ月連続で増加。11月の米製造業耐久財受注も増加し、 景気回復がペースを速めている兆候と受け止められた。

エネルギー関連のコンサルタント会社キャメロン・ハノーバー (コネティカット州ニューカナン)のピーター・ビューテル社長は、 「きょうのデータは景気回復を裏付け、原油市場を押し上げる内容だ った」と指摘。「株式市場の堅調、もしくは経済見通しの改善という 材料があり、今週の原油市場には終始買い意欲がみられた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.03ドル(1.14%)高の1バレル=91.51ドルで終了した。終 値としては2008年10月3日以来の高値。年初からは15%高。この 日は通常より1時間早い午後1時半での取引終了となった。

◎欧州株:4日続伸、27カ月ぶり高値-米景気回復継続との見方

欧州株式相場は4日続伸し、ストックス欧州600指数が2年3 カ月ぶり高値を付けた。米経済指標で景気の回復基調が健在であるこ とが示された。。

半導体関連製品の製造装置メーカーであるドイツのアイクスト ロンは9.2%高。中国で受注したとの報道が好感された。アイルラン ドの銀行、アライド・アイリッシュ銀行(AIB)は20%急落。 2008年以降で実質国有化された4行目の銀行となった。

スウェーデンの鉄鋼会社、スウェーデンスティール(SSAB) は2.8%下げた。第4四半期の利益が「ゼロに近い」との見通しが売 りを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%高の281.76で終了。 この日の取引は方向感のない展開に終始した。業績改善に加え、欧州 連合(EU)によるギリシャとアイルランドの救済、米連邦準備制度 理事会(FRB)が景気刺激策として6000億ドル相当の国債買い入 れの方針を示したことを背景に、同指数は2008年9月のリーマン・ ブラザーズ・ホールディング破たん前の水準を回復している。

アルファ・ウェルトパピルハンデルス(フランクフルト)のアナ リスト、クリスチャン・フォークナー氏は、「商いは極めて薄いが、 市場には依然として上振れリスクがあるようだ」と述べ、「ソブリン 債危機がこれ以上大きく悪化しなければ、株式市場にそれほど影響を 与えることはないだろう」と続けた。さらに「来年1月末には米企業 の暫定決算と2011年の業績見通しが注目される」と語った。

この日発表された米経済統計で、個人消費支出と米新築住宅販売 件数が増加した。また、失業保険申請件数が減り、消費者マインド指 数は6カ月ぶり高水準を付けた。

23日の西欧市場では、18カ国中9カ国で主要株価指数が上昇し た。

◎欧州債:独2年債は2週ぶり低利回り-ギリシャ債などが下落

12月23日(ブルームバーグ):欧州債市場ではドイツ2年債利 回りが2週間ぶり低水準となった。高債務国の国債相場の下落に伴い、 ドイツ国債に安全を求める動きが強まった。

ギリシャ10年債の同年限のドイツ国債に対するプレミアム(上 乗せ利回り)が拡大した。ギリシャ紙タネアが情報源を明示せずに報 じたところによると、ギリシャの当局者やバンカーらは、2013年よ り後の債務再編計画を決定し、非公式な形で欧州連合(EU)当局者 および欧州中央銀行(ECB)に伝えた。

アイルランド10年債相場は6営業日続落。アイルランド高等裁 判所は、株主の承認がなくとも政府はアライド・アイリッシュ銀行を 公的管理下に置けるとの判断を下した。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)のシニア債券ストラ テジスト、ミヒャエル・マルコビッチ氏は、「国債スプレッドの拡大 は、ドイツ国債が安全資産として選好されていることを強調するもの だ」と語った。

ロンドン時間午後4時37分現在、ドイツ2年債利回りは前日比 ほぼ変わらずの0.95%。同国債(表面利率1%、2012年12月償還) 価格は100.085。独10年債利回りは2.98%と、前日から3ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

ギリシャ10年債の独10年債に対するプレミアムは17bp拡大 し923bpとなった。CMAによれば、ギリシャ国債の保証コストを 示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スワップは28b p上昇し、1カ月ぶり高水準となる1009bpを付けた。

一方、スペイン10年債利回りは3bp低下し5.49%、イタリ ア10年債利回りは3bp上昇の4.71%。アイルランド10年債利回 りは7bp上げ9.22%。

◎英国債:10年債利回り3.49%-2年債利回り1.21%

12月23日(ブルームバーグ):英国債市場では、10年債利回 りが3.49%となった。前日からの下げ幅は1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)未満。

同国債(表面利率4.75%、2020年3月)価格は0.06ポイン ト上げ109.82。2年債利回りは1.21%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス6.6%。これに対し米国債は5.6%、ドイツ国債は6.2%と なっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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