新生証券、今年最大のCMBS発行-ムーディーズが格付け

新生証券は商業用不動産ローン担保 証券(CMBS)の発行条件を決定した。発行額は137億3600万円で今 年最大規模のCMBSとなる。2008年のリーマンショックから低迷して いる市場に薄日が差してきた。

10年の日本のCMBS発行額は440億円。12月に入って立て続けに 3件、計258億円のCMBSが発行されたものの、年間の発行額は前の 年と比べて79%減。07年のピーク時に比べると、50分の1の規模となっ ている。このうち新生証券は2件、計179億9600万円発行した。

新生証券は5月に案件発掘を手がける金融戦略部を立ち上げ、証券 化事業を強化している。11年には今年の2倍のCMBS発行件数・発行 額を目指す。同社の岩本康宏証券化部長は22日、ブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで、2年前の市場規模まで回復するのは時間がか かるものの、投資家が戻れば市場は回復するとの見通しを示した。

米格付け会社のムーディーズ・ジャパンが発表した資料によると、 新生証券が今回組成したCMBSは、都内のオフィスビルを中心とした 15件の商業用不動産が対象で、ノンリコースローン(非遡及型融資)債 権を裏付けとしている。償還日は15年5月。格付けは4つに分けられ「 Aa1」の最上位格付けは93億円、「Aa3」は15億円、「A3」は14 億円、「Bbb2」は15億2900万円となっている。利率は明らかにして いない。

国内証券化商品の約8割を格付けしているムーディーズの鋤柄充シ ニアアナリストによると、金融危機を境に低迷していた国内CMBS市 場では、新規案件組成が再開され、外資系証券や銀行は証券化部門を再 構築する動きがあるという。また「企業向け融資に比べ、不動産ノンリ コースローンのスプレッド(金利上乗せ幅)の方が、相対的に魅力があ る」と述べ、投資家側のセンチメントも回復しつつあるという。

今年のCMBS市場は「2010年問題」と呼ばれる大量の償還をめぐ って、デフォルト(債務不履行)の発生が懸念されていた。ムーディー ズの試算によると、返済期限を迎える不動産担保ローン約1兆1000億円 のうち、負債比率が高く、返済可能性が低いものは約7000億円。翌11年 は同7000億円のうち同5400億円と、デフォルト懸念のある資産は減少傾 向にある。

ただムーディーズの竹之内哲次CMBSチームリーダーは、「ある 意味、危機モードの金融緩和の間に、証券化をあえてすることは想定し 難い」と指摘。不動産担保ローンを実行する貸し手側の都合により、一 筋縄に市場回復することは難しいとの見方を示した。

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