政府見通し:11年度実質成長率は1.5%、名目1.0%-景気持ち直しへ

政府は22日午後の臨時閣議で、 2011年度の経済成長率について、物価変動の影響を除いた実質でプラ ス1.5%程度、生活実感に近い名目ではプラス1.0%程度とする経済見 通しを了解した。世界経済が緩やかに回復する中で、雇用・所得環境 の改善が民間需要に波及し、内需主導で景気が持ち直すと見込んでい る。

7-9月期の国内総生産(GDP)2次速報を踏まえて民間エコ ノミストが予想した11年度の成長率見通しをブルームバーグ・ニュー スが集計したところ、予測中央値は実質成長率が1.4%、名目成長率 は0.5%だった。

政府の11年度経済見通しの前提となる10年度の見通しは、実質

3.1%程度、名目は1.1%程度とそれぞれ3年ぶりのプラスを見込む。 実質では、内閣府が6月に試算した2.6%を上振れるが、名目は試算 の1.6%を下回る。7-9月期のGDP2次速報が、エコカー購入補 助制度終了前の駆け込み需要などで前期比年率4.5%増と高成長を記 録したことが、実質値上振れの背景。

7-9月期にマイナス3.1%(実額年率換算15兆円)だった需給 ギャップの縮小などにより、消費者物価(CPI)上昇率については、 11年度にゼロ程度と見込む。ただ、これは同年度中に実施される5年 に1度の同指数の基準改定の影響は織り込んでいない。民間エコノミ ストはCPI基準改定は、05年基準に比べCPIを0.3から0.5ポイ ント程度押し下げる可能性があるとしている。

政府は6月に閣議決定した新成長戦略で、11年度中に消費者物価 上昇率をプラスにすることを掲げていた。政府経済見通しでも、この 目標を堅持した格好だが、物価が再びマイナスに陥らない状況を示す 「デフレ脱却」の時期については言及を避けた。一方、日本銀行に対 しては、「早期のデフレ脱却に向け、引き続き政府と緊密な情報交換・ 連携を保ちつつ、適切かつ機動的な金融政策の運営によって経済を下 支えするよう期待する」と明記した。

11年度の実質成長率への寄与度は、内需が1.0%程度で外需が

0.5%程度。民需の寄与度の内訳は個人消費が0.4%程度、設備投資が

0.6%程度、住宅投資と在庫投資がそれぞれ0.1ポイント程度となって いる。公需はマイナス0.2%程度としている

       【2010年度、2011年度の政府経済見通し】
        (単位:%「程度」)

                2010年度        2011年度
            名目    実質     名目   実質

国内総生産        1.1    3.1      1.0   1.5
民間最終消費       0.4    1.5      0.2   0.6
民間住宅         0.7    0.1      5.8   5.4
民間企業設備       4.2    4.9      4.2   4.2
民間在庫品増加寄与度  0.1    0.2      0.1   0.1
財貨・サービス輸出    14.3   18.7      5.2   6.2
財貨・サービス輸入    13.5   10.5      4.6   3.5
内需寄与度            0.8    1.9      0.8   1.0
民需寄与度            0.9    1.9      1.0   1.2
公需寄与度           -0.0    0.0      -0.2   -0.2
外需寄与度            0.2    1.2      0.2   0.5
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消費者物価変化率(総合)   -0.6         0.0
完全失業率          5.0         4.7
鉱工業生産増減率       8.6         2.5
GDPデフレータ-変化率    -2.0         -0.5
経常収支対GDP比      3.4         3.6
-------------------------------------------------------------
< 前提条件 >       2010年度          2011年度
世界GDP(日本を除く)      3.9%             3.2%
円相場(円/ドル)           85.6         82.4
原油価格(ドル/バレル)     81.9         86.6
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